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東京ファッションウィークに参加してきた話

はろーこんにちは。
takiです。

3/11〜3/16までに開催された東京ファッションウィークのいくつかのブランドによるランウェイショーに参加してきたので感想と日記?のようなものを述べていきます。

※全て敬称略



1.筆者のスタイリング備忘録

初日(3/11)

3/11のスタイリング。

アウターのジャケットから着用ブランドが

Outer:Christian Dada
Tops:Yohji Yamamoto Pour Homme
Pants:dressedundressed
Shoes:Hed Mayner 
Eyewear:Christian Dada

となっております。
ファッションウィークに参加するような人にしてはあまりにもシンプルなオールブラックコーデですが、ジャケットのテーピングを最大限目立たせ生かすにはコレしかないと思って組みました。

…インスタにこれを載せたらいつもより反応が良かったんですけどなんでですかねぇ…。
よく分からん。

2日目(3/14)

3/14のスタイリング

Outer:Christian Dada
Pants:Christian Dada
Shoes:Comme Des Garcons Homme Plus
Scarf:Antique(1880〜90s)
Eyewear:Christian Dada

ロックンロールなんですの。
18AWの薔薇スカジャンを使ったスタイリングです。
スカジャンにダメージデニムは普通すぎる考えだなと思ったので、スカーフとバッグで薔薇の赤を拾ってみました。
スキニーパンツでも良いかなと思ったんですが、こっちの方がロックっぽさが表現できるような気がします…気がするだけ。

3日目(3/16)

3/16のスタイリング。一番好き。

Casquette:Christian Dada 16ss
Jacket:Christian Dada 13aw
Pants:Christian Dada 13aw
Shoes:Hed Mayner 21ss
Glove:DENTS

3/16のスタイリング。
テーマは破壊。
バイカーファッションをモードでぶち壊してみました。
キャスケット、ライダース、パンツ、シューズ、グローブ全てでレザーを使用し、シューズ以外で別の素材のレザーとは違った黒を使ってモードに落とし込みました。
革新性の観点から見たら個性や世界観、雰囲気が出てる…と私は思ってますがどうでしょう笑

ちなみにこの日、人生で初めてスナップを撮られました。嬉しい。

4日目(3/17)

3/17のスタイリング
足元はこんな感じです。

Shirt:Christian Dada 19ss
Skirt:Christian Dada 19ss
Pants:dressedundressed 22aw
Shoes:Comme Des Garcons Homme Plus 23aw

3/17のスタイリング。
縦に長いレイヤードスタイルです。
私がこのテイストのスタイリングをするのは珍しいらしいです。そうなんですかね?

ただ、私はまだこのスタイリングを今以上に洗練させることができるような気がしてます。
例えば、白のレザーグローブをしたりとか首元に何かアイテムを持ってくるとか…。
まだやれることはあるような気がする発展途上のスタイリングかなと思ってます。

でもスナップめっちゃ撮ってもらえたので感謝です。


2.コレクションレビューと感想

2-1.TANAKA

“自由を制限されることへの憤り”。
デザイナー自身が常日頃感じている感情が今回のコレクションに対するクリエーションの源です。

「今までの100年とこれからの100年を紡ぐ服」というコンセプトのもと、ジャパンデニムを核としてコレクションを展開しているタナカ。

タナカの象徴とも言えるデニムのルックではギャザーを寄せたルックやプリーツ、スタッズなどデニムだけでもありとあらゆる自由な表現を見せています。

TANAKAのアイコンでもあるデニムは自由の象徴だとコメントしています。

デニムはアメリカの労働者のための衣服ですが、1960年代に反戦運動や社会運動などからヒッピームーブメントがアメリカで起きた際の話。
当時のウッドストック・フェスティバルに参加するミュージシャンや、「LOVE&PEACE」を主張したアーティストのボブ・ディランがデニムを愛用したことから、ヒッピーファッションの象徴へとなっていく。
つまりはデニムは戦争からの「自由・反抗」のアイコン的存在とも言えるのです。

あらゆるアイテムにデニム生地を使用。
多様な人に愛されてきたデニムの歴史を踏まえつつ、アイテムの表現に広がりを感じ、愛と自由が込められたコレクションと言えます。

また、ルック内で「LOVE IS NOT DEAD」、「FREEDOM IS OURS」という文字のルックが登場。
これはそのまま自由と愛に対しての表現でしょう。
多様な人に愛されてきたデニムの歴史を踏まえつつ、アイテムの表現に広がりを感じ、愛と自由が込められたコレクションでした。


2-2.MIKIO SAKABE

テーマは「The Day Today」。
要約すると「今日という1日」。
日常とか今日その日のとあることを意味すると捉えて良いでしょうか。

MIKIO SAKABEは“ファッション”という常に多くの人の目を惹きつけ、全ての人の身体や日常に関わりのあるプロダクトやフィールドを通して表現し、それが人々や社会にどう作用するのかということを常に実験している。
新たな流行を生み出すもの、独自の世界観を打ち出すもの、プロダクトとしての機能性や品質を追求するもの、顧客の要望や需要に寄り添うもの、大衆に向けて「売る」ことを目指すもの。
いずれにも該当しない視点で”ファッション”という学問を抉るようにファッションを追求している。

「ファッションと物語性」。これをテーマとして提示しているようにも思える。
WWDの記事から一部抜粋すると、ここで言う「物語性」とは、元々神様や土着的なものと人間との関係から生まれたという民族衣装などをはじめとした、「個人の思い出や心とファッションとの関係性」を表すような物語のことを指す。
今回のショーでは「白無垢」や「産着」といった神社や神道にゆかりのある神聖な装束を連想させるような、純白のジャケットやドレスのルックが豊富に登場したほか、1970〜80年代の不良少女たちの間で流行した「スケバン」スタイルなど、今の時代というよりは、日本という土地の歴史や文化をより長いスパンで見たときの記憶や思い出を取り入れているように見えました。

ここ数年のファッションはオーバーサイズなストリートスタイルやy2kファッションとも呼ばれたミニマムで少し奇妙なファッションが流れとしてはきていました。
しかし、今はそれらのスタイルは流行という観点から推察するに衰退を迎えており、また別の「物語」が始まろうとしています。

デザイナーの坂部は「今はファッションにおける物語性というものが、新たに生まれ変わるきっかけになる時期なのかもしれない。物語性を取り入れることで、ファッションに対してまた違う角度から愛着が湧くのではないかと思った」とコメントしています。

デザイン面では、過剰な丈やボリュームをはじめ、シャツやジャケット、パンツといったアイテムが、通常の着方とは全く異なる形で装飾として用いられているドレスやパンツ、内側が半分表に出たようなデザインのバッグなど、敢えて「人間の身体にぴったり合わないもの」を取り入れることで、違和感を生み出しています。

また、ほぼ全ルックで目元が全く見えないほど長く大きくせり出した幽霊のようにもスケバンやいわゆる貞子のようにも見える前髪や、まるでミラーボールのように顔面に塗りたくられたラメなど、「顔」の演出が非常に特徴的だった。
「目元まで隠すことによってモデルの“顔”という個性を消し、顔ではなく身体全体に目が行くようにしたかった」という意図から見える通り、プロダクトのクオリティだけで評価する近視眼ではなく、全体感を表現したかったのだと思います。
広い代々木第一体育館を会場としたのはそこが狙いとしてあるのではないでしょうか。
観客に遠くから俯瞰してショーを見て欲しいという想いが垣間見えます。

これについては一定の理解はできます。
ただ、あまりに観客からランウェイモデルまでの距離がありすぎて肉眼で見るには非常に難しかったです。
音響もライブ音響ではなく通常のもの。
これではデジタルでショーを行うのとさほど差異はないようにも思えました。
一体あの場にいた何人が肉眼でルックをみて「人間の身体にぴったり合わないもの」を感じとることができたのか。
何人が「顔ではなく身体全体に目が行く」ことができたかは正直な感想として個人的にはルックは良かっただけに疑問です。


2-3.Global Fashion Collective

カナダの Global Fashion Collective がRakuten FWTに参加。第1部ではMiss Alphabet / Dr.Maaya / MAISON de R (ミスアルファベット/Dr.まあや/メゾン ド アール)が、第2部ではSISIO / Adama Paris / UNSERTEN(シシオ/アダマ パリス/アンサーテン) がショーを実施。それぞれ個性の異なる5つのブランドが、公式会場渋谷ヒカリエ ヒカリエでコレクションを発表しました。
全てを取り上げるとトンデモナイボリュームの記事が出来上がってしまうので(すでに結構なボリュームですが)アンサーテンについて述べていきます。

明らかに日本のブランド…ヨウジヤマモトやジョンローレンスサリバン、そして特にコムデギャルソンから影響を受けているなと感じました。

ルック10

例えばこの恐竜のマスクはコムデギャルソンオムプリュス18aw”ホワイトショック期”のものそのままです。
肩のディテールもギャルソンで見たことのあるようなディテールでしたし、全体のルックの雰囲気もヨウジに近いものが多かったです。
私としてはこれを悪いと言いたいのではなく、そこから影響を受けたとしてどうリスペクトし、変化させたのかというところが最大の焦点だと思います。
ではその変化点はどこなのかというとまず挙げられるのはゴールドの小物の使い方。

ルック4
ルック8

ショーのテーマなどは調べた限り出てこなかったのですが、現代モードにヨーロッパのキリスト文化を複合させたような形でした。
このUNSERTEN、実は24awパリでもランウェイショーを行っており、そちらでも恐竜の牙のようなマスクが登場していることから先ほど述べたルック10もその派生なのかなとこれは後から調べたことですが感じました。

2-4.SOSHI OTSUKI

圧巻でした。
23aw以来のランウェイショー。
テーマは「good memory」。
直訳すると良い思い出ですが「冥途の土産」という意味もあるそうです。

デザイナー大月壮士は父親が脳梗塞で倒れたことを機に、「品」と「死生観」について考え始め、2024年秋冬コレクションの製作をスタートしたそうです。
父に捧げる息子の冥途の土産。そんなコレクションでした。

全体的には神道のディテールを服に入れ込み、神がかったオーラを持たせんとする意図が随所に見られました。
祭祀の格衣から着想を得たであろうステンカラーコートは艶感あるウール地で上質に仕上げ、祭礼などの際に用いられる幕にある幕房(揚巻房)をあしらった3つボタンジャケットなどはその最たるものとして和の要素を強めています。
恐らく、神道からのインスピレーションは今回のコレクションでは強かったのでしょう。

ケープのようなポンチョや着物袖のパターン、滑らかなテキスタイルだからできるコートの落ち感と、いずれも玄人好みの静謐な佇まいが見事なドレープ感を生み出しているルックがいくつか見られ、ショールカラーの羽織にテーラードジャケット、ステンカラーコートを重ねたものや、タートルにテーラード、ワークジャケットを同色でレイヤードしたどこかストイックでもあり、儚げでもあるルックも同時に見られました。

そして最終ルック。
モデルとして歩いたのはデザイナー本人の父親。

2013年に発表した「FINAL HOMME」では、電車を待つサラリーマンの列に父親の面影を重ね、自堕落な父親のDNAと訣別する、ある種“父親殺し”ともいえるコレクションを製作。7年ぶりにフィジカルショーを開催した2023年秋冬コレクションでは、「FINAL HOMME 2」と題して踏襲し話題をさらったことは記憶に新しいでしょう。
そんな中、訪れた父親の死の影。
息子と死を意識した父のコミュニケーションは、家族のグループLINEでも行われることはなかったそうです。

父親に死の影が迫ってきていたとしても関係性や接し方をどうすればいいのか分からない息子が、”神頼み”のようにファッションショーを創り上げ、最終ルックのモデルという形で父親に捧げた。
充電の無くなったカメラを右手で持ちながら、肉眼でただその空間を目に焼き付けていた私は、そう、解釈しています。

2-5.KEISUKE YOSHIDA

厳密には東京ファッションウィークの公式スケジュール外ですが、まぁ3/17開催と1日違いなので同じ括りで紹介します。
デザイナーの母校である立教大学池袋キャンパスを会場とし、テーマはおそらく「学校」。
吉田圭佑自身が小中高大と16年間過ごした立教学院での学生生活が着想源だと考えられます。

ただ、忘れてはなりません。
19awでは立教小学校の制服がモチーフ、21awでも「思春期」がテーマで冴えない自分の中学生時代がインスピレーション元です。
では、今回も過去の自分史を投影した暗い雰囲気のコレクションの繰り返しだったのか。
答えはNoです。

立教大学というキリスト教が基になっている学校内に鐘の音が流れ、ヨーロピアンの風を感じさせながらショーが始まります。

まずはルック1。
テーラード、ショーツ、ハイソックス、ローファー、ネクタイというスタイルに右手にはランドセル。
普通のスクールライクではなく、袖や着丈の長いオーバーサイズのテーラードジャケット。
シャツのカラーは大きいものの片方のみでネクタイの赤の印象が強く出るスタイリングです。

ルック1

明らかにダークさはありません。
これまでに、学生時代からのコンプレックスを作風にしてきたことを考えると、このカラッとした溌剌さはブランドが新たな境地に着実に向かっていることを感じさせます。
デザイナー自身を投影したものではなく、学校という”社会”を投影したようなルックが続いていきます。

今回のランウェイは、長い一本道でデザイナーの吉田はそれを「人生のようだ」と思ったそうです。
人生ならば、何度も往復する必要がない、とフィジカルショーの定番であるモデル全員が登場するフィナーレは行われなかった代わりに、吉田が長い一本道を爆走していました。

ただエモいだけではない。
自分史を投影させただけでもない。
急に社会的な風景を感じさせるわけでもない。
自己と普遍の間のようなどこか癖のあるコレクションでした。


3.最後に

力尽きました()
最後までお読みいただきありがとうございます。
またお会いしましょう。

バイバイ。



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