令和5年度 京都大学理学部特色入試(数理科学入試) 合格体験記


2023/11/12 追記
※2024年度はかなり傾向が変わったので今後はこの記事が参考にならないかも知れません。
十分注意して下さい。

初めまして、ななはと申します!
自分が受験する時、情報が少なくこういう記事に助けられたので書きます!
記事の構成はyumaさんのものを参考にさせて頂きました。


対策

少し重めの一般入試の対策で事足りるかと思います、周辺知識を一緒に吸収することを意識すると良いです。
また、無計画に過去問を解くと後悔します。(体験談)
しっかり実力をつけた後で解きましょう。
dmに来て受験する旨を話してくれれば、適当におすすめの問題を渡します。

おすすめのサイト

テキトーに全部埋めればそれなりに力つくと思います
数学に関しては参考書要らない論者なのでほぼこの2つしか使ってないです

出願書類

学びの報告書、学業活動報告書、調査書の3つを提出します。
受験生が書くのは学びの報告書だけですが、背伸びした内容を書くと面接で困る可能性があるので、あくまで自分が答えられる範疇で書きましょう。

試験前

かなり寒いと聞いていたため厚着して行きましたが、試験場自体はそこそこ暖かいのですぐに着脱可能なもので済ませた方が良いです。
また、申し出ればシャツをトイレで脱ぐ事も出来たので遠慮なく言いましょう。
周りは気にせず、自分が1番集中出来る格好で行きましょう。パジャマならパジャマでも構いません。
トイレや水分等、とにかく試験以外の不安要素を予め排除しておくことが大切です。

筆記試験

始まると意外に緊張しますが、2,3分で落ち着くので安心して下さい。
問題に関する質問は、結構しっかりした質問用紙で返って来ます。

※以下試験のネタバレを含みます

問題をパッと見た感じ、
[1]は瞬殺出来そう。[2]はエントロピー絡み、計算重そう。(実際は違った)[3]は一般項求まるのかな?[4]は二項係数とmodが絡んでる、やった事ない…

とりあえずしっかり[1]を解ききりました。
普通にやると短すぎるため、中間値の定理も使って丁寧に書きました。
垂心だとは気が付きませんでした…
ここで20分程度

[2]の式変形をやっていくと綺麗な形になったので、順当にやると(1)(2)はすぐ出来ました。
(3)は怪しい所を残しながら仕上げて[3]へ
(嘘解答であることに後で気付く)

[3]を見ますが、何が有効か中々分からず苦戦しました。(複比にすぐ気付かなかった)
色々試した後、図形的に見てみると円が出てきてやっと複比に気付きました。ここからはすぐでした。ただ、焦っていたため内接四角形の場合や、分母が0の場合の記述が漏れていました。

ここまでで1時間20分程度

[4]に取り組みますが、浮かんだアイデアを信じきれず色々試した結果、滅茶苦茶時間を浪費しました。
(試験後に方針が合っていた事が分かったので自分を信じましょう)

ここまでで3時間程度でした
(時間配分ミスってますね、気をつけましょう)

[2](3)の嘘解答に気付きますが、特に何も出来ず、[4]を眺めながら時間が過ぎて終了。

良くて20-10-18-0くらいかと思います。

筆記試験〜口頭試問

筆記が上手く行かなかった人もとりあえず解けなかった問題から解きましょう。
予想ですが、この時点では採点されておらず、ほとんど白紙のような明らかに出来ていない人を弾くだけなので自分は通ると信じておきましょう。

家に戻って落ち着いてやった所、夕方頃に全て解けました。
ここで安心して何もやらず、面接ギリギリで[3]の場合分け漏れに気付きます。
これから受ける人はしっかり記述し直して不備を探しましょう。
やりすぎかも知れませんが、面接に向けて解説の台本を書くのもアリです。意外と難しいので

口頭試問

1人15分です。これはとても短いので準備か大切です。
待ち時間ですが、運が悪いと死ぬほど暇なので本等を持って行きましょう。
また、待ち時間にイヤホンを付けていた所怒られたので気を付けて下さい。

面接会場のドアを開けると、左手に自分の解答が置かれた長机と教授が5人、右手に黒板と新品の問題用紙(自分が見る用)が置かれていました。
「好きに解説して」と言われたので、[2](3)の解答、[4]の解答と、その方法なら任意のnCp^a,(mod p^b)で示せる事、[3]の小さい不備に触れました。

[3]のミスについては教授が、「確かにそうだけど、本質では無いのでどうでもいいです」的な事を言っていたので、本質でない部分での減点は少なそうです。

最後に入学後何をしたいか聞かれました。
(試験に関係ない質問はこれだけでした)

合格発表1

学校の定期テストと被ってたのでテスト中に結果が発表され、気が気じゃ無かったです。
結果を確認して友達と飛び跳ねました。
あの発表形式楽しいですね

共通テスト

ほぼ何の対策もせず、滅茶苦茶不安なまま受けました。
対策する事をおすすめします。

合格発表2

まあ自己採でほぼ受かるのは分かってたのでしょぼかったです。
2よりも1をしっかり楽しみましょう。

感想

正直倍率は関係無いので、実力があるならビビる必要は無いです。
ただし、IMO代表みたいな確実に枠を抑えてくる怖い人には注意しましょう…
(今年は2人、春だと4人いたらしいです、怖いです)
「なんだかんだ受かるんだろうなぁ」と思いながら受けると精神衛生上良いと思います。
でもまあ例年2完半で受かるので、過去問で2完半以上出来ている人は普通に受かる試験です。(個人的にはあまり好ましい状況では無いですが)
合格発表までの2週間は、自分の場合意外とワクワクしてました、しんどい人もいると思うので気をつけてください。

その他

今年は無かったですが、極限や関数系の問題が1問あります。オーダー等の理解をしておきましょう。
また、例年1問は発想で1発の問題があります。
(今年なら[2](3)です)
これをかなり強く意識しないと気づけない事が多いので、意識しておくと良いと思います。
面接では問題の拡張に触れられる事があるらしいです。口頭試問後に余裕があれば考えましょう。

最後に

出願から合格発表まで全部超楽しかったです。
京大の教授が完全新作の難問を書き下ろしてくれる激熱イベントなので全員受けるべきですね。
あと、大学からやりたい事が決まってる人とかは、シンプルに受験が早く終わるので学習計画が立てやすくておすすめです。

追記

https://twitter.com/ne_3co3/status/1651152300277399552?s=46
開示が来ました。
予想より少し低くて残念です…
恐らく[2](3)の配点が大きかったのだと思います。
また、口頭試問ですがその時点で全て解けていたら満点という訳ではないみたいです。
なので拡張とかを考えていくと+αの点が貰えて安心かもしれません。

あと[4]ですが、ヘンゼルの補題というのが背景にあるので受ける人は調べてみると良いかもです。
(数理特色の任意の問題は背景知識を気にしましょう)

追記:いよわの曲を聴いて下さい!僕の取ったデータによると、いよわ好きの合格率は100%です


質問ある人は気軽にdmまで来て下さい!
(Twitter @ne_3co3)


学びの報告書

載せときます
割と適当でも通るので、そんなに時間を使わないことをおすすめします。
※/**/内は書いてません

A
 これまでの学びを通じて、私が最も興味を持った定理は、Lagrangeの四平方定理(以下四平方定理) 及び母関数(生成関数)にまつわる事項です。
 私は中学生の頃に四平方定理を知りました。  平方数というのは大きくなればなるほどその分とびとびの値を取るにもかかわらず、どれだけ大きい自然数でも高々4つの平方数の和で表される、しかもその表し方が何通りあるかを簡単な計算で求められるという意外な主張に興味が湧き、その証明について調べていた時期がありました。
 その頃に、初等的な証明は有名ですが、Jacobiによる母関数を使った証明というのがあるのを知りました。しかし、当時の私にはテータ関数など理解出来るはずもなかったため、まずは簡単な母関数から学びはじめました。
 そこで学んだ、母関数が閉じた形で表せる場合、無限数列の一般項などを級数展開で調べることが可能になるといった性質は、勉強の進んでいない当時の私にとっては驚くべき内容であり、同時に数学への理解が深まったような気持ちになりました。カタラン数の母関数などはその最たる例でした。
 現在は学校生活や受験勉強などで忙しく、あまり数学を学ぶ時間がとれていないのですが、大学に入学した暁には、テータ関数をはじめ、様々な分野を貪欲に学び、これまでは理解が及ばなかった証明などを深く理解していきたいと考えています。
 そして、四平方定理及び母関数について調べる過程で知った数学を学ぶ楽しさは、私のこれまでの、そしてこれからの数学的活動においても、非常に大きな原動力になり続けると考えています。
/*上の内容全く知りません、全部適当です*/

B
 私は高校の通常の授業で学んだこと以外に、大学での解析、線形代数学などの基礎を学びました。
 解析は主に高木貞治さんの「解析概論」を用いて、線形代数は志賀浩二さんの「線形代数30講」を用いて学びました。
/*後者は図書館で借りたことがあるだけです*/
 また、高校一年生の中頃に競技数学を学び始め、数学オリンピックの過去問を主として様々な問題に取り組みました。
 自身で得た数学上の発見については、該当がありません。

C
 私は高校2年次に行った課題研究にて、班員と共に、プログラムを用いて四次のルンゲ=クッタ法を実行し、様々な微分方程式について数値解を求めました。
 具体的には前期と後期の2期に渡り、前期にはロトカヴォルテラの方程式や惑星の運動方程式などについて、後期にはブラウン運動と、それを用いた株価の変動などについて研究しました。
/*何もしてないに等しいです*/

A2
 私が貴学の理学部に入学を希望する理由は、貴学の理学部が、数学を主として理学や文学など様々な分野に渡り知識を深めるには最も適した環境であり、また、1学科制であるため、より自由に学ぶことが出来るという点で非常に魅力的であると考えたためです。
 私は幼少期の頃から自然科学や数学に強い興味を抱き、特に数学については様々な本を用いて自主的に学んでいました。そして、中学生の頃には数理分野の研究者になりたいと強く思うようになりました。
 ペレルマンによるポアンカレ予想の証明は極端な例ですが、現在、数学や自然科学についての理論が複雑に絡み合う中、どれほど独立したように見える分野においても他分野の見識は必須であると言ってよいと思います。そのために私は、一分野に没頭して研究するのではなく、可能な限り幅広い分野において知識を深め、その上で私が最も興味深いと感じた分野について、それまでに学んだ他分野の知識も活かし、多角的な視点から研究をしたいと予てから考えていました。
 そこで、貴学の理学部における「緩やかな専門化」という理念や、1学科制という特色が、こういった私の希望に最も合致しており、かつ私にとって最も魅力的な環境であると考えているため、入学を希望します。

B2
 学部生の間の4年間で、私は数学や物理学における様々な分野に積極的に触れ、理解を深め、可能な限り多くのことを学びたいと考えています。
 具体的には、まず1回生の間は、解析学、線形代数、幾何学それぞれの基礎を学びたいと考えています。
 解析学と線形代数の基礎に関しては既にある程度学習はしていますが、独学では深い理解には到達出来ていない可能性があるため、やはり1回生の間に基礎をしっかりと学び直したいと考えています。また、本来2回生で学ぶ内容なども積極的に学んでいきたいです。それに加え、文学、哲学にも興味があるため、4年間を通して可能な限り学びたいと考えています。
 2回生では、1回生で学んだ内容に対する理解をより深めるのに加え、物理学方面も学んでいきたいです。具体的には、特殊相対論や量子力学を学ぼうと考えています。数学についてはベクトル解析や複素解析、体、環、群等の代数学、位相幾何学などについて学ぼうと考えています。そして、出来れば2回生の冬頃に将来研究する分野の大雑把な目星をつけたいと思っています。また、将来研究する上で他国の学生との交流は重要だと考えているため、機会があれば留学等も視野に入れています。
 3.4回生では、2回生で決めた分野を主として、それまでと同じく、より幅広い分野への理解を深めていきたいです。具体的には、数学については保型形式等の表現論や整数論、物理学については場の量子論や弦理論等を学びたいと考えています。
/*割と適当です*/

C2
 大学卒業後は大学院に進学し、自分の研究したい分野をさらに深く学び、研究し、博士号まで取得したいと考えています。
 また、博士号を取得した後も研究を続け、将来的には研究者等の職業に就き、人類の数学、自然科学への理解を大きく進めるような素晴らしい理論を発見するために、他者と協力し、常識や分野の枠に囚われない柔軟な研究をしていきたいと思います。


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