#2 11月の窓辺で
秋の深まりを感じる11月の教室の窓辺で、彼女はそっと髪を撫でながら外を見つめていた。
「今日から11月かぁ」
と小さくつぶやく。
冷たい風が吹き抜け、長い黒髪が軽く揺れる。
11月の始まりは、今年もあと2か月で終わることを知らせるかのようだ。
「今年もあっという間だな」
と、心の中でふり返る。
少しの寂しさが胸をよぎるけれど、その一方で、まだ最後の2か月が残っている。
限られた時間で何か新しいことに挑戦してみたい、そんな気持ちがじんわりと湧き上がってくる。
「まだやれること、興味があることにチャレンジしてみようかな…」
冷たい風に乗せて、小さな決意を呟いた。
彼女は静かに立ち上がり、今年の締めくくりに向けて、心の中で描いた未来へと一歩を踏み出す準備を始めた。
教室の空気はどこかひんやりとしているが、その冷たさが彼女の心を引き締めるようでもあった。
外の木々は色とりどりの葉をまとい、時折、風に吹かれて舞い散っていく。
その様子に目を奪われながら、彼女はふと、「この季節の変わり目が好きだな」と思った。
変化の波が、自分の内側にも広がっているのを感じる。
この季節とともに、自分も少しずつ変わっていくような、そんな予感がする。
最後の2か月でどんな自分になれるだろうか——
そんな未来への期待が、彼女の胸を静かに高鳴らせた。
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