珪藻土マットを干せない女。

皆さんのご家庭にはあるだろうか?
珪藻土マットとは、シャワーを浴び、ずぶ濡れで着地しても、「スーーーッ」と水を吸い、足跡さえも消える魔法のマットのことである。

現在一人暮らしをしている私が、初めて魔法のマットに出会ったのは実家で暮らしている時だった。
今まであった、干からびたタオル地のマットが撤去され、白い板が鎮座していたのである。

父が得意げに、珪藻土とは何かを語っていたのを思い出したが、結局のところ珪藻土が何なのかはいまだに理解はしていない。

しかしまぁ、4番目にお風呂から出た時のビチャビチャマットの感触を忘れるほどに、魔法のマットは素敵だったのである。本当にサラッサラなんですよ。

そんな魔法のマットにも弱点はあった。
なんと使用後に立てかけて干さないといけないのだ。

面倒くさい。

世の中には、おしゃれな「珪藻土マット立て」も用意されているほどで、どれだけの人々がこのマットに魅了されているのかを感じつつ、しかし私はマットを干せないのであった。

きっとこの、魔法のマットを干せるような素敵な女性になるころ、魔法の絨毯に乗った王子様が私を迎えにきてくれるのだろう。

王子様のお迎えには、まだ時間がかかりそうだ。

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