マリアとブルー
2023/12/20〜28
青色が好きだ。無類の。
2009年に偶然発見された YInMnブルー という顔料がある。
私にとって完璧なブルー、色褪せない絶対的な青だ。
もう一つの完璧なブルー
ラピスラズリ ウルトラマリンである。
あるとき気付いた。
宗教画に使われる聖母のヴェールの青の多さ。
深いが彩度があり鮮やかで忘れられない綺麗な色。
どうしてこんなに青が多い?
その青の顔料はラピスラズリが原料のウルトラマリンであった。
絵画ってどうして高いの〜の答えの一つに私は顔料があると思う。
例えばそうラピスラズリが原料であるウルトラマリンは、金より貴重と言われることがあるくらいの価値がある。
PIGMENT TOKYOでは天然ラピスラズリが15g、33,000円(2023年12月現在)で売買されている。(1g2,200円)
現在ではこの価格だが昔だともっと高価であっただろう、そんな高価な絵の具、顔料がウルトラマリン以外にもふんだんに使われていたらキャンバスは宝石箱とも言える。
高価であったラピスラズリから精製されたウルトラマリンは、原料であるラピスラズリが中東からヨーロッパに運ばれてきた(海路を渡ってきた)ため、ラテン語のウルトラ(超えた)マリン(マーレー:海)だそうだ。
このウルトラマリンはフェルメール・ブルーとも呼ばれて、名前がつくぐらいなのだからフェルメールは愛用していた。「真珠の耳飾りの少女」がその青が際立つゆえ「青いターバンの少女」とも言われることもある。
しかし、そのウルトラマリンの色に魅了されたフェルメールはウルトラマリンの高価さゆえに借金をし自己破産をしたという話をする人もいる。
なんでそんな高価な絵の具使って描いたんだ〜というのは、その高価さゆえ希少価値ゆえに宗教画に使われ、聖母マリアやキリストのように特別な意味を持ってして使われることが多かったらしい。あとはフェルメールにはパトロンとかがいたからたくさん使えたとかもある。
そんな特別な意味を持ってして聖母マリアには処女的だとか特別な存在ということで使われていた。
ボッティチェリの絵画では、ヴェールに星が描かれており聖母マリアを讃える歌としてアヴェ・マリア・ステラがある。意味は「めでたし、海の星」
なぜここでも海?という疑問で聖書の話になるが、キリスト教を信仰していない異邦人にとっては旧約のイスラエルを比喩的にその世界を「海の向こう」や、「海の向こうの人々」にたとえられ「海の星」のマリアの呼び名は政治的、宗教的な境界線を意味も有していた。
海を渡ってきたウルトラマリンと、海の星のマリア。
海を渡ってきたウルトラマリンに、その色を着飾る聖母マリア、なんだかリンクしていてとても楽しい。
そんな感じで深く調べるのが楽しくなってきた。
じゃあ聖母マリアの“海の星”ってなんなの。
天測航海法。
聖母マリアは海を旅する人や海で生計を立てる人たちの案内人、そして、保護者として神と人間を仲裁するものと信じられているとあったので、聖母マリア マリスステラは“星そのもの”を意味していた。
聖母マリアは金星?といった情報も出てきた。
世界は深いので同じようなことを知りたい人はたくさんいるようだった。
ウルトラマリンは海を渡ってきた顔料で希少価値ゆえに特別な存在に多く使用された顔料であり、また旧約のイスラエルを比喩的に海といい、海岸線の向こうの人々という意味である呼び名海の星の聖母、導きの星ポラリス、マリス・ステラ "海の星"。
こういう宗教画に使われている絵の具の背景と、宗教の内容をもっと詳しい人に、とことん説明して欲しいと願うのだった。
ウルトラマリンと聖母マリア、どちらも海が関連していてただ単に海とマリアの宗教的背景を連想してウルトラマリンに着地したのか、まあ多分本当にそれだけなんだと思うけど。
ただ、どうしてももっと詳しい人に
めちゃくちゃ説明してもらいたい。
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