ダーツオタクの見るVΔLZ A LIVE
顔の良い男たちがダーツを投げてくれたというので大慌てで見てきました。
ついでにダーツ以外のシーンもちゃんと見ました。顔と声がいい人間を見るのは癒されることであるなあ。
上の動画が面白かったです、で終わる話なんだけど、ダーツ好きのオタクとしてちょっと面白いシーンが多かったのでちょっとシェア。
筆者スペック
・sideMは最近はちゃんと追っかけてない。曲はそこそこ聞くくらいの温度感。こないだの冬コミで同人誌出した。
・VΔLZさんに関しては失礼ながら初見でした。V自体そこまで見ないけど偏見があるとかではない。顔がいいなと思った。
・10年くらい前にダーツ投げすぎで肘を破壊した経験があります。それ以後控えめなので最高でもBフライト止まり。
つまりアイマスもVもダーツもライトなオタクってことだな!
本編
性質上ネタバレを含むので先に動画を見てください。
ダーツに詳しくない人に向けての話なので意図的に簡易化していたり、実態と少し離れた表現を使うこともありますが、それがわかるくらいの人はもう動画を見て楽しんでくれ。
4:22 ダーツで体力勝負なんですか?
意外と歩くし、ぽんぽん投げてると座ってる暇が案外なくて立ちっぱなしなので想像するよりは体力を使う競技ではあります。
まあでもマラソンとかと比べるとね。まあその。
とはいえ立ってるだけでも疲れる貧弱ボディだと集中力持たないのは天道さんの言及どおりです。
4:37 事務所の仲間と一緒にやることもあるぜ
これの話とかでしょうね。
ゲーセンとかで見るようなデジタルダーツの筐体はDARTSLIVEとPhoenixの2つに分かれるんですが(WindowsとMacみたいなもん)DARTSLIVEのデータ連携用のカードやゲーム中のスキンでコラボした時の話でその時も喜んだのでちょっとニコニコして見ていました。
他事務所だと矢のセットも売ってたりしたんですがsideMはどうだったかな。カードだけだった気がする。
ダーツに興味があるプロデューサー諸氏は今でもショップを覗けばsideMのカードの在庫があるかもです。
5:11 ダーツの筐体
先述のタイミングでちょっと名前出ましたが、見た目がDARTSLIVEの筐体まんまです。
画面や効果音も最新の筐体、DARTSLIVE 3のもの。
ところでダーツってそもそもなんぞや、やったことねーぞというVのファンの方やプロデューサー諸氏もいると思うんですが、鉄の針に棒と羽根がくっついたのを放り投げて的のいい感じのとこに当てて点数や狙った場所に当てる精度を競うゲームという感じの認識で7割くらいあってます。
ただ、針を投げると危ないので(針でなくても尖ったものはなんでも危ないというのは置いといて)、近年のダーツはソフトダーツという分類のダーツが多くなっています。
これは先端が金属製の針ではなく、プラスチック製の針になっています。それだと板に刺さったりはしないので、ダーツマシンの筐体の的の部分には無数に穴が空いており、まっすぐ矢が飛んでくとプラスチックの針がそこに嵌まる形で刺さるわけですね。
副次的な効果として的の部分がスイッチのようになっており、刺さった位置を判定できるので機械で点数自動で計算してくれてめっちゃ便利なわけです。
興味があったら池袋や秋葉原にはカジュアルに遊べる場所も多いのでおすすめです(?)
筐体をそのまま撮影スペースに持ち込むのは少々大変と思われるので、家庭用のダーツボードであるDARTSLIVE HOMEや300sに加え、ボードと連動するアプリのを使ってるんじゃないかなあと思います。
スマホ連動でゲーセンやダーツショップに置いてある筐体と遜色ない機能で動作します。効果音がまるっきり一緒なのでお家に置いとくとお外に出る必要がなくなります(経験談)
推しが投げてたアレをファングッズとして家に置いておきたい人は購入も一興ではないでしょうか。ボードだけで3万円くらいでボードを支えるスタンドが1万円くらいでちょっと高いけど。
5:13 初手暴投
スクショ見てほしいんですけど完全に羽根が下向いちゃってるので相当な暴投ですね。
というかこの方向に回転かかることはあんまりない(投げるときに指を離すタイミングが遅かったり、力んで弾いちゃった場合は上下に角度つけてまっすぐ飛ぶので)ので結構な暴投に見えます。
とはいえ品のないことを言えば撮影の都合感もある。
ところで初手暴投自体はまあまああるあるです。あと別にここまで暴投しなくても、的に空いた細かい穴に刺さるように投げないといけないので(大抵はいい感じに刺さるように的側も上手く作ってあるんですけど)ちょっと角度が悪いと結構弾かれたりはします。あるある。
5:20 もう一回チャンスをもらえたりとか
身内だとあるある。
あるあるなんだけど、筐体側が誤解を恐れずに言うと硬いスイッチが並んでる的に強くダーツをぶつけるとそこに当たったと認識する、みたいな仕組みなのと、ダーツが的に当たらずに筐体にぶつかったときに振動を検知して外した扱いにするみたいな機能があったりするので対戦相手がチャンスをくれても機械がダメって言ってくることがあります。かなしいね。
5:32 スコア画面
ちゃんとドラスタとVΔLZで名前入れてるの芸が細かいな。
上に予測スコアが出てますが、カウントアップは本来3本を投げる1ラウンドが8回、合計24本を投げるので現在のスコアで1本あたりの平均値出して残りの投げる矢の点数の予測をした数値になります。今は1本9点なので24×9=216という。
今回の特別ルールのような3ラウンドのカウントアップというのはあまり一般的でないのでアプリ側がサポートしておらず、8ラウンドのカウントアップの機能で代用した結果でしょう。
点数の計算はブル(真ん中)が50点、内側の赤とか青とかのとこが表記の点数の3倍、外側が2倍の点数です。
おおむね1ラウンド=3本に1回ブルに当てられるくらいが中級者の仲間入りとされています。
ブル50点+(1~20の平均点である)10.5+10.5=71点がそこそこ上手な人の1ラウンドの点数、8ラウンド分で560~600点を安定して超えるようなら経験者として十分に上手と胸を張れるラインでしょうか。
ところでブルは50点ですが20のトリプルは60点なので、本当に上手な人だとブルじゃなくて20トリプルしか狙わなかったりします。(クリケットというルールで頻繁に狙わされたりすることもあり)
とはいえブルとトリプルでは面積にだいたい2倍の差があるため、そこまでやるのは本当に超上級者ラインくらいのものではあります。
5:51 柏木さんの投擲フォームについて
体が前後に揺れてますが、基本的に慣れた人は上体がどっしりして肘の振りだけで投げることが多いので、あんまり慣れてない感が出てますね。
でもカジュアルに楽しんでて素敵なことだと思います。
6:03 ダーツ手渡しシーン
この後も何回かやるやつ。
身も蓋もないことを言えば人数分用意しなかったからだと思います。
ゲーセンなんかでは人数分……というか雑に10本くらい置いてあることも多いですし、マイダーツを持ち込む人同士だと当然自分専用のものを使うので、あんまり矢の受け渡しすることないです。初心者の人に貸して遊ぶときくらい。結構珍し目のシーン。
6:18 甲斐田さん暴投
爆笑してしまった。ノーカウントっすねえ。
ところで嗜む程度と仰ってますが、この後は結構安定して投げてるのでゲーセンでちょっとやったことあるくらいの温度感なんですかねえ?
天道さんに誘われて遊んだ経験があるだろう柏木さんはともかく、VΔLZの方々はあんまりプレイしたことがないっぽいのに的にちゃんと当ててて凄いですね。
本当に初めて投げるレベルだったりすると3本全部刺さらなかったり弾かれたりするのは珍しい話でもないです。リハーサル含め努力の結果なのか生来のセンスなのかは判断のつかないところですが、なんにしても器用な方々だ。
6:52 調整させて頂きました
ミスった結果僅差になったときに頻繁に使う言い訳すぎる。よく言います。類例として「いやあハンデなんでね」とか「次から全部ブルなら勝ちます」とか。
ゼロワンというルールがあって、301や501点からスタートして獲得した点数分を引いていき、ジャスト0になったほうの勝ち(オーバーしたらその矢は0点だった扱いになるのでちょうどじゃないと勝たない)みたいなルールがあるんですが、そのルールでちょうどにし易い点数に調整してあえて最大の点数を取らないパターンが存在します。たとえば、今70点を持ってるときに次50点=ブルで終わらせるために20点を狙うとか。
そういうのをベースにした冗談として受け取ると面白いかもしれないですね。そんな速い段階で調整しないだろ、とかそもそもカウントアップで調整も何もないだろ、みたいな。いやまあ、単純に1点差という状況を指してそう言っただけな感もありますが。
7:05 桜庭さんの投擲フォーム
この男ちょっと上体ブレなさすぎる。なんだお前。挙げ句三投目で首傾げるし結構ブルを当てに来てる感がある。
3本投げ終わってこれなんだけど、縦に綺麗に揃ってるのはかなり上手です。
縦は指を離すタイミングだったり力加減だったり、あとまあ手汗や湿度でひっついちゃってズレたりするところなので何度か投げて慣らさないと、なかなかその日最初のラウンドで高さを綺麗に合わせるのは難しいです。
ところが横は上体や腕がブレなければ揃うものです。つまるところ、この男は体幹がいいのか投げ慣れてるのかで全然ブレてないということです。やりこんでらっしゃる。
7:40 これはどこを持つのが正解なんですか
いやわっかんねーよな。わかんねーと思います。
おそらくストレートバレルなんでしょう。
ダーツの持つ部分のことを大雑把にバレルと呼ぶんですが、持つところがわかりやすいトルピード・完全にまっすぐなので本当にどこ持つか人それぞれなストレートなど様々な種類があります。
カット(バレルの金属部の刻み、滑り止めみたいな効果があり指が引っかかって投げやすくなる)によっても持ちやすい場所が違ったりもするのでむしろ今までの人がポンポン投げてたのが投げ慣れてるというかダーツ持ち慣れてるだけだと思います。
わからないことをわからないと聞けるのはとても素敵なことですね。いやホントに。
7:46 これって踏んでいいんですか
踏んでもいいですが踏み越えてはいけません。大雑把に言うと足の先端がラインの奥側の部分を超えてなければセーフ。
これも言われなきゃわかんないすよね。なんか理由は知らないんですがこのスローラインってやつ、幅のある線で書かれることが多いんですよね。
8:02 弦月さんの投擲フォーム
かなり軸足のほうを踏み込んで膝を曲げてクッションにして放り投げています。これはかなり腕がブレるのであまり推奨される投げ方ではなく、ほんとうに投げたこと全然ないのが伝わってきます。
慣れてないのにダーツ投げてくれてありがとう……。嬉しいよダーツ投げてくれて……。
8:04 ダブル
先述の通り真ん中狙うのに慣れた中級者はだいたいトリプルの内側に当たるので、ダブルやトリプルに当たるほど逸れることは稀です。
今回の場合は外側に逸れたため点数が二倍、この場合は20点入ってます。
偶発的にダブルやトリプルが出ることを「キャッチ」などと呼んだりします。
ちょっと投げ慣れて真ん中に矢が集まってくるようになるとキャッチは出なくなるため、そうでない友人相手に意外とこういうので高得点取られて結果的にいい勝負になる……というのは本格的に始めたばかりのプレイヤーあるあるだと思います。自分も経験しました。
8:22 ハンデ!
かわいいかよ。
ちなみにカウントアップではさすがに聞いたことないですが、ゼロワンやクリケットなんかでは今までの対戦成績やオンライン対戦のレートに合わせてハンデをつける機能も搭載されてたりします。
適切に設定されるとわりといい勝負になります。ダーツって本質が相手との競争じゃなくて自分との戦いなので、「自分の中で出せる精一杯の上限値を叩いた方の勝ち」というゲームにするためのハンデは直接的な対人ゲーよりも機能する……のかも?
いやまあそういうハンデじゃなかったんですけどね。
8:37 特殊な矢
特殊な矢。ちなみに実売してます。
真ん中の短い矢はD.CRAFTのBOMBER BULLETでしょう。見た目がまんま。
「重りが付いた矢」と表現されていますが、バレル部分だけで22.0gらしいので相当重たい方です。
ゲーセンにあるようなハウスダーツと呼ばれる貸出用のダーツが12~14gくらい、マイダーツと呼ばれるような購入して使うダーツはだいたい17~19gくらいです。ルール的には25gまでOK。
軽いほうが投げやすいんじゃないの? と思われるでしょうが、丸めたティッシュを投げるのとビー玉を投げるのとどちらが狙った位置に投げやすいかを想像してもらうとわかると思います。
個人差もありますがおおむね17gを切ると軽すぎて投げにくさを感じるかと思います。機会があればダーツショップで試投させてもらうなどで(たいていのショップが快くやらせてくれると思います)重ためのものを投げて投げやすさを実感してほしいですね。
重たいダーツはたいていタングステン製です。ハウスダーツで使うような真鍮では十分な重さを得るために太くなってしまいますが、あまり太いと的に1本目が刺さった後2本目を刺すときに邪魔だったりすることから、比重の大きいタングステンで細く作るのが一般的です。
安価な真鍮に比べタングステンはお高いので大抵3本セットで一万円~二万円くらいします。ガチャや赤スパの連打よりは安いくらいの温度感。
……ところで長々喋りましたが、これは真鍮製にも関わらず異様に太く作っている結果22gに達しています。いくらなんでも重たすぎですし、ここまで太いと持って投げるにも不都合が多いことでしょう。
体感では矢が沈んで飛んでいくような感覚になるかと思われます。
なお、個別に紹介はしませんが短く太く重いダーツというアプローチそのものはこの手の面白バレル以外に大真面目な製品としてもいくつか出てはいます。
ただ、それもタングステン製でもうちょっと投げやすい太さで、ついでに22gものヘヴィなものではなかったと記憶していますが……。
長いのは同メーカーの駄津2でしょうか。3本連結に見えるので13.75gの3倍と140.0mmの約3倍。
ダーツの長さは30㎝までなので余裕でルール違反ですが、大会ではないので大丈夫かと思われます。
とはいえあまりにも変形したダーツは筐体を痛める可能性もあるため、再現してみたい諸氏については店員さんに一言かけてからがいいかも?
ここまで重く、更に長いともう真っ当に的に当てるのはかなり困難です。おそらく上記の22gの短いバレルよりも遥かに大変でしょう。
というか羽根の大きさで得られる推力に対して重たいバレルの部分がデカすぎてほとんどやり投げのように飛ばす必要があるはずです。一発勝負で的に当てただけすごい。
普通のダーツはこれっぽいです。D.CRAFTで統一とかじゃないんだって思いました。
このダーツのような真鍮製のダーツはブラスダーツと言われ、初心者向けの安価な製品の位置づけです。
太さの割に軽いなど独自の魅力がありはしますが、モノとしてはハウスダーツと大差なく、上述の通り若干軽めで投げにくいことが多いです。
どのようなダーツが投げやすいかというのは個人差も大きく最適解が定まらないものであることから、ダーツの値段そのものが製品の良さやプレイヤーの強さを表すわけではありませんが……アイドル活動や配信業の結果として肉体を鍛えているであろう彼ら6人にとってはこのダーツはあまりにも軽すぎて投げにくく感じたのではないでしょうか。
趣味がダーツの天道さんであれば、ご自身の好みに合わせたタングステン製のマイダーツをお持ちのことかと思うので、それを投げ慣れていることを思えば実質的にはこれもハンデみたいなもの……というのはちょっと言い過ぎかもですが。
記憶が定かなら上記三種のいずれも形状が近いものを池袋のダーツスタジアムで貸し出していたと思います。
もし興味があればぜひ訪ねてみてください。
完全に余談ですがナーフ(スポンジ製の弾丸を打ち出す銃のおもちゃ)の先にダーツを搭載したものも貸し出されていたはずで、結構面白かったです。
9:43 BULL!
いやブル当てるんかい。上体も全然動かないし相当上手ですねこれは。
真ん中の円形のエリアが外側の赤い部分と内側の黒い部分に分かれていますが、特に内側を「インブル」と呼んで区別されており、一部のルールでは外側の赤い部分よりも価値が高く設定されています。
映像を見るとインブルに突き刺さってますね。カウントアップにおいての扱いは外側のブルと差異はないものの、より真ん中に当たっているということで高い技量を感じさせます。投げ慣れてないだろうに。
ところで動画中でブルに3本当てることを「ハットトリック」と注釈がありましたが、インブルに3本だと「スリーインザブラック」という別のアワードだったりします。一生に一回くらいはやってみたいですね。
3本中1本がBULLに当たると「NICE ONE」というアワードが表示されます。動画でもちらっと映っていますね。
「ないわん」などと略されて仲間内で褒め合ったりするので(さすがに動画中では飛び交わないやり取りでしたが)ダーツに挑戦する諸氏は恥ずかしがらずに同行者をこれで褒め称えるとちょっと通ぶれるやもしれません。
おわりに
矢を的にぶつけるだけの極めてアナログで地味な遊びではありますが、筐体がいい感じに効果音で盛り上げてくれたり、金属片を狙った位置に投げつけることさえ正確にできないという面白さが癖になる遊びなのでアイドルおよびVtuberの配信を見て興味が湧いたなあ、という方はお友達をお誘いの上(もちろんお一人でも)ダーツを遊んでくれるといいなあと思いました。
想像されるよりだいぶカジュアルな遊びです。真ん中当たらなくても的に当たったり当たらなかったりで一喜一憂するのも楽しいものだと思います。
特別に高いダーツを使わなくても楽しめるものでもあります。
個人的にはぜひタングステン製の重ためのダーツを投げて綺麗に矢が飛んでいくことに感動してほしい気持ちもありますが……一万円って別に安くはないしなあ。ハウスダーツでも全然楽しいと思います。
それはそれとして残りの対決も面白かったので、万一ダーツ部分しか見てない人がいたら動画はちゃんと全編チェックしておいてください。メガネは毎日使うよなあ?
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