狩猟採集小遣い稼ぎ
自分の子供達には風呂掃除や玄関掃除、コンビニへのお使いを家庭内アルバイトとして小遣いをあげている私だが、私が子供の頃の小遣い稼ぎはだいぶ様子が違った。
イナゴをペットボトル一本分、フキノトウをザル一皿、食用菊フゴ(カゴ)一杯。などなど、食料を集めてはそれらを換金するのだ。
原始的狩猟採集である。換金屋はもちろん我がばあちゃんだ。
特に思い出すのはイナゴ狩り。兄と田んぼに入って行くとあちこちに稲を食い荒らす憎き奴の姿が見えるので、片っ端から素手で捕まえる。玄人の子供に網なんかいらんのだ。一匹ずつコーラのペットボトルの口からつっこみ、出てこないよう親指を当てて塞いでおく。ペットボトルの中でバチッバチッと最後の抵抗をみせるイナゴ達。
さらば害虫。ようこそ佃煮。
ばあちゃんに渡すと「おっ。こだい取ったのが(おっこんなにとったのか)」と言っては頭を撫でて労働への対価をくれた。それを握りしめて近所に一軒しかない駄菓子屋へ走り、思う存分豪遊するのだ。
そしてすっかり佃煮へと姿を変えたイナゴをおかずに白い炊き立てのご飯を腹一杯食べるのだった。
自分の子供達にもやらせてみたいもんだが、すっかりシティボーイ化してしまっておそらく難しいだろう。