2022.12.29 チューバ試奏二回目

 前回の試奏は、「吹いてみたい!」という好奇心が9割、「もし相性のいい子がいたら買おうかな・・・どうしようかな・・・」が1割で、結果、楽しく試奏して欲しくなったものの、買っていいものなのか判別つかず、引き上げてしまいました。


 というわけで二度目の試奏です。購入するならどの子にするか、今のうちの子と比較したときに新しい子を購入するべきかを真剣に考えるための試奏です。前回試奏において自分では判断しづらいものがあったこと、150万円以上するのに主観だけで選んで失敗することが怖かったことから、友達についてきてもらいました。
 お店は前回と変わらず新大久保の管楽器専門店DACです。チューバが常時たくさんあって、買う買わない抜きにしてテンションが上がります。


 さて、ここからは真面目に。

1.新しい楽器に求めること

(1)低音の吹きやすさ
 学生時代から、チューバ吹きなのに壊滅的に低い音が苦手でした。今の楽器でも苦手でした。新しい楽器だと私でも鳴らせることがわかったので、開き直って楽器に頼ることにしました。
(2)ラメやグリッターが光るようなキラメキのある音
 目立ちたいです。
(3)響きよりも芯のはっきりした音
 トロンボーンの人が吹いたユーフォの音みたいなイメージかしら。一般的なチューバの音よりもう少し音の芯がはっきりした音がいいです。
(4)音程のよさ
 社会人アマチュアには楽器の音程を教育する余裕はありません。鳴りムラはあきらめて調教しますけど・・・。
(5)私の吹き方でフォルテが鳴ること
 息の速さがチューバらしからぬ速さなので、鳴ってくれない楽器はびっくりするくらい鳴ってくれません。というわけでここも重要。


2.試した楽器

 合計5本です。マウスピース選びも必要だったのも相まって、悩みまくって3時間かけてしまいました。道理でヘトヘトになるわけです。
(1)B&S 4197 (C管、ピストン、ラッカー仕上げ)
(2)B&S 4197S (C管、ピストン、銀メッキ仕上げ)
(3)Melton Meinl Weston 3450 (C管、ピストン、ラッカー仕上げ)
(4)Melton Meinl Weston 3450S (C管、ピストン、銀メッキ仕上げ)


3.ヘボアマチュアによるレビュー

 あくまでも私が吹いた場合にそう感じただけであって、別の人が吹くとまた異なるかもしれません。使用するマウスピースによっても印象がかなり変わりますしね。
 使ったマウスピースは、忘れました!ごめんなさい!
 試奏した順に書きます。

3.1.B&S 4197(ラッカー仕上げ)

 よく響くし操作性もいい子でした。音程はチェックし忘れたけど大きな違和感はなかったので、悪くはありません。でも響きすぎてタイプじゃないので、選択肢から外れました。ただ、普通?のチューバ吹きであれば買いだと思います。あのコンパクトさであれだけ響いてくれるってありがたいなあと思います。

3.2.Melton Meinl Weston 3450(ラッカー仕上げ)

 二回目試奏前の本命でした。グーでパンチしてるような鳴り。直線的で大好きです。操作性もよし。音程もよし。とてもいい子。
 B&Sラッカーがあれだけ響いていたのに、同じラッカーでもこちらは響きよりも芯が強調されているのは意外でした。なんでも、ベル直径がマイネルの方が4cm小さく、管と管をつなぐ支柱がマイネルの方がかなり多いのでこうなるんだとか。
 個人的にはとてもかなり好みの音でしたが、果たしてこの音でコンクールに出るような楽団で存在感を出せるか?と問うたときに、そのとき一緒にいる人との相性によっては私の技量では霞むなと感じました。泣く泣く第二候補に格下げ。

3.3.Melton Meinl Weston 3450S(銀メッキ仕上げ)

 前回の試奏ではラッカーとの差異がよくわからなかった機種。
 3450ラッカーだと響きがタイトすぎて4197ラッカーだと響きすぎると店員さんに相談すると、これが出てきました。
 やっぱり吹いてもピンとこなかったのですが、友達いわく、響きと音の芯のバランスがちょうどいいのでは?とのこと。まあ言われてみればそうかと納得はしたものの、腑に落ちていない感はぬぐえず。とはいえ自分が求めるものと、周囲から求められるもののバランスをとるとこれが第一候補か、としばらく吹いているとだんだん腑に落ちてきました。あと銀色の楽器が大好きなので単純にテンションが上がります。視界が銀色なのが幸せ。身に着けるアクセサリーもゴールドやピンクゴールドよりシルバー派。初めてプレイしたポケモンだって銀バージョンを選んだし。
 ・・・閑話休題。
 そうやって「3450Sがしっくりする気がする」と店員さんに話すと、なんと2本目が出てきたじゃあないですか。吹き比べると同じ機種/同じ仕上げでもけっこう違うんですね。2本目を吹いた瞬間、「あ、この子だ」と即決しました。2本目の子の方が響きが私の体になじんだ感じがしました。即決です。ちなみに個体差の理由は、はんだ付けというハンドメイドな部分があるからだそうです。

3.4.B&S 4197S(銀メッキ仕上げ)

 ラッカー仕上げとは異なり、かなりタイトに鳴る印象でした。マイネル3450と似た印象でした。フィジークくらいの脂肪(響き)のなさでした。3450Sだなとほぼ決まった段階で、せっかくだからと吹いたので早々にお片付けしてもらいました。


4.で、実際、買うの?

4.1.今の子と3450Sの比較

 機種と個体は決まりましたが、でも、本当に新しい子が必要なのか?というところ、実はまだ踏ん切りがついていませんでした。
 今の子もよく響くいい子です。操作性も音程も申し分なし(音程にクセはあるけどこのメーカーあるあるのクセだからヨシとする)。上の音は輝かしい感じがしてとても好きだし、全体的に渋い音なのもチャームポイントかなと。芯より響きが勝っている気はしますが、許容範囲です。ただ低い音が出しづらいだけ。完全に私の実力不足なだけですが、低い音が吹けないだけ。
 3450Sも、響きと芯のバランスがよく、操作性も音程も悪くない。そして低音がめちゃくちゃ吹きやすい。高音もよく鳴る。ちゃんと練習すれば遠くまで届く気持ちいい音が出せそうだ。新品だし、税抜定価196万円/税込定価215.6万円だし、よくない楽器な訳がないんですよ。(今の子も製造当時の定価は100万円を超えてますが・・・)

4.2.なんでチューバライフを中断してたんだっけ?

 チューバライフを断念した理由のうち、「低音が吹けない」は楽器が解決してくれました。「フォルテが吹けない」は、試奏中にフォルテを吹いてみましたが、まだまだ鳴りそうな予感がしました。もっといえば、新品の楽器を育てるという責任感の中で解決しそうな予感がします。
 その他いろいろは別途書きましたのでそちらを・・・。

4.3.今の子でチューバライフを楽しく再開する未来は想像できるか?

 素直に答えると、「できない」。申し訳ないが、今のままの私で練習を積み重ねても低音を吹ける未来は全く想像できない。ごめんよ・・・。

4.4.3450Sでチューバライフを楽しく再開する未来は想像できるか?

 そりゃ200万近くしますからね、再開せざるを得ませんよね。楽しいかどうかについても、新しいおもちゃを買ったようなもんですから、しかも吹き込むにつれて可能性が広がりますからね、楽しそうですよね。

4.5.3450Sを買ってまでしてチューバライフを再開したいのか?

 これは即答できませんでした。少し悩みました。正直、クラリネットが楽しいところですし。でも、チューバを中途半端な状態で放置しているのも正直気持ち悪い。クラリネットはいつでもできるけど、チューバは体力がある若いうちにやっつけとかないと、チューバやクラリネットだけではなくいろんな楽器に触れたいし、今やるしかないぞ。という焦り。再開したいというか再開せねばならぬという焦り。


5.買いました、3450S

 というわけで新しい相棒ができました。ちょっと区別がしづらいから楽器の名前をさらしておきましょうか。「今の子=えりこ」で、「3450S=はなこ」です。
 えりこは高さが100cm近くあったのに対し、はなこは70cmくらい?小さくて持って帰るのが少し慣れない感じでした。
 早く吹きたいね。


5.余談

 チューバの試奏って、迷えば迷うほど疲れますね。なぜかというと、この個体をあっちへ移動させ、この個体をこっちへ移動させ、という、楽器同士をぶつけないために部屋の中の整理が必要だからです。
 今回であれば、今の子を吹きたいから3450に退いてもらう、3450Sを吹きたいから今の子と3450に退いてもらう、そういった動きを何度もしたので、ヘトヘトになりました。
 優柔不断な私が悪いんだけど・・・200万近い投資で失敗したくないし・・・・。
 ちなみに、トロンボーンであれば、林の中からひょいと持ち上げれば終わり。トランペットもスタンドに刺さってればトロンボーンと同じ要領だし、机に並べられたらパッと持てばいい。ユーフォも多分机に並ぶかチューバ式だけど、軽いのでそこまで。ホルンはごめん、わかんないや。フルートはお盆に何本か載せられて出される。ほかの楽器はごめん、わかんないや。とりあえず、チューバみたいな肉体労働は発生しなさそうです。

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