意地悪な人
今住んでいる場所に越してきたのは私が30代に突入する少し前だったように思う。地元出身という人が多く、大人になってもそのままこの土地に住み続け、結婚し、そして家を買った・・・という方が多い地域だったようで、近隣の方たちは同級生や顔見知りと話す人が比較的多かった。
ある年の夏休み、並びの家とお向かいの家でBBQをしませんか?とお誘いがあった。幼稚園~小学校くらいの子どもが多い地域なので夏休みのイベント的な物だったんだと思う。我が家にも子どもが一人いたので私は横で見守り、子どもだけ参加させてもらうことにした。
そんな中、一人の女の子が私+子どもの方へトコトコと寄ってきた。ニコニコとうちの子に向かって笑っている。「こんばんは^^」と笑って話しかけると、その母親らしき人が小走りできてその子の腕を引っ張った。小さな声だったが「そっち行っちゃダメ!」みたいなことを言ったのが聞こえた。
一瞬聞き間違えかと思ってその人の顔を見ると、意地悪そうに歪んだ口元が見えた。
『嫌な人だな~・・・』というイメージが残った。その後もそのお家の人は会って会釈しても私を睨みつけて見ていたりして、自然と見ないようにした。『意地悪な人』という残像が焼き付いてしまった人。
昨年から今年にかけ我が家が自治会の班長になったのだが、何年振りだろう?その人と接触することがあった。あの時の意地悪してきた人だ。あの時のことなんか全然覚えていないような態度だった。やられた方は覚えているけれど、やった本人は欠片も記憶にないんだろうな。
次の班長はそのお宅になる予定だったので事前に手紙でお知らせしたら「現在1人暮らしで引っ越し予定のため辞退します」とポストに手紙が入っていた。
会っても睨まれるだけだったので別段何とも思わなかった。最後まで意地悪な人というイメージは消えないままだったな・・・、というだけのお話。