文化部版「八尺様」

私の所属しているなんだかよく分からない雑多ジャンルグループ「文化部」のTRPG組3人で「白物語」をプレイしました。シナリオは「八尺様」をうろ覚えしたものを略して書き出しました。「八尺様」の二次創作物になります。

GM:ほんだ(@neco_cult)

PL:キリ、さちう



 これは俺が大学生の頃の話です。

 田舎にある「犬」と「犬」が暮らす「辛島村」にある「さちうさんの「犬」が住む家」が好きで、夏休みと冬休みには1時間くらいかけて何日か泊まっていました。
 ある夏休みの日、毎年と同じく、「辛島村」にきていた俺は、縁側でぼーっとしていました。すると、高い塀をすーっと平行移動する「白い大きな餃子」が見えました。
 「白い大きな餃子」はもちろん単体ではなく、黒髪の上に被せられたもので、「可愛いショタ」の人なんだろうなとすぐ分かりました。その人は、声とも言えないような「ヴァッ、ヴァッ、ヴァッ」(ゲーム版ピカチュウ)という鳴き声を発しながら、塀を横切ってどこかに行きました。
 その時はなんとも思わず、晩飯の際、ふと思い出した俺は、「犬」と「犬」に言いました。
「すごい可愛いショタの人がおったんよ」
 「犬」はテレビを見ながら「そーか」とどうでも良さげに言いましたが、俺が
「「白い大きな餃子」を被ってて、「ヴァッ、ヴァッ、ヴァッ」とか言ってたんだ」
 と言うと顔色を変えて「なんやと!」と叫びつけました。「犬」も顔を青くして絶句していました。

 「犬」が言うには、その「白い大きな餃子」をかぶって「ヴァッ、ヴァッ、ヴァッ」と鳴く子は「可愛いショタ」といい、気に入った者を「ディスコに連れてって」しまうそうで、俺は今夜にも連れてかれるだろうと言われました。現実味がなかった俺はそんなまさかと甘んじていましたが、「犬」の呼んだおばあさんが「大変なことになったね。以前「可愛いショタ」が人を連れ去ったのは「1500年前」だ。周期としておかしくはない」と告げた時、少しづつ現実味を帯びていくのを感じました。

 2階の一部屋の「窓(修正なし)」に目張りをして、「ガチのアヒル」を準備しました。「犬」は言いました。
「いいか。今夜はこの部屋から絶対に出るな。トイレはこの「ガチのアヒル」でしろ。テレビは見てもいい。しかし、朝まで俺たちがお前を呼ぶことはない。そうだな…「昼の12時」になったら、お前から部屋を出てこい。いいか、絶対に返事をするな。絶対に出るな。」
 おばあさんは、1枚「iTunesカード(1500円)」をくれて「怖い時はこれに祈りなさい」と背を撫でてくれました。

 俺は何度も頷いて、部屋に入りました。
 しばらくはテレビを見ていましたが、だんだんと緊張感はまして行きました。
 「窓」からカリカリと音がしたり、「ヴァッ、ヴァッ、ヴァッ」と鳴き声が聞こえ、俺はおかしくなりそうでした。布団をかぶって耳を塞ぎました。「犬」が「おおい、○○!」と呼ぶ声(実は選挙カー)がして、布団から出ました。しかし、「犬」は決して俺を呼ばないはずだと止まりました。

「怖かったら、出てきてもいいんだぞお」
「出ておいでえ」 そう呼ぶ声(本当は選挙カー)はだんだんと人の声ではなくなっていき、俺はすぐに布団を被りました。
 それからはテレビを見たり、「課金してワクワク」しながら眠ったりして、過ごしました。

 ふと目を覚まし、テレビを見ると「昼の12時」を過ぎていて、俺はそっと部屋を出ました。するとおばあさん、「犬」、「犬」が安心したように抱きしめてくれ「なく」て、俺は泣きそうになりました。しかし「犬」はまだ険しい顔で、
「「ダイニング」へ出ろ。家まで送るが、油断するな」と、静かに連れて行かれました。

「ダイニング」には「80匹」「ネコチャン」がいて、俺の姿を見ると大丈夫だったか、油断するな、と声を掛けられました。
 ダイニングから八人乗り(七人乗り)の「ハイエース」の真ん中に乗せられ、周りを「80匹のネコチャン」に囲われました。後から「犬」に聞きましたが、俺が紛れるように、遠くてもいいから「猫好き」を集めていたようです。
 ハイエースの前には「犬」の乗る軽トラ、後ろにはまた別の親戚が追いかけました。

 三台の車は「100キロ」ほどのスピードで田舎道を「カーチェイス」していきました。少し進むと、外から「ヴァッ、ヴァッ、ヴァッ」と鳴き声が聞こえ、ああ、探されているんだ、と思い、顔を伏せました。「窓」の外にはきっと「可愛いショタ」が「白い大きな餃子」をかぶって、俺を探しているんだと分かりました。

 やがて「辛島村」を出てしばらくした道の脇に俺たちは停まり、「よく頑張ったな!もう追いかけてはこれまい。原付は後日家に持っていこう。」「「来月あたりにおいで。」「可愛いショタ」はお前の匂いを覚えたが、「辛島村」の結界の中から出ることはできない。次に結界の中に入ってくれば、今度は助かるか分からないからな」と俺は告げられ、ようやく家に帰ることができました。

 そして、2年前に「犬」は眠って、昨日のこと。「犬」から電話がきました。
「「辛島村」の結界が、何者かによってひとつ壊されてしまった。それも、お前の家に続くものだ。なにか起こるか分からないが、気をつけて」と。
 「犬」の寝ている今、「可愛いショタ」がきたとき、俺はどうしようもないだろう。この文章を貴方が読んでいるとき、俺は生きているだろうか。まあ寺生まれのTさんが友達なんだけれど。

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