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Christian Dadaに出会ってからの5年間。

はろーこんにちは。
takiです。

Christian Dadaというファッションブランドをご存知でしょうか?
2010年代前半のファッション界を席巻し、パリコレクションにも公式スケジュール内での参加を果たした、たった10年だけ存在した伝説のブランドです。

詳しくはコチラ↓

私はそんなクリスチャンダダにブランド終了から1年後に魅了され、私がファッションオタクあるいは服バカとも言える部族にズブズブと沼に浸かり、仲間入りしてしまった悲しき人間です。
虚空の中で光を追いかけるような感覚です。

そんなこんなでクリスチャンダダに出会い、魅了され続け、虚空を彷徨い続けて5年の月日が経ちました。

2024年ももう終わります。
年を越す直前、最後にクリスチャンダダに出会ってからの5年間を述べていきます。

2024年という1年を振り返るという意味合いもありますが、それと同時に私の運命さえもガラリと変えたこの5年を振り返っていきます。


詳細は前述の記事の通りですが、私は高校時代自他共に認める陰キャでした。陰キャof陰キャ。

こんな人生つまんねー。
もっと頭おかしくロックに生きてー。

そう思って最初はレイジブルーやキャスパージョン、無印良品、ユニクロなどのファストファッションに手を出しました。

なんか普通の人間に憧れた…というよりは普通の人間がどんな感じかを体感したかったのかな…と今思うとそんな心境だったのかな…と。
よく覚えてないけど。

当時の写真が無いのが惜しいですが、画像のようなスタイリングをしていたと思います。

やべぇ…ほぼ一緒やん…。
奇跡やん…。
これはなんかパクった参考にした記憶ある。
スラックスがフレア気味でシューズがDr.Martensの
白ステッチ3ホールだった記憶。
バッグは持ってなかった気がする。リュックかも。

キャスパージョンのこのコートとシャツ着てました笑
まさかほぼ同じようなスタイリングが出てくるとは…。

  • キャスパージョンのコート

  • レイジブルーのパーカー(画像よりは水色系)orキャスパージョンの金ボタンシャツ

  • レイジブルーのオフホワイト系のスラックス

  • プーマのスピードキャットorスエード

こんな感じだった記憶があります。
で、髪はちょい長髪だった気がします。
写真は1枚も残ってませんでした…。

とまぁ、私も元々はいわゆるモテファッションからスタートして実際に友達も出来たんです。
それを多分2シーズンほどやっていました。

で、2020年12月22日。
私の運命を変えるお洋服に出会うんです。

Christian Dada 13AW メルトンライダースジャケット

脳を突き刺されたような衝撃でした。
か、かっっっこよ…。みたいな。
語彙力が完全に消える感じ。

何から何まで完璧な1着でした。
ライダースジャケット欲しいなぁとちょうど思ってた時期だった記憶もあります。
でもダブルは男臭すぎる(当時は多分「モテなさそう」とか思ってたんだろうな)、シングルはなんか違うかな…?と思ってました。多分。

で、シングルのライダースだけど、メルトンで上品さも少し感じる。
でもレザーの部分は完全にライダースジャケットそのもののディテール。

完璧ですやん…。

値段は3万円。

すぐには買えませんでしたが、「2日後必ず来ます」と伝えて取り置きさせて頂いて12月24日、運命のお洋服を手に入れました。

今まで付き合ってきた女の子との思い出よりも鮮明に覚えています。

それからクリスチャンダダをいっぱい買いたいという欲もありましたが、その時は遊びたい欲が勝ってしまったのもあり、しばらくクリスチャンダダを買うことも値段の高いお洋服を買うこともありませんでした。

当時はワイドパンツ信者でキャスパージョンのワイドフレアパンツを気に入っていたのもあります。
また、当時はメルカリに対してなんとなく怖い印象を持っていたのもあります。
更にクリスチャンダダだけでなく他のブランドも混ぜた方がカッコいいだろうという根拠のない理論を持っていました。

2021年はほとんど服を買いませんでした。

でも、Googleで「クリスチャンダダ スナップ」で検索すると出てくるクリスチャンダダの直営店で働いていた方のスナップを見て、いつか全身クリスチャンダダを着たいという思いはありました。

そして、一度服の沼に入ってしまった、デザイナーズブランドのお洋服のクオリティの高さ、デザインの魅力を知ってしまった私は簡単に服にハマることとなります。

まずそのキッカケが22AWのYohji Yamamoto Pour Hommeのコレクション。

生まれて初めて見たパリコレでした。
松重豊さんが本当にカッコよかった。
ここからクリスチャンダダではなく、一旦Yohji Yamamoto、ヨウジと系統の似ているsulvam、DELADAの3ブランドにハマります。
sulvam、DELADAのジャケット、Ground Yの3wayスカートパンツを買いました。
これが大体夏前まで。

22AWのヨウジヤマモト絶対買うんだ!と意気込んでいたところ、夏ぐらいに冷房ガンガン効いた部屋で、ふと。なんとなく…。
クリスチャンダダの前述のメルトンライダースジャケットを着ました。

やっぱりどのお洋服よりもカッコいい。
でも、スタイリングはこうじゃないな…と思っていました。
スカートパンツもちょっとチグハグしてる気がしましたし笑(多分素材感の問題)
そんな中、先ほど紹介したスナップを思い出したのです。
それがコチラ。

やっぱりクリスチャンダダカッコいい…。
21歳の私はクリスチャンダダというブランドそのものへの魅力に気づいてしまった。

ここからクリスチャンダダをめっちゃ買いました。
一般販売されたオーバーサイズ版の薔薇スカジャン、黒のデストロイデニム、サングラスetc…。
更にシュガーヒルのダブルニーのベルボトムも買いました。
このスナップの方に憧れてという部分もあったのかもしれないけど、高校の時から周りから短髪の方が似合うという声もずっと覚えていて、短髪にもしました。
今の髪型と一緒です。

今の髪型。
画像探すのに苦労した…。

同時期にJUNYA WATANABE MAN 22AWのコレクションムービーも見ました。

これがキッカケでヨウジは結局このシーズン1着も買うことなくジュンヤにお金を滅茶苦茶注ぎ込みました。
ジャケットとデニム、デニムはセールで買いましたが、合計で20万以上。

シューズもHed MaynerのモンクローファーをたまたまFarfetchで見つけて買いました。
13万で買いました。

Hed Mayner 21ss モンクストラップローファー

そうです。
2021年の貯金と2022年AWのヨウジを買う為の資金とバイトの給料全てをダダ、ジュンヤ、ヘドメイナー、シュガーヒルに注ぎ込みました。

一体何万したんでしょう…考えたくもありません笑

当時はこれで満足でした。
ただ1点を除いて。

クリスチャンダダのメルトンライダースジャケット。

これを使った100点満点のスタイリングがしたい…。

まだまだロックとモード全開のスタイリングが出来るはず。
悩んでいました。
そうやって悩んでいたら2023年1月に躁鬱病になりました。

当時のバイト先の人間関係が一番の原因でしたが、
単純に8月以降週6はバイトをして(それでも扶養内)学校も行って、酷い時は1日中フリーの日が月に1回だけとかいう地獄のスケジュールをこなして、翌年から始まる就活も自分が一体何をしたいのか決められず、そして、最大の癒やしであるはずのファッションでも悩みに悩んで、迷走し過ぎてしまい、気づいた時にはもう疲弊し過ぎて笑うことが出来なくなりました。

この躁鬱病をキッカケにまた一旦ファッションから離れることになります。

WBC見て、ようやく笑えるように、ぼっちざろっくとリコリスリコイル見てようやく人と会話できるようになり、躁状態になって調子乗ってカメラ買ってまた鬱になって…。

月日が流れて2023年は7月になっていました。

お世話になっていたヴィンテージの古着屋が高円寺にありました。
「sureau」というお店です。
シュロって読みます。
エルダーフラワーを指す言葉らしいです。
フランス語だったかな…?(うろ覚え)

そこで染めの古着のトップスを買ったんです。
それをメルトンライダースに合わせてみたんです。

「これだ…!」

スタイリングで脳に電流が流れた瞬間その1。
すぐさまボーボーの髪型を変えました。
…何故かブレイズヘアーで。

2023年夏に無理やり着て撮った1枚。

今見てもそれなりにカッコいいです笑
でも今見るとこれより今の方がカッコいいなって。

でも、それでも躁鬱病の当時はとんでもなく眩しい光を見たような衝撃で。

遂に最高のスタイリングが組めた!とすら思いました。

ここからまたクリスチャンダダへの熱量が蘇ることとなります。
第4次クリスチャンダダドハマリ期。
またまためっちゃ買いました。

遂に最高のスタイリングが組めた!
だからこれをベースに他のスタイリングも追求しよう!と。

そう思っていたんですが…。

次第に俺がやりたいのってモードとロックの中間じゃなくてモードさとロックさを全面に出したスタイリングだったよな…。
と、自分が何をしたかったのかを思い出したぐらいの時に金銭的にブレイズヘアーの維持が厳しくなってきたので、普通の髪型に戻したら全然カッコよくなかったんです笑

あれぇー?みたいな笑
ボトムスをレザーにしてみたりとか試行錯誤しましたけど…。
いや、もっとカッコよくできるな…って。

色々試しまくった結果、辿り着いたのが…。

このライダースは前を締める方がカッコいい。


は?

初歩の初歩ですやん…。
嘘でしょ…?

誰が、何を、どう着るか。
こればっかり気にしていました。
この理論自体は凄く良いと今も思っています。
いますが、どう着るか?の部分をアイテムの組み合わせという解釈をしていたのが間違いでした。
そのアイテムをどう着るか?ということも含めてどう着るか?だったんです。

初歩の初歩ですやん…。
謎の前開けレイヤードのこだわりはここで完全に捨て去りました。

と、ほぼ同時に私の概念をもう1段階ぶち壊すアイテムを手に入れました。
2024年2月4日の下北沢でした。
あれはバズストアに置いてあったんです。

また脳に電流が流れた瞬間その2。

Christian Dada 16ss Kamo Head フェザーキャスケット

「これだ!!」

私が求めていた最後のピースだと思いました。
これならよりモードにスタイリングが組める…と。

下北沢のバズストアで買った時に店員さんに
「ブランドロゴも何も情報が無くてやっとの思いでクリスチャンダダのいつのシーズンかは分かった。でも、いくら値段を付ければ良いんだろう?って笑」
「オンラインで売れたらいいなぁと思ってたらまさか店頭で即売れするとは…笑
しかもクリスチャンダダ信者がまだいたなんて…笑」

一言一句覚えてます笑
いやでもこれは私にとってかけがえのないアイテムの1つです。

2024年1月

バイカーファッションをモードに破壊する。
これをテーマに組んでみたスタイリングです。
いや、これは今見てもカッコいい笑

多分ワイドパンツ信者からスキニー信者になったのもこの頃だったと思います。

このスタイリングで行った東京ファッションウィーク最終日は本当に楽しかった。
ソウシオオツキのコレクション、見ました。
超特等席でモデルが反転して戻っていく場所のすぐ近くでした。
圧巻でした。今でも覚えています。
躁鬱治りそうな気すら…いや、そこまではしなかったな笑

このスタイリングをやる前は前を開けてレイヤードしたい!というこだわり(謎)があったんですが、それを取っ払っただけで一気にスタイリングが簡単になりましたね…。

ただ、まだ改善できるような気はしていました。

特にボトムス。
まだまだ自分だけの世界観を構築できると直感的に思っていました。

そんな中でいっぱいクリスチャンダダを買いました。
今年は特にほぼ毎月買いました。
4月〜9月までニートだったのに買っていました。

特にこの3着は今年買ったダダの中でも思い入れが強いです。
だってカッコいいじゃん…。

そうやってクリスチャンダダばっかり買って、クリスチャンダダばっかり着ていくうちにどうすれば良いのか、言語化するのは難しいですが感覚的に最適解が分かるようになりました。

東京ファッションウィーク以降、しばらく着ていなかったのですが、それでも頭の中で考察して予想できるようになりました。

もっとダークに。
破壊的なロックンロールで。
それでいてシャープに。

秋になって本格的にスタイリングを考え直してから数日後ぐらいには結論が付いていました。
もう既に持っていたボトムスでした。

でもボトムスを変えただけ…ではなく。

もっとダークで。
もっとロックで。
もっとイカれた自分だけの世界観を。

結果がこれです。

ちょうどこの時、色々と面倒なことに巻き込まれて怒り狂ってたので、怒りを表現したかったんですよね。
で、フェイスペイントええやん。と。

怒りと同時にクリスチャンダダへの愛も表現したかったんです。

愛ってハートマークが思いつきますけど、それじゃカッコよくは無いので。
なんかいい表現無いかなぁと思ってたらあったんですよね。

フェイスペイントの元ネタはゲーム「デスストランディング」に出てくるキャラ、クリフォード・アンガーです。

デスストランディングのクリフ
マッツ・ミケルセンが演じています。

ちょっとネタバレになっちゃうんですけど…。

このキャラの原動力は愛。
何に対する愛かはマジのネタバレになっちゃうので、これ以上は避けますが、感情が爆発し過ぎると涙が出てくると思うんです。
それって愛も怒りも表現するのにピッタリだな…って思ったんです。

そして、このスタイリングです。
帽子の羽が涙のように流れ落ちてボトムスにかけて羽が朽ちていき、革靴さえもシワクチャで原型の無い物へと破壊されていく。
この流れが美しいとすら思ったんです。

そこでこのライダースが綺麗で品があるのが効いてくる。
私史上最高のスタイリング…というよりは芸術です。

太いシルエットって動き(ドレープ感)が出せるので、妖艶さとか雰囲気を出すのは細身のシルエットよりは比較的簡単なのかなと思っていますが(実際そうかは別として)、細身でこのダークな雰囲気、そしてどことなく残っているロックさ。
これがクリスチャンダダの唯一無二さとすら思ったんです。

同時にロックって感情なのかなとも思いました。
ロックという精神性は、信念を持って自らの思いを表現し、権力に屈さず、独自性を貫くといったことを指します。
このスタイリングを日本という場所で貫き通すこと、それ自体がロックなのかな…と。

このスタイリングを思いついて数ヶ月経ちますが…。
もう思いつきません笑
完成してしまったのかもしれません。
ファッションとしては良くないことかもしれません。
でもそれも良いかなと。
まるで私が高校時代に聞いていたゆらゆら帝国みたいになれたようで。

ここまでのスタイリングをするまでに5年かかりました。
躁鬱病にもなりました。
ニートにもなりました。
いっぱい嫌なこともありました。
「安いからってだけで買ってるんだろ、ダサい。もっと高い服じゃないとダメ!」とも言われました。
でも自分のやりたいこと、表現したいこと、好きなもの、カッコいいと思うもの…。
全部追求して追求して…。
5年前の自分、躁鬱になった時の自分に言ってあげたい。
マジでカッコよくなれた。
楽しかった。

最後のスタイリングはブッ飛んでると思います。
自分でも自覚はあります。

でもこの5年はかけがえのないもので、万人には伝わらないでしょうけど、私1人が生きていくには十分すぎるものを貰いました。


ハイ。やっぱり長文になりました。
もうすぐ年越しですね。

それでは皆様良いお年を。
クリスチャンダダへの愛に溢れた5年間。
この感情を胸に、2025年がどうなるか。
楽しみにしてます。

バイバイ。

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