税理士試験記録二年目 簿記論・財務諸表論
前途は暗いが希望の光が見えるそんな二年目の感じが、イラストとマッチしています。
誰かの参考になればと書いていますが、誰かのためになるとは微塵も感じれない内容になっている気がします。
反面教師くらいにはなりたいと思います。
財表の授業が始まった
大学2年生には税理士試験のカリキュラムに突入です。
大学1年の春休みは帰省もせずに簿記の勉強をしました。
帰省をしないことを不審に思った父母から理由を聞かれ、税理士試験受験の為だと打ち明けます。
そこまで本気ではないはずなのに、この頃から将来の夢は税理士になることだと周りに吹聴し始めます。
周りの応援が嬉しい時期だったと思いますが、試験の厳しさを知っていれば受験の事実をひた隠しにすべきだったと後悔します。
夏休み前から財務諸表論(以下、「財表」)を授業が始まります。
簿記は周りとの実力差が開いてしまったが、財表はスタートラインが同じなので差を付けられないようにと心入れ替えます。
初めての理論暗記に苦戦しますが、暗記した分だけ点数に反映されたので楽しかったです。
簿記は転記ミスや電卓叩きミスなどに苦しんでいる時期だったので、その分、財表に楽しみを見いだせたのかもしれません。
会計原則など、理論の初期は、意味不明で暗記をすることがストレスでしたが、
しばらく進償むと減価償却などの理論に入り、仕訳の意味が分かって勉強が楽しい時期に移り変わります。
財表の理論のおかげで、仕訳を体に覚えさせるフェーズから脱却し、仕訳の意味がわかって仕訳を忘れにくくなりました。
これこそが簿財の相乗効果ですね。
私の受験で出題はありませんでしたが、簿記論で理論を書く問題が出題されたことがあったようで、
そういう意味でも簿財は同時受験が有利だと思います。
ただ、簿記論で理論の出題には断固反対の立場です。
とにかく量をこなしてみる
学生時代は長期休みも多いので、量をこなす勉強スタイルに挑戦しました。
量をこなす勉強は、やった気になるので注意が必要ですが、受験の早い時期に量の多い勉強計画を経験することは大事だと思います。
国税を受験するのであればかなりのボリュームの勉強量が必要になります。
たとえ勉強の質を上げても理論の暗記や計算スピードを上げるために、いずれ「量」が必要になります。
なので一日10時間の勉強ができる生活スタイルやメンタルは持ち合わせている人は有利に思います。
毎日10時間以上の勉強は学生でもメンタル的に難しいと思いますが、本試験直前期の休日は一日12時間とか勉強する受験生は多いので、
どこかのタイミングで量の勉強もやってみることは私としては有意義でした。
逆に質を問われると、何も言えませんが・・・。
不合格の先輩が隣に座る恐怖
大学2年生の冬休み明けには、夏に受験をした先輩方の結果が出て、
簿財に不合格だった人は漏れなく、簿財初学者と同じ教室で勉強することになります。
それまで先輩との絡みはないので、基本的には受験を知らないゆとり世代がわちゃわちゃしている雰囲気だったのですが、
不合格を経験した先輩方が同じクラスに参入してからはピリッとした雰囲気に私は窒息寸前でした。
そしてミニテストでは、速攻で終えて満点を取っている先輩方に格の違いを見せられつつも、
この先輩が不合格だったんか…と、本試験の厳しさをリアルに感じるようになりました。
試験の合格率は1割から2割程度なので半数以上は来年も受験となります。
つまり、敵はベテラン組であり、そういった試験に慣れた人を点数で超えることが合格の条件となります。
試験の構造や受験生の構成を考えると早めにベテラン組の雰囲気に慣れておいてよかったと思います。
この頃から、試験さながらに青ペンで勉強したり、何度も電卓をたたかないように練習をし始め、普段から試験を意識するようになりました。
財表の勉強で工夫したこと
財表の勉強で工夫したことは二つあります。
まず一つ目は、人に解き方を聞くことです。
(最早、工夫といわない・・・)
財表の計算は簿記とは少し違っていて、仕訳のマニアックさや難しい推定などはありませんでした。
いかに効率よく集計できるかがカギでした。(当時はそうでしたが今はどうかわかりません。)
なので、集計ミスや漏れを防ぐように計算用紙を活用する方法で攻略をしました。
この攻略法は先輩から教えてもらいました。
受験にはある程度のコツや攻略法があるので、講師や受験生にいろいろ聞いてみると気づきがあります。
知識を蓄えることやアウトプットの練習はもちろん合格に必要ですが、その科目を1年で合格しようと思うと先人の知恵も必要でした。
自分の頭で工夫することが大切だといわれそうですが、その時間さえも惜しいので勇気を振り絞って、恥を忍んで人に聞いていました。
結果的に自分の合格への最短距離になったのではないかと思っています。
財表の勉強で工夫したこと二つ目は、注記をすべて書くことです。
私は注記を後回しにしがちな人間だったのですが、計算スピードが遅くて、注記を空欄で提出していました。
書く内容はわかっていても時間がないので後回しにした結果、書かず仕舞いというのが原因でした。
対策として、計算スピードを上げようと考えていたのですが、講師から注記は得点源なので先に埋めるようにと指摘されました。
確かに、書けば確実に点数があり、書く内容も暗記していれば対応できます。
一方、計算は引っ掛けがいろんなところに潜んでいてミスなどによっても得点につなげるのが難しいです。
計算スピードを上げたところで得点できる保証はありません。
そうなると多少の時間はかかっても、書けば点数につながる注記を書きあげることが得点アップにつながるのではないかと実践しました。
結果として点数は上がりました。
これは私にとっての重要な気付きで、転記するだけで配点が来るところや
時間をかければ確実に点数が来るところは先にやるべきだと、解く順番などもガラッと変えるようにしました。
こうして、いろんな工夫をしながら一歩一歩前に進んでいきましたが、
初受験というのは厳しいもので、毎回の講義をしっかり復習していても直前期の模試ではボロカスに叩きのめされるものです。
次回は大学三年生の初めての本試験です。