#3 不思議な本と小さな妖精📖 𓂃𓈒 𓂂𓏸🧚‍♀️✨️

これは夢かもしれない。
でも現実のような感覚だった……


見知らぬ街並みを歩いていると、いくつか並んだお店の中に、ひときわ目を引くおしゃれな雑貨屋さんがあった。

あなたは自然とその雑貨屋さんに引き寄せられ、扉を開けた。

お客さんも店員も見当たらない。

静かな店内にはセンスの良いインテリアや雑貨が並んでいる中、奥の棚にひときわ不思議な光を放つアンティークな本が目に留まった。

そっと手に取ると、金色の装飾が美しく施された表紙には何も書かれていない。


興味を引かれて中を開こうとしたその瞬間、どこからか小さな羽音が聞こえてきた。

振り返ると、目の前に、手のひらサイズの可愛らしい妖精がふわりと浮かんでいた。

目を見開き、思わず息を呑んだ。

「えっ……？妖精？」

現実とは思えないその光景に、あなたは一瞬立ち尽くしてしまった。

妖精は、まるであなたの驚きを和らげるかのように、穏やかな笑顔で話し始めた。

「はじめまして。
この本は、あなたが今、心から必要としているものを映し出す魔法の本なの。
優しく抱きしめて、目をつむってみて。」

妖精の言う通りに本を抱きしめると、柔らかな光が表紙から漏れ、そこに美しいイラストが浮かび上がった。

それは、あなたが最近抱えていた悩みや、描いていた未来へのヒントが詰まった絵だった。

ページを開くと、柔らかい言葉で綴られたアドバイスが並び、今のあなたにぴったりのストーリーが展開されていく。

その物語に引き込まれ、心が次第に温かくなっていった。

妖精はふわりとあなたの肩に降り立ち、微笑んで言った。

「この本は、もうあなたの中にあるわ。
必要な時には、その記憶を呼び覚まして
」

本を大事に胸に抱えながら、あなたはそっとページをめくり続けた。

ページをめくるたび、心が穏やかになり、不思議と未来への不安が消えていくのを感じる。


本を読み終えると、あなたは本を元の棚に戻すことにした。

手にした時のあの不思議な引力を感じながらも、静かに棚に置く。

もしかすると、この本はまた誰かに必要とされるのかもしれない。

そう思いながら、本に軽く触れて最後に一言、心の中で感謝を伝えた。

妖精も微笑みながら

「ありがとう。
この本は、必要な人にまた出会うでしょう。

未来はあなた自身で変えられるの。

だから安心して、どんな時でも自分を信じて進んで行ってね」

と言い残し、優しいキレイな光を放ちながらそっと消えていった。

店を出ると、そこには見慣れた街並みが広がり、いつもの風景が変わらずに続いていた。

けれど、心の中には新たな風が吹き込んでいるようだった。

足取りは軽く、胸には希望と安らぎが満ちて、あなたは再び前に進み始めた。


あの本は、また誰かの未来を照らすのだろう。

そしてその先には、きっと新しい道が広がっているに違いない——

あなたにしか見つけられない、素敵な未来が。


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