第2回大文研実態調査~サブスクリプションの利用率~
先日実施した「第1回大文研実態調査」では、部員のゲーム機の保有状況について調査しました。
第2回大文研実態調査では、「サブスクリプション」についての調査を実施しました。
調査結果の重要なポイントは以下の通りです。
・部員の約85%が何らかのサブスクリプションを利用している。(家族が料金を負担している場合を含む。)
・Amzon・プライムビデオは約4割、Nintendo Swich Onlineは約3割の部員が利用しているが、その他のサービス(有料)の利用率は2割以下である。
・音楽配信サービスの無料会員ではSpotifyの利用率が最も高い。
序論:「サブスクリプション」とは?
まず、「サブスクリプション」の意味を事典で調べました。
サブスクリプション(subscription)
消費者が財やサービスを購入するに当たって、具体物としての財の数やサービスの量、回数ではなく、それらを一定期間利用したり享受したりする権限の提供を受け、その資格を期間中保持することに対して対価を支払う契約のこと。元々は雑誌などの定期購読や予約代金などを意味するが、コンピューターソフトの年間契約使用料や音楽配信サービスの定額利用料などの支払いに関する契約に広くとり入れられ始めた。日本では主に後者の契約形態や支払い方式の呼称として用いられている。(後略)
(出典:知恵蔵)
「知恵蔵」の記載を要約すると、「サブスクリプション」とは定額利用料を支払って、サービスを一定期間利用する権限を得る契約だと定義できると思います。「サブスク」と略されることも多いです。
現在、サブスクは、音楽、動画、電子書籍、ゲーム、恋愛、コスメ、バッグ、アクセサリー、洋服、カメラ、コンタクトレンズ、ラーメン、自動車など様々な分野に広がっています。以下のサイトでは様々な分野における代表的なサブスクが紹介されています。
この5年程度でサブスクが急速に普及しました。その理由が以下の記事で解説されています。
この記事では、サブスクが普及した背景には、モノの「所有から利用へ」という変化があるとしています。この変化が起きた理由として、以下の3点が挙げられています。
1.主に経済的な理由からモノを買えなくなった。若い世代ほど厳しい経済環境にある。
2.モノを買わなくてもすむようになった。デジタル化が進み、かつては所有するものと考えられたモノでも、必要な時に必要な量だけ利用できるようになった。
3.モノよりもサービス(コト)を買うようになった。モノを買うよりも通信サービスやイベントなどに費やすなど、お金の使い道が変わった。
今後もデジタル化が進み、モノよりもサービス需要が強いことを考えると、サブスクはさらに普及していくと考えられます。
今回の調査では、若い世代を中心に急速に普及しているサブスクの大文研における利用実態を明らかにすることを目指しました。
方法
【目的】名古屋市立大学大衆文化研究会(以下、大文研)の部員の実態を明らかにし、活動を実施するのうえでの基礎資料とするため。
【調査方法】Googleフォームによるオンライン調査
【調査内容】性別、自宅生/下宿生、サブスクの利用状況
【調査期間】2020年11月5日(土)~2020年11月19日(木)
【回答率】68%(部員50人中34人が回答)
結果(1):動画配信サービスの利用状況
まずは動画配信サービスの利用状況について検討しました。
「Amazonプライム・ビデオ」が他のサービスを大きく引き離して最も多くの部員に利用されていることが分かりました。
Amazonプライムの年会費が安く(月額約408円、学生は月額約204円)、ビデオだけではなく無料配送などの様々なサービスが利用できることが原因だと考えられます。
部員のうち約6割が何らかの動画配信サービスを利用していました。
インプレスの調査(2020年)では、約2割の人が定額制の動画配信サービスを利用したという結果が出ています。このことから、大文研の部員は動画配信サービスをよく使っていると考えられます。
Amazonプライム・ビデオの利用率が突出している傾向は同じでした。
各動画配信サービスの特徴は以下の記事で解説しています。
結果(2):動画サイトの有料会員の利用状況
続いて動画サイトの有料会員の利用状況について検討しました。今回はYouTube、ニコニコ動画、OPENRECについて調べました。
これらの有料会員に登録している人は少なく、利用経験がある人も少ないことが分かりました。おそらく無料会員で利用している人が多数であることが推測されます。
ニコニコ動画のプレミアム会員は2016年9月末に最大の約256万人でしたが、現在まで減少が続き2020年9月末に約159万人となっています。一方でニコニコ動画のチャンネル会員は順調に増加し、2020年9月末で約120万人となっています。
本調査の結果では、チャンネル会員の方が多い傾向となっています。
結果(3):音楽配信サービスの利用状況
次に音楽配信サービスの利用状況について検討しました。
有料会員だと「Apple Music」が最も多いです。iPhoneなどのアップル製デバイスとの相性が良い、学生プランやファミリープランが用意されていることが利用率が高い原因だと考えられます。
無料会員では「Spotify」の利用率が高いです。途中に広告が流れるなどの制限がありますが、無料会員でも全曲を聴くことができるのが利点です。
音楽配信サービスについても後日、解説記事を作成する予定です。
部員のうち、何らかの有料音楽配信サービスを利用している人は35%、無料音楽配信サービスを利用している人は26%でした。
ICT総研の調査(2019年)によると、有料サービス利用率が14.4%、無料サービス利用率が12.5%であったことから、大文研の部員は比較的よく音楽配信サービスを使っていると考えられます。
結果(4):その他のサブスクの利用状況
動画や音楽以外のサブスクの利用状況について検討しました。
Nintendo Switchのオンライン対戦等に必要な「Nintendo Switch Online」の加入率が約35%で最も高いです。
次に高かったのはソシャゲの月額課金サービスでした。
結果(5):男女別、自宅・下宿別での分析
最後に部員が5人以上利用していたサービスについて、男女別及び自宅・下宿別での分析を実施しました。
男性の方が「Amazon・プライムビデオ」と「Nintendo Switch Online」の利用率が高いです。「Nintendo Switch Online」の利用率が高いのは、男性の方がNintendo Switchの保有率が高いからだと考えられます。
自宅生の方が「Amazon・プライムビデオ」の利用率が高いです。同居する家族がAmazonプライムに加入している場合が多いのではないでしょうか。
下宿生では「LINE Music」の利用率が高いですが、その原因はよく分からないです。
まとめ
全項目を分析したところ、部員の約85%が何らかのサブスクリプションを利用している(家族負担を含む)ことが明らかになりました。
ただ、Amzon・プライムビデオ(約4割)、Nintendo Swich Online(約3割)以外のサービスは利用率が2割を下回っており、部員一人ひとりが適切なサービスを選択して賢く利用している可能性が示唆されました。
Amazon・プライムビデオの利用率が高いため、大文研内で「ウォッチパーティ」を実施することも可能だと思われます。
ウォッチパーティでは、プライム会員であればオンラインで同じ作品を視聴しながら、最大100人とチャットをすることができます。
「第3回大文研実態調査」では、「鬼滅の刃」履修率とソシャゲについて調査する予定です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
(文責:ざっくぅ)
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