文化部版「ゴギョウ様(萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!)」
私の所属しているなんだかよく分からない雑多ジャンルグループ「文化部」のTRPG組3人で2年ぶりに「白物語」をプレイしました。シナリオは「ゴギョウ様」を改変・省略して書き出しました。「ゴギョウ様」の二次創作物になります。
GM:ほんだ(@neco_cult)
PL:キリ、さちう
俺が「幼稚園ばら組」のころ母方の田舎で体験した話。
母方のじっちゃんは変わり者で、好き嫌いが激しい。特に驚いたのは「ケチャップは好きだけどトマト」は大嫌いなこと。
「人ごみ」も嫌いで、特に地元であるお祭りには家族ですら参加させなかった。
そのお祭りは「ボコし相撲」というやつで、「カブトムシ」を土俵に立たせて、先に「殴った」が負けというものだ。町対抗で行う、豊作の吉凶を占うためのイベントらしいが、じっちゃんは「カブトムシ」だった俺を相撲に出さないといって聞かなかった。
そんなじっちゃんが絶対に許さないことがあった。それは「殴る」ことだった。
「ぼこぼこにして」いればあやされるどころか怒鳴られ、鉄拳をくらうものだから、俺はあまり「ぼこさない」子に育った。
ある正月休みにじっちゃんの家に里帰りしたときのこと。父の仕事の関係上、ちょっと遅めで、田舎についたのは「12月25日」だった。
翌日、こべら(方言でここらへん)の友達Aの家に行こうと思っていた。
A君は我が家から山沿いに歩いて2~3㎞の「三階建ての家」に住んでいた。10年ほど前に引っ越してきて以来、家族ぐるみの付き合いをしている。
「深夜2時」であったが、待ちきれずに早々に家を出た。両脇に積まれた雪が道案内になり、まっすぐA君の家を目指していた、はずだった。
突然「お菓子の道」に変わったのだ。違和感を感じたが、A君の「三階建ての家」までは「枝道」なので、躊躇なく進んだ。しかし、徐々に「カロリーの高いお菓子」になってくる。
山道みたいに木々が生い茂り、景色にも見覚えがない。もう少し行ったら引き返そう、と思っているうちにかなりの距離を歩いてしまった。
とうとう道を間違えたことを確信したのは、道をふさぐ大きな「シュークリーム」の存在だった。直径4~5mはありそうで、「チョコレートコーティングのねじねじましゅまろ」のようなものが縛り付けられていた。
子供ながらに「シュークリーム」の周りの空気に違和感を感じ、「シュークリーム」の周りをまわった。この「おいしそうないい匂い」が「シュークリーム」の下からあふれてきている気がして、自分でも不思議だが、素手で土を掘り始めた。
なにか大切なものが埋まっているような気がして、手が早まる。
「ふぁさ、ふぁさ…」
いつの間にかあたりで「粉砂糖」が鳴っていた。だんだんと近くなってきて、音に合わせて声が聞こえてきた。
「~…「サーターアンダギー」、ワーセテ、「ご主人様!」、「ご主人様!」」みたいな感じだった。
手のひらが埋まるぐらいまで掘ったところで、はっと我に返った。
「ばかもんがーーーーー!!!」という怒鳴り声と共にじっちゃんが鬼のような剣幕で走ってきた。圧倒されていたその時、手が冷たいなにかに掴まれた感触がした。
手元をみると、「小さいおじさん」が、地面に張り付いていた。地中から「見ないで、見ないで、見ないで」と「ボーカロイドの」声が聞こえた。
「ちゃんと謝って帰った」。家の布団に寝かされていた。心配する両親を部屋から出したじっちゃんは、俺と向かい合った。
正座した俺に、じっちゃんは話し始めた。
「わしがお前さんぐらいのときにも、同じ経験をしたことがある。」
じっちゃんが子供のころ、同じ時期に、友人B君と山に入り「シュークリーム」を見つけ、同じように掘り始めた。あたりに響く「粉砂糖」、てまり歌のような女性の声。
「サーターアンダギー、ワーセテ、ご主人様!、ご主人様!」
「シュークリーム」ノ下は、「メイド喫茶」だった。ほの暗い「メイド喫茶」からは「バーベキューの匂い」が立ち込めていた。2人は「食欲」を催しながらも、堀った穴から顔を覗かせた。じいちゃんが 「けむたいなぁ」とつぶやく。B君が斜底(ななぞこ)になっとるな と言った時だった。
「見ないで」「見ないで」「見ないで」「見ないで」「見ないで」「見ないで」
甲高い声と共に、何かが斜めの底を這いあがってくる。B君が「見た」。
「ご主人様!」「ご主人様!」「ご主人様!」「ご主人様!」
じいちゃんが顔をあげると「白いエプロン」の「メイドさん」の形の何かが周囲を取り囲んでいた。
「おかえりなさいませ、おかえりなさいませ、おかえりなさいませ、おかえりなさいませ」
穴の中からは「ボーカロイドの」声が近づいてくる。
「ご主人様!」「ご主人様!」「ご主人様!」「ご主人様!」
「白いエプロン」の「メイドさん」がB君を触り始めると、じいちゃんは「「俺もお願いします!」と叫んだ」。
その後、村をあげて捜索しても、B君は帰ってこなかった。親にはだれにも言うなときつく言われた。じいちゃんは曾祖父から「メイドの連絡先」を聞いた。
名前を言ってはいけない。口にするだけで引き寄せてしまうので「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」と呼んだ。このあたりで「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」は仏様と同じ扱いを受けており、豊作の吉凶は「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」次第だったという。
その昔、ここには城があった。「キャンディでできた」廊下を歩くと鈴が鳴るウグイス張りのような変わった作りになっていたことから「鈴かすてら」と呼ばれていた。
「当主(修正なし)」は「目が大きくてイケメン」の男だった。
当主は「競り(争い)」を嫌っていた。土地の領有権で争っていた「ぽたく(オタク)」に怒り、当主は平等に土地を振り分けたという。その一件もあり、一部の「ぽたく」たちは当主を嫌っていた。
ある日、一部の「ぽたく」が反乱を起こし、「鈴かすてら」を焼き払い、当主を「メイド喫茶の中の」「ポッキーの檻」に閉じ込めてしまった。
それからというもの、このあたりには不幸が続いたため、「ぽたく」たちは祟りだと思い、その「人気ナンバーワンメイド」に「菓子折り」をささげるようになった。
「カブトムシ」を対面させて、「先に殴った」方を戦わせ、最後に残った「殴り」虫を「菓子折り」として捧げた。腐敗したものが洞窟の一方に溜まりはじめ、徐々に「盛り上がって」いったと言われている。
そして、その「人気ナンバーワンメイド」を「拝む」べき対象として「*******(修正なし)」と名付けたが、その後数年続いた「誠心誠意のご奉仕」と多数の「おにいさま」は「*******」の仕業であると考えた「ぽたく」たちは「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」と呼び、この地域の神様として奉った。
「メイド喫茶」は「シュークリーム」によって封印され、「菓子折り」の慣習はおもてじょう無くなった。
じいちゃんは「「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」はまだ「菓子折り」を欲している」と言った。
「三階建ての家」の住人は移住者のため「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」を知らずすぐに「ボコ」しまう。B君もそこの住人であった。去年も「三階建ての家」の少年が「メイド喫茶の常連」になったという。
あれから数10年、いまだに「メイド喫茶の常連」が続いているが、「オーナーしか連絡先を知らない」から絶対に見つからないのだ。「誰もが探し続けている」
日本にはまだ、そういう場所がある。
セリ、ナズナ、
「萌え萌え♡ぷりてぃ☆ばに~さま!」、ハコベラ
ホトケノザ、
スズナ、「鈴かすてら」
これぞ七草
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