三食きっちり定時に
朝ごはんは9時~9時30分、お昼は12時~12時半、夜ご飯は7時~7時30分。
これが母の毎日の食事帯になっている。
家で介護を受けている母にとって土曜日も日曜日も祝日も関係ない。
毎日同じ日。なのでご飯も毎日ほぼ同じ時間帯に作る。
疲れた日はたまに寝坊してゆっくりすごしたい日もあるけれど、そんな気持ちを汲んでくれる認知症の人はいないだろう。
「たまにはゆっくりしたらいいよ」なんて言葉は次の瞬間には頭から消え去っていて、少しでも食事の時間が遅くなろうものならたちまち不機嫌で満ち満ちた表情になる。それが認知症の母なのだ。
とある土曜日、子ども達がお休みなので久々に一緒に外出した。
遅くなった上の子どもの誕生日プレゼントを選び、可愛い雑貨を見ながら街を散策する。とても楽しい時間。
お昼ご飯を済ませてから家を出て、帰るのは夜ご飯に間に合うように。
予め用意してあった夜ご飯におかずを足して母の食事を出す。
自分たちの食事の用意もあったので下の子に母の食事を運んでもらった。
時間もきちんと守っているから大丈夫、と安心したのが悪かったのか・・・食事を運び終えた子どもが怪訝な顔で降りてきた。
母が出ていこうと荷物をまとめ、服を着替えて泣いていたというのだ。
『自分は娘に嫌われている。出ていきたい。』
まだ10代の孫に向かって赴くままに感情をぶつける祖母。
自分の四分の一も人生を過ごしていないような孫に配慮の一つもできない母の態度に怒りが湧いた。
「出ていきたいならとっとと出ていけや!!」と部屋に怒鳴り込みたくなった。
相手は認知症の老人なのだ。そんなことをしても意味はないってわかっているけれどお腹の底に溜まった怒りはなかなか収まらない。
こんな気持ちを月に何度も何度も味わう。どこへ向けることもできない怒り。
最近は足を引きずるようになってきた母。
介護施設にお世話にならなくては過ごせない日もそんなに遠いことではないかもしれない。
だから、と毎日自分を抑えながら過ごしているが、こんな日は暴走した感情を抑えきれずにいる。
ドロドロした感情がまとわりついて嫌になる。
こんな気持ちが晴れる日がいつかくるのかな・・・。
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