全日本社会人のシードについて調査してみた。
全日本社会人のドローについて、なかなか盛り上がっていたので
どうやってシードを決めているのか考察してみた。
結果だけ知りたい人はこちらをどうぞ。
今年は全日本社会人ソフトテニス選手権が群馬県にて開催されます。
2020年、2021年と大会が中止となり、前回大会は2019年。
2019年の山形での大会と言えば、早稲田大学を卒業しプロとなった船水颯人選手が社会人1年目の年でした。当時はまだ上松選手が大学生だったため、誰とペアを組むのかに注目されていた中、中本選手とペアを組み、見事初出場初優勝を飾った大会でした。
全日本社会人はその名の通り、社会人しか出場できないため、基本的には社会人1年目の選手はどれだけ強かろうと前回大会のシード権のポイントがありません。船水選手も特例はなく、ペアの中本選手の前回大会の結果のお陰でベスト8シードに入っていました。
(仮にこの時、船水星野ペアなど社会人1年目同士のペアで出場していた場合、その年の東日本や西日本選手権で結果が出ていなければ、第1シードのパックのスタートもあり得るのです)
そして2022年、群馬で開催される全日本社会人のドローが公開されました。
蓋を開けてみれば、2019年と同じく、何故この選手がこんな場所に!?だらけでしたが(そもそも3学年分も新社会人が生まれているので)シードはどうやって決めているのかを考察してみました。
全日本社会人の参加資格とは
まず2022年大会の大会要綱を見てみます。
参加資格の(2)を見ると、①〜⑥の条件があります。
①2019年の全日本ランキングのTOP10のペア
②2022年の東・西日本選手権の上位16ペア
③2022年の各ブロック大会の上位4ペア
④⑤各都道府県から一定数のペア
⑥外国選手(連盟推薦)
また留意事項に①〜③にて出場資格を有するペアは、有資格者同士以外のペアは原則参加を認められない とあります。
シードの決め方について(私の仮説)
今回の大会について、シードはどうやって決めているのか。私は以下の仮説を立て、検証してみることにしました
1.2019年の全日本社会人大会ベスト64の成績の選手にポイントを与え、シードを割り振る
2.シードポイントを持ちながら引退した選手や欠場の選手がおり、64本のシードが埋まらないため、シードポイントを持たない参加資格(2)の①の選手(2019年全日本ランキングTOP10)がいる場合はそのペアを64本のシードに組み込む
3.それでも埋まらない場合は参加資格(2)の②(2022年の東・西日本選手権16以内)のペアを64本のシードに組み込む
4.それでも埋まらない場合は参加資格(2)の③(2022年の各ブロック4位以内)のペアを64本シードに組み込む
5.それでも埋まらない場合は各都道府県予選の1位のペアを順番に64本シードに組み込む
この仮説が正しいかどうか、今回のところ64シードのペアを全て抜粋し、前回大会の成績、参加資格①〜③の該当有無を調査してみました。
結論:32シードまではしっかり考慮して決めてそう(一般男子)
仮説通りなのか、参加資格の戦績と今年の64本のシードを検証してみると、ある程度の方向性が見えてきました。
まず、仮説通りに前回の全日本社会人大会の成績が優先的に反映されるということ。添付のPDFを見てほしいのですが、2019年のゼンシャカの成績順にシードが組まれていることが分かります(多少前後する順位はあったが、おそらく地域被りなどがないようにするための配慮だと思われる)
しかし、意外だったのが前回大会のベスト64は特に考慮もされていなさそうな点でした。今回の32シードの中に、前回大会でベスト64の選手も居るが、その選手が仮に前回大会に出場していない=空白だったとしても、今のシードの場所が妥当に見えます(11シード安藤安藤の安藤弟選手、17シード石井加藤の加藤選手など)
また27シードの内本内田ペア、29シードの長尾松本ペアは前回大会はまだ学生だったため出場していませんが、参加資格①の2019年全日本ランキングを持っており、参加資格②の2022の東・西一般の成績も上位のため、考慮され16〜32シードに組み込まれたのだと思われます。
また前回大会のベスト64以下の成績は考慮されないことを考えると、30〜32シードの丸岡森川ペア、河村越智ペア、大橋松橋ペアは前回大会成績によるシードポイントは無いが、こちらも参加資格②の2022東・西一般でベスト8だった成績を考慮され、16〜32シードに組み込まれたのでしょう。
しかし、参加資格②の2022東・西一般でベスト8になっている56シードの齋藤佐藤、58シードの上岡丸山に関しては、枠の関係からか16〜32シードからは漏れてしまっており、しょうがないことではあるが可哀想だなと思います。(ただ組み込まれた3ペアより、あぶれてしまったこの2ペアの方が社会人歴が短い気がする、、、気のせいとは思いますが)
というかこの2ペアが32シードからあふれるのはしょうがないとして、56シードと58シードっていうのは流石に下すぎる気もするが、33~64シードに関してはそこまで考えてないんだろうなというのは下記の図を見てもらえれば分かるのでは無いでしょうか(そもそも33~64はシードとして捉えていないんだろうなという印象。今回の大会は325ペア出場なので、1~32までのくくりと、33〜256のくくり、そして257~325までのパックみたいなざっくりとした分け方なんだろうか)
考慮するのは前回大会32以上と東・西日本大会の結果のみ?
一番意外だったのが参加資格③の各ブロック大会のベスト4の成績は、参加資格にはなるけど全くシードには考慮されないんだなということでした。
2022年の東北大会ベスト4のペアと中国大会ベスト4のペアが、何故かパックスタート。
2019年の全日本ランキング8位のペアも、ペアを崩さず出場しているのに、場所は65〜128シードの位置。
ナショナルチームに所属してようが、65〜128シードの位置。
戦績や参加資格を満たしている割に、場所が良く無いペアをピックアップしてみた。本大会の台風の目になる可能性が十分にあるペアとも言えるでしょう。
まとめ(調査結果)
調査の結果、2022年ゼンシャカドロー(一般男子)について整理すると
①シードは成績順で32まで決める
②成績の強さは 前回大会のベスト32の成績>西・東一般の16までの成績
③全日本ランキングや各ブロック大会の成績は参加資格としては使えるが、シードを決める際には無力化される
一般女子までは調査できてないですが、大方同じように決めているのかなと思います。
以下は、調査の参考にしたエビデンスです。
前回大会(2019年)の大会結果
①2019年の全日本ランキングのTOP10のペア
2019年の全日本ランキングはこちら。
この年の天皇杯や西日本・東日本一般で成績を収めた選手がTOP10に入っています。
②2022年の東・西日本選手権の上位16ペア
③2022年の各ブロック大会の上位4ペア
東北
関東
北信越
東海
近畿
中国
四国
九州
北海道(資格ではないが参考)
これだけ調べてなんですが、ゼンシャカでは無くインカレに行くので試合は見れません😖
あゆタロウ・荻原ペアを現地で見たかったなぁ。
おしまい