2024/9/8 UEFA Nations League オランダ対ボスニア・ヘルツェゴビナ 雑感

※素人のオランダ目線での雑感です。

EUROで20年ぶりの準決勝進出を果たしながらも残念ながらイングランドの前に夢破れ、未来に向けて再出発となるオランダの初戦は、数々のポジティブな側面を見せてくれながらも、決して少なくはないネガティブな面も同居する試合となった。

Startingを見れば、EUROから変わったのは3名のみ。
De Vrij → De Ligt
Veerman → Gravenberch
Menphis → Zirkzee
このうちDe VrijからDe Ligtへの交代は単純に世代交代。Gravenberchはクラブでの好調故。ZirkzeeはMenphisが召集時には所属クラブがなく、プレーしていないことから今回のメンバーに選ばれなかったことによるもの。(なお、現時点ではブラジルのCorinthiansとの契約が発表されました。)
当然彼ら3人には期待がかかるが、その出来には完全に明暗が分かれてしまった。

各選手評
Starting
GK
Verbruggen
2失点したが、どちらも彼にはノーチャンス。2失点目はDe Ligtが彼に向ってアピールしていたが、どうみてもDe Ligtが処理すべきボール。あんな形でシュートを打たれることになった彼は被害者。
ビルドアップ面でもEUROに引き続き良いものを見せており、今後も期待。

DF
Ake Out 66’
守備面もさることながら、今日はビルドアップの面が本当に素晴らしかった。もはや特に言うこともない。

Van Dijk
2失点の責任の多くはDe Ligtにあるが、1失点目は彼も責任はなくはない。
EUROでは彼が他の2人とのライン統率に悪影響となることが多かったが、今日は彼が被害者だった。

De Ligt
多くの場面で1人だけラインを下げ過ぎピンチを招き、2失点とも相手FWの動きについていききれず失点の直接の要因となった。
ビルドアップの面では時折良いパスを提供していたが、本業の守備面でこんなにも酷いパフォーマンスを見せられてはたまったものではない。残念ながら、この試合の少なくないネガティブ要素の多くを担うことになってしまった。

Dumfries Out 66’
変わらずパワーとフィジカルでチームにもたらせるものを可能な限りもたらそうと努力していたが、細かい部分での粗さは変わらず。
左のAkeとは違う形で大切ではあるが、もう少し技術は欲しい。

MF
Schouten Out 83’
EUROに引き続き、求められているものにしっかりと答えた良いパフォーマンスだった。
今日は中盤の他の2名のパフォーマンスが素晴らしく、彼らほど目立てはしなかったが、彼らを支えたのは間違いなく彼。

Gravenberch
クラブでの好調をそのまま持ち込んだ素晴らしいパフォーマンスで、チームの歯車の中心になり続けた。
今日の彼を継続できるのならば、Frenkieが帰って来たとてそうそう彼にポジションを明け渡すようなことにはならない。ハッキリとそう言えるパフォーマンスだった。

Reijnders
EUROの時もそうだったが、このポジションで起用された際の彼の裏を狙うオフザボールの動きはとても良い。
その動きも今までは上手く使ってもらえないシーンが多かったが、今日はZirkzeeと言う最高の相棒を得て水を得た魚。Gravenberchに勝るとも劣らない素晴らしいパフォーマンスだった。
EUROの時にもう一つ下がった位置が好みとは言っていたが、正直この位置を争った方が良いと思う。

FW
Gakpo Out 66’
EUROに比べると少し大人しかったが、それでも十分に良いパフォーマンスを見せてくれた。

Zirkzee Out 74’
EUROのあまりにも短い出場時間は考慮できるとは言えず、実質彼のデビュー戦と言っても差し支えない試合において、チームの最初のゴールを決め、2点目のゴールをアシストし、その後も前線の潤滑油として素晴らしい結果をもたらしてくれた。
しかしながら相手の2点目は彼のやや軽率なパスミスから。それ以外にもちょくちょく合わないシーンも見受けられたので、コンビネーションの面はもっと向上が必要か。
次戦はもう一人の候補であるBrobbeyの起用が明言されていますが、よほどの出来を見せない限り彼が1stチョイスになっていくだろう。

Simons
EUROの時と同じように右でスタートし、インサイドに入りながらプレーした。
スモールスペースに顔を出しながら受け、確かな技術で次を提供し続けた。
最後にゴールを決められたのはしっかりと仕事をやりきった彼へのご褒美。

Sub
Geertruida In 66’
Dumfriesに代わり出場し、同時に前にMalenが入ったため攻め上がりはあまり見られなかった。
彼が中盤に入る形のビルドアップも以前試していたし、その形が活きる場面も今後出てくると思うので、当然試合展開にもよるがまた見てみたい。

J.Tinber In 66’
Akeに代わり出場。さすがにAkeほどのパス面での貢献はなかったが、時にドリブルで仕掛けAkeとは違った形でビルドアップに貢献した。変化がつけられる人財がいるのは良いこと。

Malen In 66’
Gakpoに代わり登場。Simonsが左に回り彼が右に入った。
裏を狙うオフザボールからSimonsのダメ押しゴールをアシストした。

Weghorst In 74’
今日も交代で出場。精力的に動き、良いところに顔を出していた。
Q.Tinberのミドルのこぼれ球を押し込みゴールも決めた。

Q.Tinber In 83’
出場時間は短かったが、しっかりとボールを追いかけ奪い、ミドルシュートからWeghorstのゴールを実質アシストした。

細かい改善点と、ハッキリと残念だったDe Ligtのパフォーマンス以外はポジティブな面の多い、5-2と言うスコアが示す通りの試合でした。
EUROで全く出番のなかったGravenberch、Zirkzeeがここまでのものを示せたのは完全に嬉しい誤算。同じく出番のなかったDe Ligtは悲しい誤算。
特にDe Ligtに関してはどんどんどんどん立場が苦しくなっています。今回はケガで離脱したVan de Venや、呼ばれていないBotmanなど、今オランダのCBは人を持て余していると言ってもいいくらい人財がいますから。
今日の出来ではドイツ戦で彼の出番はないでしょうから、クラブに戻ってまた1から立て直し、かつて期待された彼の姿に少しでも近づいて欲しいものです。

次戦は日本時間9/11 3:45 ドイツ戦です。

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