2024/9/11 UEFA Nations League オランダ対ドイツ 雑感
※素人のオランダ目線での雑感です。
先日のボスニア戦で多くのポジティブな要素を与えてくれたOranjeは、そのポジティブさが本当に本物なのかを証明する機会を、強国ドイツ相手に早くも得ることになった。
ボスニア戦以前からの宣言通りZirkzeeに変えてBrobbeyを起用してきたことに当然驚きはなかったが、大失態を犯し変えてくるだろうと思われていたDe Ligtのスタメンについては驚いた。自信を回復する試合になればとKoemanは考えたのだろうが、残念ながらその目論見は上手くいかず・・・。
開始早々にVerbruggenからのロングボールを素晴らしい形で繋ぎ先制するも、De Ligtがまたしても失態を犯し同点に追いつかれ、Akeが負傷交代となり緊急出場となったJ.TimberとVan Dijkは大外を見切れず前半の内に逆転を許すことに。
後半、さすがに諦められたDe Ligtに代わりVan Heckeがデビュー。そして前半から再三に渡り素晴らしいポストプレーを見せていたBrobbeyのパスから追いつくと、その後は拮抗した試合を見せお互いいくつかの見せ場は作るもののゴールは生まれず。引き分けで試合を終えた。
各選手評
Starting
GK
Verbruggen
開始早々素晴らしいロングボールから先制点のきっかけに。失点シーンはともにノーチャンス。それどころか、1失点目の最初のシュートを止めたのは良い反応だった。
DF
Ake Out 45'
今日も良いプレーを見せていたが、残念ながら前半途中で負傷し交代。
軽傷であることを祈る。
Van Dijk
全体的にはソツなくこなした。
ただ2失点目のシーンは大外を見るのはJ.Timberの仕事ではあったが、彼にももっとできることは間違いなくあった。
De Ligt Out 45'
ボスニア戦の失態を取り返す機会を貰ったが、絶対失敗してはいけないシーンで見事にビルドアップに失敗。ドイツの同点ゴールのきっかけになると、さすがに諦められて後半の頭に交代。
今後クラブでよっぽど素晴らしいパフォーマンスを見せない限り、スタメンで出る機会は訪れないでしょう。
Dumfries
前半にフリーで放ったヘディングシュートは枠に飛ばして欲しかったが、後半、Brobbeyの粘りに答え同点ゴールを記録。
しかしながら守備面では相手を離してしまうことも多く、寄せが遅くなり危険なシーンも何度か作られた。2失点目は顕著な例。
MF
Schouten Out 45'
良い意味でも悪い意味でも目立たず。前半のみで交代となったが、小さなケガの模様。
Gravenberch
ボスニア戦に続き素晴らしいパフォーマンスで中盤に君臨。
特にSimonsに通したパスは本当に美しい軌跡を描いていたが、残念ながらゴールには繋がらず。
引き続きクラブでも好調を維持して、更なるクオリティの向上に期待したい。
Reijnders
ボスニア戦の雑感でも書いた通り、裏へのオフザボールはこの試合でも健在だった。試合開始すぐに実ったのは偶然ではない。
危険なボールロストのシーンもあったが、全体的には良いパフォーマンスだった。
FW
Gakpo
残念ながら良い見せ場は作れず。切り込んでいくシーンも何度かあったが、ドイツの守備ブロックの前に跳ね返され続け、あくまでチームの一員でしかなかった。
Simons Out 74'
要所要所で良いプレイを見せていたし、Dumfriesの同点弾を引き出したBrobbeyへのパスは動きを見逃さなかった彼の長所。
しかしもう少し守備強度は欲しい。
Brobbey Out 82'
予定通りZirkzeeに代わり出番を得たが、素晴らしいパフォーマンスで攻撃を牽引した。
常にTahを背負いながらもボールを納め続け、相手にとっての脅威となり続けた。Tahが前半で下がったのは間違いなく彼の力によるもの。
しかしながら自身で放ったシュートはお粗末。これは明確に改善が必要。
Sub
J.Timber In 45'
ケガをしたAkeに代わり急遽出場。さすがに投入直後には試合のテンションに入り切れず、大外から入り込んだKimmichに付いて行ききらず2失点目の要因の一つに。
しかし後半はしっかり立て直しチームを支えた。
Q.Timber In 45'
後半開始から出場し、Schoutenと違う力強いドリブル等でチームの推進力となった。
彼もまた選択肢の一つとなれるだけの力を見せた。
Van Hecke In 45'
De Ligtに代わり代表デビュー。ぎこちなさは見て取れたが、無難にこなしデビュー戦としてはまずまずか。
ただビルドアップは明確に改善の余地あり。
Geertruida In 74'
Simonsに代わり出場。自分の仕事はこなしたが、特にこれと言ったことはなし。
Weghorst In 82'
素晴らしい活躍だったBrobbeyに代わり出場したが、時間も短く特筆できることはなし。
EURO後の代表初戦としては、EUROであれだけ困っていた中央の展開にZirkzee、Brobbeyがそれぞれ違う形で良い色を付けてくれ、攻撃面ではとてもポジティブな面を見せてくれました。個人的には彼らのそれぞれの特性は食い合わず、噛み合うものだと思うのでBrobbeyを9番、Zirkzeeを10番でも見てみたい気もします。守備面を熟考しなければならないとは思いますが。
逆に守備面はなぜEUROでDe Ligtが使われなかったのかをハッキリと示してしまうことになりました。
De Ligtには申し訳ないですが、今オランダのCBはとても人材豊富で、代わりとなる候補が非常にたくさんいる状況です。彼が今後も代表の座を保持したいのであれば、クラブレベルでよほど素晴らしいパフォーマンスを見せ、一皮も二皮も剥けてくれないと厳しいものがあると思います。
今回はさまざまな事情があり呼ばれなかったメンバーもまだまだいます。呼ばれたメンバーに限らず、彼らも良いプレーを見せ、良い意味でKoemanがメンバー選考にさらに頭を悩ませる状況になってくれればうれしく思います。
また来月にもNations Leagueがあります。その時までに各選手がケガなく、良いパフォーマンスを維持してくれることを願います。
次戦は10/12(土) ハンガリー戦です。