税理士試験記録三年目 初受験(簿記、財表)
私の時代、通常だと大学三年次に初受験ができます。
私も三年次に受験ができる運びとなり、いよいよ本試験を初受験することになります。
初めての直前期(4月から本試験まで)
大学二年次から本格的に試験勉強に時間を費やしたものの、
なかなか成績が伸びないまま大学三年にあがり初めての直前期に突入します。
直前期は毎週のように答練(答案練習の略かな?)を受けます。
出題範囲が指定されて、その内容に沿っての出題されます。
本試験同様2時間の問題で、これまでの計算問題集などとはレベルが格段に上がる印象です。
答練の結果に基づいて上位10%ラインなどが発表されるので、自分の立ち位置が把握できるのもこのタイミングです。
初受験の科目であれば、上位30%に入れば上出来だと言われたので(違ったらすみません)
それを目標にしていましたが、平均点を取れないこともあるほど結果はボロボロでした。
しかもリアルな順位が把握できるので答練を受けるたびに自信を無くしていきます。
一喜一憂しないようにと講師からアドバイスを受けるも、一喜すらさせてもらえないほどボロボロの点数を取っていました。(少しは喜びたかった)
初受験は伸びしろがあるので、直前にグイっと成績が上がって合格したという話もよく耳にしており、
心を折らずに愚直に机に向かうことを徹底していました。
大学の授業もラクなものや、後ろの隅の席で理論暗記できるような授業を取って受験勉強に費やしました。
朝から晩まで土日も勉強漬けで駆け抜けましたが、結局、直前でグイっと点数が上がることはなく、
本試験に近づくにつれて難易度の上がる答練に食らいつくことで必死な毎日です。
これまでの人生の中で一番机に向かって勉強をした自負はありつつも、
点数がついてこないので地に足のつかないフワっとした感覚で、
自分がやってきたことが正しかったのか自信が持てないままの受験となります。
本試験当日(簿財初受験)
本試験当日は、朝型の生活に整えていたので、6時くらいに起きてバナナなどで食事は軽く済ませて、
腹痛など起こさないように冷たいものを避けたりしながら会場へ向かいました。
当時の受験会場は早稲田大学で、結構な数の受験生がいたことを覚えています。
比較的年齢層の若い簿記論ですが、社会人受験生も多いので、
みんなデキそうな雰囲気をまとっていてめちゃくちゃ緊張したのを覚えています。
周りを気にしすぎてもいけないのですが、やはり自信が持てないとこの空気感にやられてしまいます。
私のこれまでの高校受験や大学受験とは違い、受験生のほとんどが落ちるのが税理士試験なので、
体験したことのないピリピリ感です。
現在は違うと思いますが、当時は受験中の耳栓が許されていましたので、それが唯一の救いとなりました。
周りを意識しすぎだった私は、耳栓に助けられて自分の世界に集中することができました。
本試験の問題が配られて緊張はピークを迎えましたが、目をつぶり集中しました。
開始の合図があり、教室中の人が一斉に表紙をめくります。
私は深呼吸をしてから表紙をめくりました。
簿記論(初受験)
第一問、目に飛び込んできたのは連結会計の問題でした。
うわっ!やってねぇ・・・。
とりあえず、ボリュームの確認とどんな問題が出題されているのか、さらっと目を通しました。
が、第一問の連結の問題が頭から離れません。
直前に対策しようと思いつつ、重要度の低さから後回しにしすぎた結果、まともに勉強できなかった論点です。
おそらく手を付けてもほとんど点数に結び付けられないだろうと踏んで、第二問、第三問を先に解きました。
第二問、第三問はオーソドックスな問題だったと記憶していますが、めちゃ難しい。
これでいいのか?いいんだよな?と自分に問いながら、
全く自信を持てないまま解答用紙を埋めていきましたが、手応えなく、時間もなく、
あとに回した第一問の連結に25分ほど残すことがきました。
改めて第一問を眺めるとやっぱり連結だったし、ほとんど分からずに数字を埋めてみて、試験時間が終了しました。
試験を終えて放心していましたが、次の財表があることを思い出して頭を切り替えました。
簿記がボロボロすぎて、財表は合格してやる!という気持ちになりました。(簿記をあきらめている笑)
財務諸表論(初受験)
財表は、直前に少しだけ成績が上がる兆しがあったので、ひょっとするよ?と思えて自信をもって受験できました。
試験中の記憶はほとんどありませんが、簿記のようにうわっ!ていう事がなかったと思います。
受験を終えて
そんなこんなで初受験は終了しました。
周りから聞いていたようにあっという間の4時間、
そしてこの数時間で人生が1年も2年も左右されるなんて、恐ろしい世界だと実感できました。
社会人受験生はこの試験に文字通り人生をかけてきていると思うと、
時間はたくさんあったものの、合格に対して中途半端な気持ちで勉強していたなと思いました。
勉強すれば合格できるだろう、なんて甘い考えだったと改めて気づかされました。
私の考えの甘さは生まれ持ったものですが、すこしは受験に真剣になれたと思います。
本試験後は解答を復元して合格ラインに乗っているか確認してみましたが、
簿記はボーダー下8点くらい、財表はボーダー下2点くらいだったと記憶しています。
ボーダーを見ると、思ったより簿記は点数取れているし、財表は点数取れていないな、という感じ。
合格の可能性五分五分だけど不合格寄りという感じでしょうか。
この点数を見て、簿記はみんな出来ていなかったし、財表はみんな出来ていたのかな、という風に考えていました。
相対評価での合否なので、周りがどうだったかが重要で、
自分ができたかどうかの主観はあまり意味がないのかもしれないです。
さて、試験後は自己採点を参考に次の科目である、法人税と相続税の勉強を開始しました。
聞いてはいたけど税法激ムズだな、という印象でした。
計算は何をしているかわからない。
理論暗記も一行も脳に入ってもないという状況で、少し脳に引っ掛かり始めても翌日にはさっぱりでまた脳にねじ込む作業。
苦行かな、地獄に落ちたのかな、という三か月を過ごしました。
初受験の結果発表
簿財合格していたら税法進むのか、大変だなこりゃ、という心配は杞憂に終わり、
簿財両方不合格でした。
法人・相続の勉強がすでに周りより遅れていたため、不合格に少し安心していた自分が居ました。
不合格で安心するなんて、試験やめたほうがいい奴だと思いますが、
次こそ簿財合格してやる!と謎のやる気に満ち溢れていました。
漫然と勉強していればなんとか大学まで入れた人生だったのですが、
この試験は難易度が全然違いました。
合格するためにはどうしたらいいのか考えて実行して、
結果から軌道修正を繰り返して自分なりの勉強の仕方、合格の方法を掴まなければなりません。
これまでの詰込みの勉強では全く歯が立ちませんでした。
ただ、初受験の不合格の反省点をはじめにきっちりやったことは褒めたいと思っています。
初受験の反省点
1.苦手論点は後回しにせず何度も繰り返し解いて苦手意識をなくす
2.計画を立てて今日やることを予め決めておく(時間は有限)
3.答えを覚えていないか?
上記三点を反省点に上げました。
「苦手論点は後回しにせず何度繰り返し解いて苦手意識をなくす」
は、言わずもがなですが、連結会計を見た時の手汗の量が半端なく焦りました。
そこから平常心を取り戻すのに2時間以上かかるので(試験終わってる)、
苦手論点は本試験までに必要以上につぶしておく必要がありました。
そして、この苦手なんてないぞ!という状況が自信につながるのかなと思います。
「計画を立てて今日やることを予め決めておく(時間は有限)」
は、本試験直前に改正論点や答練などやることがドカドカ増えていきます。
やることを絞らなければならない時がきます。
しかし、合格のためにはすべての問題を解き切りたいという欲張りさんの私は、
いつまでにこの問題集を終わらせないといけない、とか、
この答練はこの先もう解くことができない、とか
計画に落とし込んで可視化しないと、
直前で「あの問題をもう一回解きたかったのに~」という状況になってしまいました。
本試験直前はやることだらけなのです。
「答えを覚えていないか?」
は、一度解いた問題は解けましたが、初見だと似た問題・同じ論点でも解答できませんでした。
それはどういうことなのかと考えた結果、答えを覚えていないか?という事でした。
簿記は推定が多いので、解答の手順や流れがつかめれば解答できるようになりましたが、
その手順や流れは一度解いた問題でないと、どこから手を付けていいのか不明という状態でした。
それでも何度も解くと点数は上がるので、それでできる気になっていました。
しかし結局、初見じゃ全く解けないので実力がついてはいないのです。
この対策として、問題の傾向を分析して解き方を覚えるようにしました。
この手の問題はどこにヒントがありそうか、研究しました。
漫然と問題を解いて答えを覚えるのではなく、問題の解き方を分析してパターンを覚えました。
これは後々、税法でも活きてきます。
以上、反省点でした。
12月の結果発表後から3月頃まで、この反省点を踏まえた勉強を続けていき、
4月、5月頃の答練でどんな結果が出るのか、不安の中での勉強が続きました。
そして大学4年にあがり、二度目の簿財の直前期に突入していきます。