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お客さんに教わる

海外のお客さんが1日最低1組は来る。
なので英語メニューは初期の頃から用意していたのだが、この前興味深いことを聞いたのでここに残しておく。


ある日、欧米から来たらしき風貌のお客さんからミートソーストーストの注文をいただいた。
ミートソーストーストなんて食べてみるの初めて!と、彼は言っていた。

だが、作ってテーブルに出してみると「なんや、これボロネーゼやん。これなら食べたことあったわ(笑)」と言う。
実際に食べてもらって、ほんまにボロネーゼ?と聞くと、うんそやね、僕にとってはボロネーゼやわと返ってきた。

あれ、そういえばミートソースってよく考えたら海外で見たことないなぁ…ミートソースって日本特有じゃね?とそこで今さら考える。


彼曰く、ミートソース…つまり肉のソースってなんやねん?日本っぽいやつなんかな?となったらしい。
でも出てきたものを見るとトマトベースのよく見るボロネーゼらしきものだったというわけだ。

ミートソースと聞くと数多ある国の文化やら宗教やらいろいろな人々のルーツから考えて人それぞれ想像が膨らむだろうねぇと彼は言う。

それを聞いて、たしかにそうかもしれん!!と面食らう。
私たちにとったらミートソースといえばトマトベースのあの味やと想像がつくけど、いろんな文化で育ってきた人たちが世界中にいるわけやから、「肉のソース」なんてざっくりすぎる。
なんの味付けされてるねん!?と全くわからないだろうなと思った。

思い返せば海外の人からミートソーストーストのオーダーを今まで全くもらわなかった。
彼が言う話が要因だったのかもしれない。


ちなみに、その話した彼はイギリス人なんだが「僕はこれをボロネーゼと呼ぶ」と言っていた。

ボロネーゼはイタリアの料理であるがイタリア人は食に関しての線引きがものすごく厳しいらしい。
ボロネーゼはああやってこうやってこう調理する!それがボロネーゼなんや!!って感じにイタリア人たちの中にむちゃ細かい定義があるんや…せやしイタリア人はこれをボロネーゼとは呼ばないやろうねと彼は話す。

でもイングリッシュである自分はこれはボロネーゼだと言うし、だけどスペイン人はどう言うかわからないしアンタたち日本人はミートソースと呼ぶし、ほんと人それぞれの生きてきた文化でこれをなんと成すか…が決まるやろうねぇと加えた。
なるほど。


いや〜〜おもしろいなぁ〜〜と、とても学びになったことだった。

私は元々海外の文化の違いを知るのがたぶんコーヒーを知ることよりも好きで(笑)そのため若いときに英語を勉強してきたので、また英語を使って興味深いことを知れたなぁとヒシヒシと感じる出来事だった。


彼の話を受けてとりあえず英語メニューにトマトと肉と野菜が入っとると手書きで加えてみると、後日、海外のお客さんからミートソーストーストの注文をちょこちょこいただいた。

今までわからなかったのか…と改めて気づく。
どんなものか想像しやすくなったのかな。

それにしても今回はお客さんがとてもお喋り好きな人で助かった(笑)
ミートソースなんて食べたことないよ…いや、なんやこれボロネーゼやないかいの独り言のような私に向けられたような発言がないと気づかないことだったのでありがたかった。

こういう少し変えたら途端に良くなるようなフィードバックは言語問わずどんどん受けていきたいと思う。

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