【人狼殺】伝説のプレイヤー「江戸川」の魅力とその軌跡
2018年夏頃から話題を集め人狼ブームに火をつけたスマホゲームアプリ「人狼殺」。荒らしやバグの多さ、収益性の低さから2020年6月でサービスが終了してしまったが、このアプリに存在した伝説の野良プレイヤー「江戸川」(通称:江戸川先生)について書き記そうと思う。
現在活躍している人狼プレイヤーのうち、この人狼殺で有名になった人は多く、アプリ衰退後は対面人狼やzoom人狼に移っていった。しかし、江戸川先生はアプリ内での活動のみで素性や顔は一切不明。SNS等もやっておらず、声色から「40代前後の男性」程度しか推察できない。まさに「伝説」という言葉が相応しいプレイヤーだ。
その人気から当時は彼がアプリに出没すると某掲示板において速報(通称:江戸速)が流れ、同村している配信者の同接数が飛躍的に増える現象が起きていた。
なぜただの野良プレイヤーがここまで注目を集めることになったか、また彼の人狼プレイヤーとしての軌跡を勝手ながら紹介していきたい。
①江戸川の魅力
ⅰ 純粋な人狼殺における強さ
人狼殺において強さの指標となる勝率をみてみよう。
600勝297敗で勝率は脅威の66.9%。この数字がいかにすごいかを伝えるのは難しいが、参考までに某掲示板でまとめられた上位プレイヤーの勝率ランキングをみてほしい。
勝率の測定期間が異なるため上記では66.1%となっているが、現在も人狼プレイヤーとして活躍している高田健志(宝田健志)、烏丸御幸(モリアーティ)、くどう丸を上回っており、その強さは間違いないだろう。
レギュレーションによって勝率が稼ぎやすいなどがあるが、彼は9人村進級局をメインでプレイし狂人勝ち45勝とその勝率を疑う余地はない。
ちなみに、S+に位置している「羊飼いK」は人狼最大トーナメントにも出場経験がある、人狼界最強と言っても過言ではないプレイヤーだ。
このように書くと「強さ=勝率ではない」「測定期間が異なるデータに意味はない」など言われそうだが、現状これが最も客観的に強さを示せるデータだった。また、彼の強さの秘訣・その所以なんかはエアプ勢の自分には語れないので勘弁してほしい。実際の強さが気になるのであれば、最後に載せた試合まとめ集を片っ端から見るのをお勧めする。
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ⅱ 流れるような美しい推理とユーモアあふれる言い回し
まずはじめに純粋な強さを挙げたが、彼の人気の理由はそれ以外の面が強いと個人的に思う。その1つがこの「流れるような美しい推理とユーモアあふれる言い回し」だ。人狼殺は1人60秒話すことができるターン性の人狼ゲームで、彼の推理は鋭いだけではなく同村者を楽しませることが特徴である。
まず、初日1週目の発言は「みなさんおはようございます。〇番の江戸川です。〇番から始まり〇番で占いCO、〇番に白出しの盤面~」がテンプレート。その後に推理の披露が始まるが、センスのある言い回しが多く思わずくすっとさせられる。人狼のことをよくわかっていなくても彼の発言を聞くだけで楽しい、そんなかんじだ。
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ⅲ 馴れ合いをしない謎多き孤高の存在
まず大前提として、彼は非常に紳士的なプレイスタイルで同村者にも優しく、ミス責めや強弁暴言は一切ない。
ただし、身内部屋やフレンドマッチは基本的にせず馴れ合わないことが特徴だ。彼の強さが話題になるにつれて同村者から個人情報を聞かれたりフレンド承認を要求されたりダルがらみをされることが増えたが、毎回華麗にスルーをきめている。
この素性不明の一匹おおかみ感が彼のカリスマ性を高めているように思う。
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ⅳ たまに出るおちゃめさと人間味
正体不明の孤高の存在であることから、殺時代後期にかけて「江戸川AI説」が唱えられるようなこともあるが、たまにおちゃめな一面をみせるのがポイントである。そのギャップがまた人気の要因なのだろう。
また、おちゃめさとは少しズレるかもしれないが、彼はハンターを引くと奇数進行でも発砲することがある。
奇数進行のとき発砲しないのは常識。発砲した場合、沼扱いされることもあるくらいだが、彼は結構発砲するのだ。
ちなみに、ハンター以外のときは初週で進行論として奇数のときは空砲を推奨しているのでわりとむちゃくちゃである。
②江戸川の軌跡
【2018年6~7月上旬】殺時代初期(テイクさん時代)
初期の頃は「テイクさん」という名前で活動していた。声と言い回しが江戸川先生そのものということ、フレンドリストの名前が変更されていることから同一人物なのは間違いないだろう。
当時は冗談や雑談が多く、独特の訛りも相まって落語家のような佇まいである。
また、狼会話や発言からあまり人狼ゲームに慣れていない様子が伺える。
ただし推理力や説得力はこの頃から高く、狼で見事ランカーを騙すプレイングをみせている。「上級メンタリスト」を自称したり「特技は推理と考察」と言うなど自信はあったようだ。
★試合終了後のチャット
特にセリフは決まっておらず、「ありがとうございました!!」等。ビックリマークを多用し、元気で印象がいいチャット。
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【2018年7月中旬~10月】殺時代中期
「テイクさん」から「江戸川」に改名し、某掲示板で上手いプレイヤーとして話題になり始める。初日から狼位置を当て、彼のグレースケール通りに吊り殺せば勝てると言われたほど。
ただし、有名になってしまったせいで脅威嚙みや初日黒出し特攻、荒らしに粘着されるなど悪質なプレイヤーに悩まされることになる。試合終了後のチャットで「最近ほぼ観戦です」と嘆く様子も。
その対策のためか、初日にグレースケールの明示をやめ、あえて少し怪しくなるような立ち回りをするようになる。
★試合終了後のチャット
8月頃から彼の定番の挨拶「いいむらでした(^^)」が使われるようになる。その他、試合に対しての意見も述べたり狼陣営で勝利した際は「くろがわありがとうございました」など自由に意見を述べているが、徐々にテンプレ以外の発言は控えるようになる。
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【2018年11月~2019年4月】殺時代後期
のちに記述する集結杯への参加が発表され、以前にも増してプレイ時間が増え1日に15戦する日も(本人談)。さらに、試合後のチャットはテンプレ以外の発言はほぼ無くなり、廃人ぶりも相まって江戸川AI説が唱えられる。
※集結杯について詳しくはこちら
しかし、12月8日に開催された集結杯を区切りに人狼殺から突如姿を消してしまったのだ。以前までフレンドだったプレイヤーのリストからも江戸川の名前は消え、アカウント削除説が浮上し引退が囁かれた。
1か月経っても相変わらず目撃情報はなく界隈が悲しみに暮れていたところ、年が明けて2019年2月7日。新しいボイス人狼アプリ「人狼スポーツ ボイススタジアム」でネット人狼への復帰が確認された。
人狼スポーツはターン制ではなくクロストーク制で発言は控えめだが、その声と口調から本人で間違いないだろう。
その後数回ほど同アプリに出現したが定着はせず、まもなく人狼殺に復帰することになった。しかし、全盛期と比べると明らかに出没頻度は低下し、同年4月頃にはフェードアウトしてしまった。
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【2019年11月~】殺卒業後
殺から完全に姿を消して半年が経ち、いよいよ復帰が絶望視されていたところ、2019年11月21日。新しいボイス人狼アプリ「劇場推理 人狼狂」にてその存在が確認された。
姿を消したと思ったら新しいアプリで出没したり、まさに神出鬼没の存在。
プレイスタイル等は相変わらずだが、新しい環境故に彼のことを知らないプレイヤーも多く初日吊りされてしまうことが何回かあった。
しかし個人的な意見にはなるが、殺と比較して上手いプレイヤーの割合が高く、総試合数は少ないが良質な試合が多く生まれたと感じる。
そして一瞬定着したかと思った人狼狂だが、結局2ヵ月程度でフェードアウトしてしまい、またしても姿をくらます。
そこから半年以上目撃がなかったが、次の新しい人狼アプリ「3D人狼殺」がリリースされ、またここで復活するのだ。
もはや、「新しい人狼アプリのリリース=江戸川先生復活の機会」と化している。
3D人狼殺では殺時代後期と比べ人間味が増したように思う。「いいむらでした(^^)」とチャットしたあと光の速さで退出するのは変わらないが、試合前にチャットをしたり、試合中は若干やさぐれた言葉遣いをたまにするなど微妙な変化を感じる。
その後、3D人狼殺のみならず狼の誘惑にも出没し、頻度は低いものの細々と人狼ライフを楽しんでいる様子が伺える。
自分が見つけられた直近の試合は2023年のものが最新だが、もしかしたら今もどこかでプレイしているかもしれない。そうであると願いたい。
③最初で最後の大会参加「集結杯」
さて、彼の活動変遷を一通り書いた後で時系列が交錯してしまうが
、「集結杯」これだけは別途紹介させてほしい。
時は殺時代後期に遡る。基本フレンドマッチはせず、野良での人狼駆逐に勤しんでいた彼だが、唯一「大会」というものに参加したことがある。それがこの「集結杯」だ。
人狼界最強プレイヤー羊飼いKさんが主催し豪華な顔ぶれが揃ったこの集結杯。参加者に声をかける段階で、Kさんが江戸川先生にコンタクトを取っているシーンが動画に残っている。
SNSをやらない彼に声をかけた方法、それは野良でマッチした際に試合中、校舎裏へ呼び出すという大胆な方法だった。
Kさんの人望と努力によって開催された集結杯、試合の内容についてはここでは語らないが約束された名試合である。2試合だけなので以下のプレイリストから是非みてほしい。
※各配信者の視点がそれぞれあるが、個人的おすすめはくどう丸視点だ(メモがあって見やすい)
また、2試合の振り返りで彼は次のような言葉を残した。
おそらく誰よりも荒らしに悩まされた彼からこの言葉がでるのは、「器が大きい」というより、なんだか感動的である。
④名試合と試合全集の紹介
【激選】おすすめの名試合
何百戦とある彼が出演しているアーカイブから完全主観で選んだ名試合を7個紹介したい。おすすめ度が高い試合から上から順番に書いている。
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試合全集
江戸川先生出演回をまとめてくれた神がいたようだ。
さいごに
本記事を書いた目的は、彼の存在と当時の盛り上がりを「何らかネット上にまとめて残したかったから」である。
盛り上がりの部分は表現しきれなかったが、時系列でまとめることによって当時の雰囲気が少しでも伝えられればと考えた。
恐れ多い行為であることを重々承知した上で書かせていただきました。意見等あれば遠慮なく連絡ください。読んでいただきありがとうございました。
【番外編】江戸川伝説
その強さと謎に満ちた生態から某掲示板において様々な噂がされた。そのうちぶっ飛んだ噂は「江戸川伝説」として名付けられ、度々スレッドに掲示された。一部を以下に紹介する。
========(以下引用)========
江戸川先生は日々の生活=人狼だからな。公園のベンチに座って道行く人が狼か村人かを当てていく、そんな修行を毎日してたのは有名な話。武芸者だよ。その点たくまやKはプレイヤーにすぎない。
江戸川先生ってあの強さからしてその名の通り川そのものなんだと思う。だから俺は江戸リバー先生って呼ぶことにした
対面人狼どころか、江戸川先生の若い時代はいわばストリート人狼が当たり前だったからね。
例えば公園なんかで対戦者たちはバラバラに散歩して相手を探す。全員が出会えたら試合開始という厳しいルール。日が暮れても先生だけ見つからず解散になったことが何度もあった。野武士だね。その点、kも高田もたくまも室内プレイヤーにすぎない。江戸川先生は人狼ゲームじゃなく日本各地の村を巡って実際に狼を駆逐しているからね。
人狼殺はあくまで勘を鈍らせないための訓練みたいなものだよ。狼に滅ぼされる寸前の村をいくつも救ったという逸話が各地に残されてる。救世主だね。その点、たくまもKも「人狼ゲーム」のプレイヤーにすぎない。江戸川先生は日本のみならず、世界各国で人狼をやりながら放浪しているからね。
ワールドワイドに色んな角度から考察できるのは当たり前。
ブラジルや中国へ旅行に行った日本人が現地の子供達に人狼を教えている江戸川先生を見たというのは有名な話。
人狼ゲームを「edogawa」と呼ぶ地域もあるらしい。
先生という敬称もそこから生まれた。伝道師ともいえるね。
その点、たくまやkは国内プレイヤーにすぎない。
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引用元:5ちゃんねる 人狼殺配信者スレ Part9