旅に使うオートバイを考える①
学生時代、友人の狭いアパートでテレビ画面に2人で齧りついている。
流している映画は「イージー・ライダー」。
カスタムされたチョッパーのハーレーに跨った2人が旅に出る話。
言わずと知れたロードムービーの金字塔。
若い頃の私はこれこそ自由だ!と鼻息を荒くしていたが、時を経ていざ自分が旅に使ったオートバイはチョッパーでも何でもない250ccだった。
GB250クラブマン。
小型軽量高回転の3K大好きホンダさんが何故かクラシカルな外見に見合わないDOHCセミカムギアトレーンのエンジンを積んでくれたお陰で、やたらと高回転型のバイク。
過走行やオイル管理が悪い個体は、カムチェーンのセンターカムギアのシャフトが振れてシリンダーヘッドを削りオイル漏れを生じる。
鳥取県の米子市辺りでキャンプをして、翌朝早く国道9号線を北上していた時、60km/hの道路なのに地元車が100km/h超で流れており余りに煽られるので頭に来て全開にしたら盛大にオイルを吹いた。ジーンズにかかって熱いったらない。
バイク乗りのおまじないみたいな言葉に、
「漏れてるうちは入っている証拠」
と言うものがあるが、まさにこれである。漏れてるものは仕方ない。
本当にオイルを足しながらその後も走った。
北上を続け、埼玉の友人が住むアパートの駐車場で大手術が行われて、オイル漏れは止まった。
とても良いバイクだったが、一つだけ気に食わないのは6速ミッションだ。
ガチャガチャとシフト操作が気忙しい。
この形のクラブマンは15Lタンクなので、一度ガソリンを満タンにしたら、500km近く走る。
調子に乗って本当に休憩も取らずに一日中走っていたら振動障害で白蝋病になった。
※リンク先は一部ショッキングな画像を含みます
調子に乗ってレーシングキャブレターを組んでしまったが故に、雨でも風でも乗れるモノでは無くなってしまったが、時間があればもう一度きちんとやり直して乗ろうと思っている。
現在は倉庫で冬眠中。
いくらツーリングとは言え、走れ過ぎてしまうのも考え物だと気付かせてくれた大事な相棒。
それはセパハンだろうがバックステップだろうが変わらなかった。
なんだったら前輪の泥除けすら無いので水溜りなぞあれば地獄なのだが。
要は乗っていて楽しい事。
どんなアクシデントも不思議と笑ってしまうような。
どこまでも行ける!と初めて思ったけれど、
いつまでも行ける!訳では無かったオートバイの話。
ヘッダーの画像は2016年、埼玉の友人と初詣に伊勢神宮に行こう!と三重県鳥羽市のキャンプ場に現地集合した時の写真。
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