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「あなたの沖縄」第1回ワークショップ「写真から言葉をHAVEする」

「あなたの沖縄」主催のワークショップに行ってきた!↓↓

「私も知らない自分の言葉」っていう題に惹かれたのと、上原沙也加さんの写真が好き、という理由で。
大学生ぶりに、ビビっ!ときて、ワークショップに参加。
その時のことをつらつらと書きまーす🙌

今回、ワークショップ前に課題が出されていて、そのテーマが「あなたが今残したいと思う沖縄の風景」の写真を撮ってきて〜とのことだった。

!?難しくない?!?!?!?

好きな風景はたくさんある。
過去の自分の写真を見返して、あ〜この瞬間胸キュン🫰っていうのはいくつもあった。
でも、「残したい」「今」「沖縄の」…

頭の中を整理しようとノートに書いた。
書いたけど、正直最初から心の中では1つあった。
どれだけ傲慢だったとしても、私が、絶対残したいと思う風景は決まっていた。

座間味に住み始めて、どんな木花よりも美しく堂々と咲き誇るテッポウユリに驚いた。沖縄の花のイメージはハイビスカスしかなかったから。
すごい数のテッポウユリが4月下旬頃から咲く。

なによりもこの花は、美江おばーの語りを思い出す大切な花。弟が亡くなった時、ユリが咲いていた時期だと覚えていたおばー。薪拾いのカゴにさして山を歩いていたんだって。

彼女の語りからはいつもあまりまわりの状況が見えてこない、たんたんと語るタイプ。
だから、おばーに起きたことと私が今いる場所が同じ場所だと想像するのは難しかった。
でもこのユリがおばーの口から語られたとき、やっと今の私の生きている時間と場所がおばーの生きた時代と繋がった気がした。


彼女もこのユリを見るたび弟のことを思い出したんだろうなぁ、そして私もこのユリを見るたびにおばーを思い出すんだろうなぁって。

だから絶対残したい風景。

…と、すごい自分の想い増し増しでこの写真を持って行った。
この写真じゃなくても、座間味のテッポウユリが写っていればそれでよかった。


ワークショップは自己紹介から始まり、
沙也加さんの講義の後、自分が持ってきた写真と向きあい、みんなで写真共有してディスカッションという流れだった。

講義、めっちゃおもしろかった!!
沙也加さんの写真を見ると、自分はそこに行ったことないのに、行ったことあるような、今まさに目の前にその景色があるような、夢の中を歩いているような不思議な感覚になる。
ような、ような、うるさいね、形容し難いんです…

なんでそんな感覚になるか不思議だったけど、今回お話を聞いて、少し納得した。

彼女の写真は、彼女の言葉を借りると「写真には写らないけど、背景にあるもの」を大切にしている。

写真を撮り終えたあと、家でじっくり自分の写真と向き合うそう。写真を撮った時には気づかなかった写っているものを箇条書きにする。自分の想いや、撮った時の状況も書く。写っているもの歴史や背景を調べ、考える。(言葉噛み砕いてます。)

そんなことしたことなかった!!!!
面白い!!!めちゃくちゃ面白い!!!
自分の写真、素人なりの構図とかしか考えたことなかった。なんとなーくいんじゃない?みたいな軽い感じでしか見たことなかった。

沙也加さんは
どの媒体よりも写真は1番じっくりと考えられるもの
止まっている時間の中でしか考えられないもの」とおっしゃった。

なるほど…
単純な私は、「写真好き!もっと撮る!考える!」と沙也加さんの言葉でドキドキと胸が高鳴っていた。

興味深い話ばかりでメモについていけないメモ

沙也加さんの講義のあと、自分の写真から言葉をHAVEする時間が設けられた。
周りから鉛筆の芯が机を叩く音がする。このBGM久しぶりで心地良いなぁと思いながら、私も一生懸命言葉をHAVEしようとした。
写真そのもの自体はこだわったものじゃないから、そんなに言葉出てこないかなぁと思ったけど、意外と見ていなかった事物があった。
「アダンの木もヤシの木も写っていたんだ」
「他の木々が沢山写ることによってユリの花が強調されてない?」「あーやっぱりあの時私はユリの花しか見ていなかったな」
「ユリの花言葉は?」
調べると「純潔、威厳」
…おばーやん!ちょっと泣きそう。
他にも色々言葉が出てきて、楽しい!

共有する時間で、まずその人の話を聞く前に、写真を見てコメントする時間があった。
みんなの写真、いくらでも言葉が出てくる。間違ってても良い、その写真の気になるところを言葉にしてみる。
それがこんなに面白いとは…
気を抜くと、人の話を遮ってでも口に出したくなったからグッと我慢して色んな人の言葉を聞いた。
私の写真にもみんな言葉にしてくれた。
やっぱり私の写真は説明する前と後での印象は全く違ったみたいで、自分の想い増し増しすぎる写真持ってきちゃったなぁ…と。

最後に1人1人の写真に沙也加さんがコメントを下さった。
「ユリの花が横顔にも見えて、こうやって話をしていたのかなぁって想像しました」

泣きそうになったのをグッと堪えた。
ユリの花はおばーの語りを思い出す存在だったのに、おばーの姿まで思い出すものになった。

おばーとわたしの記憶


ワークショップから島に帰ってきて、今日何枚か写真を撮った。いつもなら撮った写真をじっくり見ることはないけど、見てみた。

クバの葉の下を通っている時に、緑が綺麗だなぁと思って撮った写真。
見返していると、重なった葉の影の部分がくっきりと写っていて少し怖いな…手みたいだなぁと考えている時に、ある人の戦争の記憶を思い出した。「集団自決」の時、クバの葉で首を絞めようとしたという話。

クバの葉は人間に色んなことで使われている。明日は御嶽登りがあるから、座布団代わりにみんなに使われると思う。
座布団になったり、織られてカゴになったり、扇子になったり。そう考えていると、写真の影が重なっている部分がカゴっぽく見えてきたな…
怖く見えた手の部分も、人の手がこの葉っぱを物に作り上げる美しい手にもみえる。

一枚の写真から、言葉が溢れてくる。
楽しい。
私はこの島に住んで、まだそんなに年数は経っていない。でも人より少しだけ、この島の人の記憶を聞いてきた。だからこそ一枚の写真から溢れる言葉もキャッチしやすくなってるのでは!?と思って嬉しくなった。今後も気になる写真があるたび、よりその写真の空間を広げていきたいと思う。

本当に、素敵な、自分の心が豊かになるワークショップでした♪

第2回、3回と続くみたいなので、気になる方はぜひ!「あなたの沖縄」チェックしてね🫰

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