2022.11.10 クラリネットのレッスンを受けてきた
「わりと器用やし、ゆーてそこそこすぐ吹けるようになるやろ!」とチューバからクラリネットに持ち替えてみた私ですが、しばらく一人で試行錯誤しても一向に上手くなる兆しがないので、重い腰を上げてレッスンを受けてきました。(ほんとは自力で解決したかった、、悔しい)
ちなみに、いろいろ書き散らかしていますが、私は音大に通ったこともプロに師事していたこともありませんので、一人のアマチュアの考えであって正解ではないかもしれませんのでそこだけご注意を。
レッスン講師はクズシマさん
レッスンをお願いしたのはクズシマさんです。クラリネットを始めようと思い立って楽器を買った直後くらいにインターネット上で検索してわりと最初の方にヒットして気になった方です。
ときどきマウスピース談義やリード談義を眺めています。プロも悩むんだなーと安心します(おい
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「音楽と言葉の力を信じてる」っていいなあ。真似したい。(できればこのあたりのことをお聞きしたかったなあ)
何を相談したの?
事前に相談事項として挙げたのは大きく3点です。
1.音の立ち上がりが悪いにもほどがある!助けて!
2.タンギング怖いんですけど!
3.高音出せないんですけど!
他の楽器ではありますが私も管楽器経験者なので、これらはそれぞれに独立した原因があるのではなく、いろいろ複合的に基礎の何かがおかしいことが原因と見当がついていたので、レッスンの流れはクズシマさんに完全にお任せしました。
どうっだった?
クズシマさんの具体的アドバイスにより、音は見違えるようによくなりました。初心者丸出しのカッスカスの音から、ハリのある音に変わりました。安定していい音を出すのはまだ難しいですが、どの音域でもいい音出るじゃん!できるじゃん!という自信がつきました。
案の定、アンブシュアがよくなかったのが最大の原因でした。要点は4つくらいにまとめたはずが増えちゃいました。当面はこれらに注意して練習します。基礎的なところ大事。慣れてから上書きするのって難しいですからね。
ちなみにクズシマさんは動画通りの雰囲気をまとった方でした。レッスンを受けるか迷っている方は、種々条件が合うなら早く受けるべしです。ちゃんと上手くなるので。
でも書き残したいのはそんなことじゃない、
「音の出し方のイメージが違うっぽい」
ということを書いておきたい!!
私はもともとユーフォやチューバを吹いていたので、クラリネットは楽器の構造も音域も全く違っていて勝手が全く分かりません。とはいえ、吹奏楽部時代はクラリネットのパート練習も見ていたので、クラリネットの音は十分覚えているつもりでした。
でも実際に目の前でプロの音を聴くと、「あれ?音のイメージを完全に間違っている?」となりました。
補足
私は理論よりイメージやカンで演奏するタイプです。上行系のスタッカートなフレーズがあったら、どんなふうに舌と息を使ってとかは考えず、階段をスキップで登る感じだとイメージして演奏するような感じです。
なのでレッスン時の具体的アドバイスは効果てき面でありがたかったのですが、今後それを身に付けるためには、もう一歩踏み込んで、いただいたアドバイスや感じたことをイメージに変換する必要があります。
チューバの場合
「音や響きの柱を作る」「音や響きの壁を作る」「自分の音や響きで周囲の楽器を包む」というイメージで吹くように努めています。
私がいたアマチュアの楽団では、木管低音が音の芯を作り、チューバがそこに響きを足し、バストロンボーンが木管低音とチューバの音を客席に運ぶという役割分担が基本思想になっていました。よってチューバの場合、木管低音や同じ役割を担っている楽器を自分の響きで包むイメージが正解となっていました。
たしかに、バストロンボーンの役割はさておき、B♭管やC管の大型チューバの場合は、自分で前に音を飛ばすより反響板を活用する方が効率よく鳴らせそうです。
ちなみに、個人的には、くっきり縁取りした音を、ビームを放つイメージで鳴らしたいと思っています。ポケモンレジェンズアルセウスの「はかいこうせん」がイメージに近いです。プリプリのエレキベースもイメージに近いです。(クラシックのチューバに向いてない)
チューバのイメージでクラリネットを吹いたら
ゆえにクラリネットも同じ感覚で自分の周囲を響かせるイメージで吹いていたわけです。クラリオン音域以上ではあまり感じませんが、最低音域であるシャリュモー音域では、楽器から音が離れずまとわりついていて、なんだか気持ちわるいなあと思っていました。特に最低音Dなんかは、線香花火みたいに音がベルにくっついていて、最初はおもしろかったのですが、だんだん鬱陶しく感じるようになってしまいました。
レッスン後に冷静に考えると、楽器にまとわりついて離れないのであれば客席に音が届かないはずだから、楽団で演奏するには不向きだっただろうなと思います。個人でこっそり吹くなら問題ありませんが。
クラリネットの場合
クズシマさんの音は、真横で吹いてもらったにもかかわらず、もっと遠くで鳴っている印象、練習室は小さかったのですが、もっと広い空間で鳴っている印象を受けました。楽器や体に音がまとわりついているような印象はありませんでした。
そもそもクラリネットの場合は息をまっすぐ前に入れるそうで、クラリネットは「私はここにいます!」「私の音を聴いてください!」と音を聴き手のところまで飛ばすようなイメージなのかなと思いました。客席までずんずん歩いていくというか。特にレジスターキイを使うような音域では、息を当てる位置もあってか余計にそう感じました。
私がハッとする言葉で表現するなら、「ビビるな!」「ミスを恐れずに前へ息を入れろ!」「胸を張って音を見せろ!」あたりになります。
これはタンギングのときにも有効な言葉です。金管楽器の経験者からすると、シングルリード楽器のタンギングは舌をケガしそうで怖いのです。でも、私の場合はどうもケガしないポイントを使うのがちょうどよさそうなので、「怖がる必要はないよ」と言ってやりたいです。
クラリネットと金管直管楽器との共通点
ちなみに、この客席へ音を飛ばすイメージや心持ち?は、(習ったことがないのでその道の人からは怒られるかもですが)トランペットやトロンボーンを吹いてみたときの感覚と似ていました。
何が似ているのかというと、息を入れたときの抵抗感のなさに起因する怖さと、ベルが前を向いていることに起因する怖さの二つです。
ユーフォやチューバのような巻き管楽器は、マウスピースから先の管がすぐカーブしているので、ほどよく抵抗を感じながら息を入れることができます。
一方でトランペットやトロンボーンのような直管楽器はマウスピースから先の管は真っ直ぐなので、抵抗がなく息がスルスル入ってしまいます。
よって巻き管経験者は直管楽器を吹くときにびっくりして息をうまく入れられないことが多分ままあります。
同じようにベルの向きも、チューバやユーフォは上を向いているのに対して、トランペットやトロンボーンは前を向いています。
ベルが上を向いていると、音は天井や反響板にぶつかってから聴き手に届くので、ミスが誤魔化されやすいです。よって少しミスに対してそこまでビビらずに演奏することができます。
ベルが前を向いている場合は、聴き手に音が直接届くので、ミスを誤魔化せません。さらに、銃口を聴き手に向けるように構えるので、よりミスすることができないというプレッシャーを知らずのうちに感じてしまいます。
このような差から、巻き管プレイヤーだった私は音を前に飛ばす感覚がないのに加え、その感覚を持ちづらかったようで、下手くそだったというわけですね。
つまり
もしかしたら。
ベルが前を向いている楽器は「俺の音を聴け」みたいな気持ちで鳴らすといいのかも。
ベルが天井や後ろを向いている楽器は反響版をうまく響かせるイメージで鳴らすといいのかも。
終わります
というわけで、レッスン終わりは、「うわーめっちゃ音よくなったー」という感動や「よし教わったポイント注意してはよ音階練習取り掛かるぞ」と燃える気持ちもそこそこに、レッスン本筋とは関係ないところで一生懸命考察していたわけです。また楽器とともに出勤する生活をしようっと。
完全な蛇足
サン・サーンスのクラリネットソナタ、めっちゃいいですね。好き。(クズシマさんの演奏をBGMにしていた)これ冒頭だけでいいから吹けるようになられへんかな。実は楽譜は買ってあるけどピアノ弾いてくれる人がいないんだよなーん。まあピアノの心配する前に自分の技量の心配をしなさいね。
楽器のレッスンを受けるとき、もしかしたら飲み込みが早い方なのかもしれない。過去にも何度かレッスン中にみるみる音が変わるから焦ったと言われたし。ただその後、身に付けられないんだよな~(練習不足)。
どうしよう、やっぱりクラリネットでは華やかキラキラな音を出したい気もしてきた、、、吹奏楽で1stやってみたい気がしてさきた、、、