【 #対抗戦アリーナ 】ver0.3.0環境雑感
500円で遊べてよいクオリティではないDCGが同人から出ていた。
バランスや説明の少なさに粗は感じるものの(プールが少ないせいもある)、そもそもきちんと動いて遊べるDCGというだけで十億点である。
アプデも予定されているらしく、シンプルに走り得な感が強いのでブルプロサービスインまで身内と結構遊んでいた。
というわけで、ver0.3.0における環境のベースというか、「ちょっと出遅れたんだけど興味ある、けど何から手を付けていいかわからない」という人向け……っていうか、要するに身内の布教向けの記事。
ルールについて
残念なことだが、説明書から読み取れない(あるいは僕が読み落としている)要素がいくつかある。特に重要なものをピックアップ。
当然ながら基本ルールは読んでいることが前提の文章。
先手後手はマリガン時点でわからない
後手と先手でマリガン基準を変えたいデッキはいくらでもあるがマリガン時点ではそれがわからない。
ので、最悪後手掴まされる可能性があると思ってマリガンを行う他ない。
手札上限は9枚
シャーレカードを好き放題撃ってると上限に達して焼ける。
ターン制限は90秒
常に不足するほどではないがテキストを常に確認しながらゆっくりやるには複雑な盤面だと間に合わない。
フィールドについて
やればわかることではあるが、縦2列ごとに1エリア。
移動は隣接マスに限らずワープできるため、エリアそのものの位置の差や、エリア内での前後左右の差は今のところほとんどないと言ってよい。
ただし、縦一列へのAoE(《天童アリス》)がカードプールに存在するため、0.3.0環境ではできるだけ同一エリア内の左右はバラして置いておきたい。
生徒の状態・疲弊
制圧をしたとき・移動した時・相手のカード効果によって、生徒が疲弊し、グラフィック上でカードが黒くなっている状態になることがある。
通常、自分のエリアに生徒がいればそのエリアは制圧されることはない(制圧を行うためには対面のエリアがガラ空きである必要があるためだが、これも説明書にはなかったかも?)が、疲弊状態の生徒がいてもエリアを守ることができない。
そのため、硬い生徒を大量に並べて守りきるプランは疲弊を効果で与えるカード……特に《鬼方カヨコ》によって一瞬で否定されうるので、あまりアテにならないことに留意したい。
移動
隣接マス限定みたいな縛りはない。ワープできる。
移動には1マナかかる。移動後も攻撃はできる(制圧はできない)
神秘開放について
おそらく手札から神秘開放を行うコストは【元のコスト】-(【現在のレベル】×2)と思われる。確か最小1。
スタッツは1Lv上がると+2/+2。
神秘開放時に場所を移動できないため、たまに既にいる生徒をわざと殺して出し直すことがリーサルの要件になることがある(主に便利屋デッキでやる)ので、必ずしも神秘開放が得ではないシーンがある。
シャーレカードは先手1Tのみ使用不可
この制約があってなお先手ゲーな感はある。
先手後手がマリガン時点でわからない仕様と合わせてキープ基準を難しくしている。
が、結局ブン回りは咎めにくいのである程度割り切りも必要な感もある。
ゲーム開始から3マナある
そのため1マナや2マナを初動として採用する必要はない(が、結局強い1マナと2マナは入る)。
デッキ構築について
概ねシャーレカード12枚前後と序盤の足回りの15枠程度で、残りを何のギミックを積むかは好みといった感覚。
便利屋か対策委員会が頭一つ抜けているという感想はあるが、結局足回りでマウントを取られるとなかなか返せないゲームなので多少好みに寄せてもおそらく大丈夫。
シャーレカードを大量採用するのは一見直感に反するが、シャーレカード1枚が生み出すテンポやアドバンテージが尋常ではない上に毎ターン1枚タダで使用できるので、原則としては毎ターン撃ちたい。
そのため現状では引き被りを許容してでも12枠前後積む価値が高い。特に1枚目のシャーレカードでデッキを薄くするなりドローするなりすると2枚目以後が非常に撃ちやすくなるため先手後手問わず最低でも1枚はシャーレカードを抱えたい。
環境オーバービュー
ヒフミ+ミドリモモイ+シロコをベースにすると枠がなく、部活全員をフル投するのは案外難しいので、コンパクトな枠で勝ちにいけるデッキが強力に思える。
セリカ+シロコ+失ったもの、《手放さなかったもの》によるバフ+アンタップを絡めた制圧コンボを擁し、シロコを自然に活用できるテクニカルな【対策委員会】と、《陸八魔アル》と《アウトローの流儀》を始めとしたカードパワーのゴリ押しが優秀な【便利屋68】がわかりやすく強力。
【対策委員会】ではシロコが、【便利屋68】ではハルカが汎用札としての役割を持ち、スロットの圧縮に貢献してくれる。
基本的に生物は全て返しに破壊するものなので、並んだ数を強く要求する【補習授業部】【ゲーム開発部】は若干アンプレ気味……と見せかけて、補習授業部はともかくゲーム開発部はカードそれぞれの単品スペックが優秀な上、ミドリモモイを採用できる都合デッキスロットが大幅に余るのでデッキリストや環境理解が進めばワンチャンありそ……うなんだけど、結局ミドリモモイ使って空いたデッキスロットに別ギミック積む方が強そうでもあるか。
汎用カード郡について
シャーレカード
《クラフトチェンバー/ジェネレート》
よほどの理由がなければ4枚入れてスタート。
前述の通り一発目でデッキを掘ることによって次のシャーレカードにアクセスしやすくする目的もある。
特定のEXやシャーレカードに依存するデッキでは特に価値が高い(後述の2種は生徒しか引っ張れないため)が、そもそも3ドローの価値が低いデッキなんてそうはないので理由がなければ4。デッキ内に特定の生徒を残す必要があるゲーム部などでは減らす目もある……たぶん。
《Unwelcome School》
生徒を4枚加えられるが、部活統一である必要がある……と言いつつ、結局部活統一気味に組むのが強いのでこれが腐ることは少ない。理由がなければ4投。
手札をガンガン投げ捨てる便利屋以外のデッキでは手札が埋まってしまうこと、【ゲーム開発部】はデッキに生徒がいることを要求するカードがある都合何でもかんでも持ってくれば良いわけでもないので本当に4枚持ってくることは案外少ない気もする。
《イタズラ☆ストレート》
ミレミアム2枚持ってこれるのがインクのシミの原作再現テキスト……と見せかけて、後述する生徒の《才羽モモイ》《才羽ミドリ》の4マナパッケージが都合よくミレミアムなのでこの2枚を持ってくる動きがシンプルに強力。
《才羽モモイ》《才羽ミドリ》のミレミアムパッケージの他、《砂狼シロコ》(アビドス)+対応EXの採用や、3マナ初動最強格の《阿慈谷ヒフミ》(トリニティ)、若干質は落ちるが強力な3マナの《伊草ハルカ》(ゲヘナ)、本当にどうにもならなかったら「S.H.A.L.E」扱いで他とかぶらない《アロナ》など、余分に2~3枚持ってくる構築は容易に組むことができる。
《クラフトチェンバー/ジェネレート》、《Unwelcome School》と合わせてどのような枚数比にするかは構築にもよるだろうが、どうせ8枠では足りてないのでお世話になることが多いと思われる。
現環境のモモイミドリパッケージの再現性を上げている先手ゲーの諸悪の根源でありつつ、これで何をシルバーバレットするかが構築の面白い部分でもあり……。なんなら非採用もなくはなく、構築的には面白いカードである。
生徒カード
コストが軽い順。
《アロナ》
ほぼ《イタズラ☆ストレート》の出力を確保する用。
そこまでして手札を稼ぐ必要があるのはせいぜい便利屋デッキくらいではある上、そちらでも採用は若干怪しいものの、軽くて邪魔にならないこともあり頭の片隅には置いておきたい。
素引きでキレるので非推奨気味だが試す価値はある。
《阿慈谷ヒフミ》
《ベロロ人形》は3/0/3の挑発。
このゲームの3マナは基本的に3/3/xであり、攻撃力4は存在しない。(厳密に言えば合計3マナで攻撃力4を作る手段そのものはいくらでもあるが、アドバンテージ面を考えるとさほど現実味がない)
そのため、先手でタフネス4の生徒を出されると返しに除去することがただでさえ困難である。
その上挑発が出るため本体に触りにいくことさえ困難、挑発を倒さないと他を殴れないが、挑発を同エリアに生徒を置くことを強要される……と、先手で置いた時のバリューが本当に凄まじい。
後手の《阿慈谷ヒフミ》ですら生半な4マナのプレイでは綺麗に取ることは難しく、デッキごとの個性が出るシナジーを活用できるのが多くの場合5マナ以後であることと合わせ、実質的に3~4マナを「ヒフミを出されても困らない汎用ムーブ」以外を許容しない環境をこれ1枚で定義している。あまりにも最強のカード。
よほどシナジー寄りの環境にならない限り、ほぼ3~4採用してスタートと思われる。
《伊草ハルカ》
前述の通り3/3/4は返しに除去するのが困難だが、こいつはなぜか実質的に3/3/5である。そのため後手で出しても後述のミドリモモイのみでは一方的に倒されない。それ以上でも以下でもない上先手が3マナをプレイしていると瓦解する想定ではあるが、現環境ではそれに縋らないとやっていけないため何より重要。
挑発を出せる圧に比べると性能は可愛らしいため汎用としてのおばけ性能としてはさすがにヒフミには劣るが、どうせ初動4枚では足りていないので積み増しの候補としては十分。また、4枠でいい場合もヒフミと3:1にしておくと《イタズラ☆ストレート》で枚数が欲しい時に拾う余地がある。
《花岡ユズ》
3/3/4はなんでも初動としては強力なので積み増しとしてはなんでも検討できる。
その上でダメージ効果があることと、先手でユズを置いた後後手でユズが退かせず、そのままミドリモモイのパッケージにつながるとユズの神秘開放まで繋がってしまう。
惜しむらくはヒフミへの解答とならないこと。
《阿慈谷ヒフミ》が《ベロロ人形》を出しているとまずはそちらをアタック対象にしなければならないため、とりあえずヒフミに3点飛ばしておいてベロロ人形を殴ってエンド、という動き(もしくはユズのタフネス3を犠牲にその逆)しかできない。
ヒフミに3点入るだけマシではあるが……。
《才羽ミドリ》《才羽モモイ》
2マナで出すことは基本的にない。合わせて4マナのカード。
合わせて出すとミドリが2/4+モモイが4/2、更に相手生徒1人の疲弊。
両方残ればエンドに神秘開放して4/6と6/4。
合計4マナの組み合わせで返すのは非現実的であり、エンドにタフネスが伸びるせいで返しに同じことをしても4/6は残ってしまう。
これを後手で現実的に返そうとすると、当然ミドリモモイは揃えた上で、先手が3マナを出せず、こちらが3マナで《阿慈谷ヒフミ》をプレイしていることが条件になってしまう(2/4では0/3も3/4も取れないので2/4でヒフミ本体を殴ったにしろ殴っていないにしろ残っているため)。
テンポとボードをとんでもない勢いで稼ぐ組み合わせであり、先手にしろ後手にしろまずこの動きに解答がないデッキは苦戦を強いられる。
こいつらの組み合わせだけなら「揃った時強いね」で済んだのだが、よりにもよってミレミアムなせいで《イタズラ☆ストレート》でも《Unwelcome School》でもこのパッケージを揃えられてしまう。
2Tで8投のカードを引かないのは事故なので先手でも後手でもこのパッケージが採用されていたらまず確実に飛んでくると考えてよい。
現環境を強く定義するカード郡。概ねミドリモモイとヒフミでこのゲームは回っている。
《砂狼シロコ》
このゲームにおいて生物が殴り返せることはほぼないので自動効果は空気だが、出撃時のEXスキルカードサーチが凶悪。
これを持ってくることで実質的に4/4/4でCIP3点ビーム。
《阿慈谷ヒフミ》の挑発にドローン召喚を当てることで綺麗に取れるが、返しにミドリモモイを出されると崩壊するのが難ではあるか。
シロコさえ出ていれば手札の《ドローン召喚:火力支援》は全て0マナにできるので、サーチ先を重ね引きしても珍しく損しない……どころか、後手でも重ね引いていればミドリモモイを突破できる。
そのため《ドローン召喚:火力支援》と合わせて採用する価値の高い汎用カードであり、現環境を定義付ける1枚。
たまにコントロールが後半余ったシロコでAoE持ってきたりするので、EXスキルなら何でもサーチはできることが広い。このゲームが買い切りでなければシングル5000円は堅かった。
《鬼方カヨコ》
ほとんどのデッキに1枚採用されるはず。1枚あれば《イタズラ☆ストレート》で探せるのが悪い。
今まで紹介した汎用とは異なりゲーム終盤にしか使用されないが、今まで丁寧に盤面を構築していたはずのボードを急に1枚(2枚)で全て疲弊させて無にしてくる。
真っ当に耐えきるコントロールの構築・プレイ難易度を跳ね上げている諸悪の根源寄りのカード(といいつつDCGでヘビーコントロールが流行り散らかしても困るのでこれくらい強力なフィニッシャーは歓迎ではあるが)
EXスキル
さすがに生徒の対応度外視で入るカードはほぼないので、1枚だけ。
基本的には対応するEX-COMBOの生徒がデッキに入る時に、デッキ全体のコンセプトに一致するのであれば検討する……くらいの感じ。
《砂狼シロコ》が採用されてると暇な時に意外と探せるというのは意識しておきたい。
《世界の 法則が 崩壊します!》
4マナ4点AoE。多くのカードはタフネス4以下なので、4点ラインのAoEは心強い。
とはいえコストが重いのでよほど耐え抜くデッキでもなければ単騎採用は微妙……というわけで、汎用かは若干怪しい。
アリス本体が5マナなので合計7マナの6点AoE(+1ラインに2点AoE)は強力ではあるが遅く、アリス本体の返しの性能も微妙なためこれを検討できるデッキはごく少数に限られる。
おわりに
便利屋ギミックとシロコセリカによる制圧コンボとサンプルリストくらいは載せようと思ったんですが力尽きました。
たぶんこの世のどっかには解説記事とかあると思うのでそれを探すことを推奨します。
面白いゲームなんで身内全員買ってください。