モラハラ、デートDVから抜け出した時のエピソード
今から5年前、およそ2年ほど付き合ったモラハラ&デートDV男から抜け出した時のことを思い出して記録しておく。
まず、私は最初の頃から相手の男ことを心底信頼していたわけではなかった。その男が聞いてもいない過去の女遍歴を語り、振られた自分を悲劇のヒロインかのように語る姿を見ながらどこか違和感を覚えてはいた。しかし当時の私はまだ男性と付き合った経験がなく、その違和感をそのまま流してしまっていた。憧れていた恋愛ができるワクワク感やドキドキ感に完全に入り込んでいた。この男と付き合った間にあった様々な出来事はのちに語ろうと思う。
男と付き合って2年が経過した頃、私はもう精神的にかなりのダメージを受けていて、明らかに向こうが自己中なだけなのに、着いていけない私がおかしいのかという考えに苛まれていた。でもなぜこんなに辛いのか。これが恋愛なのか?そう疑問をずっと抱いていた。私はそれまでその疑問を母親に電話で相談していた。しかし、私の母も父と付き合った経験しかなく、しかも私の父親も実はモラハラ男だったので、今思えば完全に相談相手を間違えていた(笑)そんな私が別れることができたのは、皮肉にも父が『別れなさい』と言ってくれたからだった。父の言葉に母が心を傷つけられて苦しんでいる姿を見て成長した私は、高校生の頃に父に猛反発するようになり、距離のある関係だったので、父に恋愛相談をしたことはなかった。しかし、母も私があまりにも精神不安定になっていて、これは自分ではダメだ、と思ったらしく、父に電話を代わってくれた。私は父に、自分が相手に言われた発言の一部を伝えた。『こんな人としてできて当たり前のこともできないの?』『あなたができてないから言ってあげてるんだよ?』など。『私は苦しくて辛い。でも私がおかしいの?』と相談した。すると、父はこう言った。
『あー、、、あのな、こんなこと言うのもなんやけどな、そいつはオレと似てるわ。もうな、やめときなさい。別れなさい。そんな奴と付き合ってても楽しくないやろ。すぐに別れなさい。仲の良い友達と遊んだ方がよっぽど楽しいやろ。時間がもったいないわ。』
私はこの言葉で『うん、もういい。別れよう。』と心を決めた。そこからはどうやって別れれば良いかを必死に考えた。もう耐えなくて良いんだ。解放されるんだと思ったら一刻も早く別れたかった。でも同時に上手く別れられなかったらどうしようと不安にもなった。実は相手にいつの間に性的な写真も撮られてしまっていたり、相手の家に自分の荷物が一部置かれたままだった。それはどう取り返せば良いいか、相手が逆情してきたらどうしよう…。(同じ職場だったので)脅されたらどうしよう…。と不安でいっぱいになった。そこで私は6つ年上の兄に相談した。どう言う風に別れれば上手くいくだろうか、と。兄からのアドバイスで、まずは敬語で『大事な話があるので時間を作っていただけますか?』とラインした。実はこの段階で相手から『え?なに?別れ話でもするつもり?』と返信がきたので驚いたが、『そうです。』と返した。すると(記憶が朧げだけど)『ふーん、そ。で、いつどこで話をするわけ?』と返ってきた。私が日時を提案すると、『無理。その日は予定がある。』というような返しがあり、引き伸ばそうとするような感じだったので、なんとかこのあたりで時間を作って欲しいと言うようなことを送った。すると、『お前、人のことなんだと思ってんの?何様だよ。』みたいな感じの攻撃的なラインがいくつか返ってきた。この時の私は震えながらLINEをしていたと思う。怖かったけど、同時にこの人は本当にヤバイ、これが本性だったんだ、と冷静に受け取ってもいた。早くこの人から逃げなきゃ。どうして今まで気づかなかったんだろう、、と。その後も超丁寧口調でビジネスメールのような感じでLINEを続け、なんとか日時と場所を決め、約束を取り付けた。場所は兄からのアドバイスで自分の家からは離れたファミレスにした。周りに人がいる環境にしないと相手がどんな態度を出してくるか、何してくるかわからないので、必ず人の目が側にある環境にした方がいいと言われたからだ。これは大正解だった。
約束の日、私は早めにファミレスに到着し、飲み物を注文して相手の到着を待った。時間通りに相手はやってきた。ズンズンと勢いよく睨むような目つきをらしながら私のテーブルに近づいてきた。明らかに私をまだ抑え込んでやろうと言う気が感じられた。少し怖い気持ちも湧いたが、周囲に人がいることで安心できた。また、相手がそのような態度に来るかもしれないと想定していたのも良かったと思う。何があっても別れると覚悟を決めていたから怯まないと自分に言い聞かせた。私は『本日はお忙しいところお時間を作っていただきありがとうございます。』と取引先をもてなすかの如く、超丁寧口調で口火を切った。確か立ち上がって一礼もした気がする。相手はニヤリとした顔でこちらを見ながら座り、私と同じ飲み物を注文すると、『で?何?』と一言。私は『もうあなたの要求に応えるのに疲れました。私にはその要求に応えるだけの能力はないし、できるように努力する気もありません。あなた要求を叶えてくれるレベルの高い女性を見つけてください。もう無理です。』と言った。
すると男は『疲れたって、それはあなたが弱いからでしょ?あなたの弱さを俺のせいにしないでよ。』と言ってきた。私はこの時点で既に洗脳が解けてきていたので、何言ってんだこいつと心の中でつぶやき、その場でふふんっと笑ってしまった。あ、まずいと思ったが、なぜか相手もニヤついてた。笑
心の中でセーフとおもいながら、その言葉に対して私は腕組みをしながら『えー、いや、そうかなぁ〜?笑』と首を傾げた。相手は頷きながら『うん、そうだよ』と返した。きっとこの言葉で洗脳できたと思ってたんだろうな、あほめ。笑
私はそれを無視して『私はそうは思わないな〜。まぁ、それなら私はこのまま弱いまんまでいいです。私には無理なんで。あなたの要求に見合う相性の良い人を見つけてください。あなたなら見つかると思うので。』と、完全に開き直り&相手をヨイショする感じで返し続けた。
『あー、そうですね、そうですね。おっしゃる通りです。なんとでも言ってもらって構わないっす。どう思われようが何言われようが変わる気ないんで。私はこのままの自分を好きになってくれる人を探しますんで。お互いに時間と労力がもったいないじゃないですし。』みたいな感じで。
それでなんとか最後は相手が『…。ほんとにいいの?別れて?あなたは頑固だから意思が変わらないと思うから。もういいや。』と言って幕引きした。最後までこちらを落とす感じの物言いだったが、洗脳することを諦めてくれましたのでどうでもよかった。このあと本当は先に帰ってもらいたかったが、そうはいかず、一緒に出ると言うので仕方なくレジへ行き、男がファミレスのドリンク代2人分を奢ると言って支払いをし、店を出た。(付き合ってる間はガソリン代すらも全て割り勘だったくせにな笑)
店前で『じゃあ』と別れたのだが、私が『あー!ようやく終わった!』と駐車場で1人達成感を噛み締めていたら、なぜか背後にいてめちゃめちゃビビりました。笑 いや、なんで戻ってきとんねん。はよ帰れや気持ち悪っ!と思った。笑 こわいよねふつうに。
そして、まだ最後に荷物の受け渡しが残っていたことを忘れてはいけない。家に送ってくれと頼んだが、向こうがどうしても直接渡したいというので仕方なくもう一回だけ会った。男が車で私の家の前まで来てそこで荷物を受け取った。案の定最後の悪あがきがあって、『ねぇ、ほんとにいいの?ってかなんでなの?わかんないんだけど?俺の親にも伝えたらさ、すごい残念がってたよ。あーあ、この2年全部無駄だったよ』などと好き放題言ってやがりました。
なんとかして荷物送って貰えばよかったな…と反省した。私は『ハイハイ、どうもすみませんね。もういいすか?』みたいな感じで返してなんとか無事に終わることができました。
少し苦労したけど、思ってたほどこじれなかったので良かった。その後、性的な写真を撮られたことを勇気を出して親にも相談し、もし何か脅されるようなこととかあればこちらも黙っちゃいないぜ、と戦う意を決し、私は今も職場も辞めることなく働いております。同じフロアにいるから毎日目にするし、廊下ですれ違うこともあるけど、まっすぐ前を向いて『いつでもかかってこいや』と言うスタンスで過ごしております。なんなら今となっては『あ、そういえばおったなコイツ』ってなるくらいに存在も忘れてるんだけども。ちなみに相手は彼女がいると言うことすら誰にも言わないから、と付き合い始めの段階で私に対して宣言していたので、周りの人間はほぼ知らない。ただ、あとで男が自分の後輩の子に私と付き合っていることを漏らしていたことがわかり、マジでぶっ殺してやろうかと思ったけど、もう私的にはバレても痛くも痒くもないし、いざとなったら向こうのヤバさを暴露してやろうと思っていたので、どうでもいいやって感じでした。どうせ漏らしてるんだろうな、と薄々思ってたし。そんなこんなで今に至ります。情けないことに避妊をきちんとしてもらえないこともあったので万が一のことがあったら…親にも相談し、不安だったけど、生理がいつも通りきたので安堵した。これに関しては流されてしまった、ちゃんと拒否できなかった自分が心の底から情けなかった。なんて馬鹿だったんだろうと。あの時の自分、ごめんね。嫌だったね。
そして、私は相手に復讐するため、絶対に幸せになって、その姿を見せつけてやろうと決心した。
そこからはアプローチされるのを待つだけの女だったことを反省して、自分から信頼できる男性を見つけてアプローチすることにした。この人といると安心できる、飾らない自分でいられる、自分に自信が持てる、自分のことが好きになれる、ちゃんと意見が言える、心地良いペースでお付き合いができる、そんな相手を見つけられた。
今お付き合いしている人がいたり、コレから恋愛、結婚をしようと思っている全ての女性に、私と同じような思いをしてほしくないです。大事な自分を自分で信じられなくなる、そんな気持ちにするような相手に縋ってはダメ。相手を見下したり雑に扱う人間と一緒にいる時間がもったいない。
女性には人一倍自分を大事にしてほしい。子どもを宿し産む命に関わるリスクを持っているのだから。いざとなったら責任を取ってくれるかわからない、口ではなんとでも言えるもんね。だって男にはなんのリスクもないんだから。いざとなったときにどれだけ不安で悲しい思いをするか、ちゃんと考えてほしいです。