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芦屋のピアニスト、木田陽子さんのコンサートへ。
聴衆として参加するピアノコンサート。
私にとってはただ単に楽しみに行く場所とはならず、完全な娯楽ともならず、気を引き締めて行く場所です。
この日のためにどれだけの労力と準備をかけて、神経を集中させなければいけないかが分かるから。
そしてコンサート中もピアノ奏者の立場として聴いてしまうので、常に頭の中が忙しく思考回転の連続。
「ここはこういう風に弾くんだ」
「こんな解釈なんだ」
「ここは緊張しているだろうな」
「こんな音楽を作るための練習はどうしてるんだろう」
演奏面のことから、お客さんの反応、コンサート全体の雰囲気まで何もかも。
音楽やピアノの音に純粋に癒されたいのに全くそういう風にはいかず、むしろ終演後どっと疲れてしまうことの方が多かったりします。。
オーケストラのコンサートなどピアノがない場合は完全にリラックスしていられるのですが
歌曲(歌手とピアノ)のコンサートも、
バイオリンなどピアノ伴奏が必要な他の楽器のソロコンサートなど、ピアノが入っているとどうしてもそうなってしまいます。
少し、悲しいですね。。
でもこれが現実。
ピアノ弾きで同じような方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の木田陽子さんのコンサートも、自分が演奏するわけでないのに一種の緊張感を持って行きました。
どこまでも計算し尽くされた演奏で、特にブラームス、シューベルトは圧巻でした!
小学生のお子さんを2人育てながら。
教室でレッスンもしながら。
ピアノを弾きたい時があっても、叶えにくい状況が多々あることだと思います。
それでもその環境に流されず、何よりもピアノを優先して、ただ練習をするのだと思います。
ピアノや音楽に対する、ただならぬ強い意志と情熱を感じました。
それでないと、ここまでのことは成し遂げられません。
そしてこんなにも努力されている方が近くにいるということに、勇気をもらいました。
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やっぱり、思うんです。
ピアノを教えるのと、ピアノを演奏するのと、
どんなに切ろうとしても、切り離せないよなぁって。
先生はいつもこんな風に言って教えてくれるけど、じゃあ先生はどんな演奏するの?
って。
それが1番知りたいことじゃないでしょうか。
(私はそうだった。)
演奏を聴いて、「こんな風に弾きたい」と思ってもらえたら、それは何より生徒の上達ややる気向上に直結するはず。
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私は子育てで5年間ピアノ演奏活動、そして練習から離れてしまいました。
特に第一子の長男の時は、どうしても育児と切り分けることができなかったこと、育児の合間や片手間にピアノを弾こうと思う気持ちが沸かなかったこと。
後悔がないかと言われたら分からないけど、積み重ねたものが途切れてしまったのが事実。
それでも今、これから、やっぱり演奏ももう一度取り組んでいきたいと思うのです。
弾きたいな、練習してみたいなって思っている曲がたくさんあって、それを形にしてもっともっとお届けできるように!
つい先日募集をしよう!と思い立ち、SNSで投げかけたピアノデュオ(連弾)のメンバー募集。
まだ詳細は何も決まっていませんが、手を挙げてくださった方と初めての合わせ練習が2月末に。
慌ただしい日々の中ですが少しずつ。
前へ進んでいます。
自信なんて全くないけど、一生懸命目の前のことをしよう。
できることをできるところまで頑張ってみよう。
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コンサートが終わって、興奮のまま入ったカフェでこのnoteを書き。
ピアノを弾きたくなってコーヒーを飲み干してすぐに帰り、弾いてました。
半日時間をくれた家族、
素敵なコンサートを企画してくださった木田陽子さん、本当にありがとうございました。
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