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地元に店を出す

最初一瞬渋った地元での出店であったが結果的に得なことしかない。


私は京都市で生まれ育ち、「そうどすなぁ」なんて今の時代にまだ言うような祖母を持つ、たぶん生粋の京都人なのであるが(京都人らしくないところもあると思うけどそれはおいときます)、京都人は…というか京都の年配の方々はご近所に新しく住み始めた人が他の場所からやってきたと知ると少し戸惑う。

私もやっぱり小さい頃は家族たちに洗脳されて(笑)そういう考えが少なからずあったかもしれないけど今はそんなことは全くない。
他の場所から引っ越してきた人は予想以上に多いし他の地から来たからってなんやねんと大人になって思ったからです。

年配の方々もそれを理解しつつあると思うので他の場所から移り住んできた人たちのことについて露骨に嫌味を言ったり怪しんだりすることも減ったのではと感じる。


それでも近隣に住む少し年配のお客さんたちも最初は全く知らない私たちのことを警戒していたのではないかなぁと思う。
なんとなく。
オーラでやけど。

しかし、お客さんと会話をする中で出身地の話になり「私は実家すぐそこやで、〇〇町やで」と言うと「なーんや!〇〇町の子かいな!」と一瞬で壁がなくなる。

夫は京都市外で奈良に近い町の出身なのだが、私が地元だと知ると夫が市外だろうがなんだろうが何も気にされない。
(基本夫の方が愛想が良いのでそれも気にされない要因の1つか)

とりあえずここで育ってきた私は近隣の人たちにとったら近寄りやすい関係となるらしい。
これも雰囲気から感じ取っているので本当のところはわからないけど。


時に実家の町内の人が私の両親から聞いて来たりすることもあるし、島原で飲み歩く父親の知人や友人が来て父親の話をされたりすることもある。
小学校の同級生や同級生の親、兄の同級生の親などなど…私に覚えのある人たちも噂を聞きつけて来店することもある。

うちで1番の常連である近所に住むおばちゃんは、昔母親と一緒の職場で働いていたらしい。
その娘である私が店をやっているんだからどんな人間かは知られてるようなもんだし初っ端からそのおばちゃんはフレンドリーに接してくださる。
私たち自身も母親の昔の知り合いだと思うとお客さんだからっていう壁は最初からゼロ。
今やもう家族だと思っている(笑)

うーん、地元クオリティ。
素晴らしい。


また、地元なので物件周辺の町の雰囲気など歩かなくてもわかる。

昔から島原は何もなくて静か。
何か犯罪が起こったなんて話は聞かないし夜道も平然と歩けるくらい治安は良い。
京都の中心地からも京都駅からも近からず遠からず絶妙な距離。
間借り営業をしていた壬生からも近からず遠からずなので、私たちが探していた理想の場所と言えたかもしれない。


地元ではなくて他の場所でやっていたとしたらどうだろうと思う。
想像することしかできないけど。
もしかしたら島原よりも良かったという可能性もあるけど。

今のところ島原で不満は全くない。
むしろプラス。
すごく気に入った場所となった。

強いて言うならやはりアクセスは良くないので遠くから来てもらうお客さんには目指してもらうことになる。
なので遠いけど行ってみたいと思えるような店にしていかなければならない。

やはりお世話になってる近隣の方々の憩いの場のためにこの場所を維持したいなぁとは強く思うけど、それ以外の場所に住む方々にも来ていただいてうちのコーヒーを飲んでほしい。

いろいろ悩みは絶えない。
がんばります。



◇◇◇◇◇

*ネクタイコーヒー
京都府京都市下京区櫛笥通丹波口下る裏方町177-5


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