2024/10/12 UEFA Nations League オランダ対ハンガリー 雑感

前回のNations Leagueでいくつかのポジティブな要素を見せ、今後に向け期待を抱けたOranjeの今後に向けた一戦は、改めて課題を明示させられる一戦となった。
試合開始から引き気味に試合を進めるハンガリーに対して、Oranjeはボールを持ち試合を進めていくが、効果的な形を作るには至らず「ボールを持たされる」形と言っていい状況を変えられず。その中でZirkzeeの雑なパスをReijndersが処理し損ね奪われると、相手の速い攻撃に大外の相手を見切れず失点。
そこからは当然さらに後ろ重心となったハンガリーに苦しめられながらもいくつか良い崩しを見せ、時にチャンスは作ったものの決めきれずにいると、苛立ちを隠せないVan Dijkが1枚イエローを貰っている選手がやっていいわけのない軽率なファールで2枚目を貰い退場。
このまま絶望の夜となってしまうのかと思った矢先、セットプレーから起死回生の同点ゴールをDumfriesが叩き込むと、そこからは数的不利の状況も鑑みてか引き分け狙いにシフト。ハンガリーに押し込まれつつも決定機は作らせず、最低限の勝ち点を手にした。

各選手評
Starting
GK
Verbruggen
失点シーンはあれだけフリーで合わせられては防ぎようもない。
基本的にチームが押し込み続けたこともあり、それ以外の見せ場が特になかった。

DF
Van de Ven
ケガで戦列を離れているAkeに代わりStartingに名を連ねた。
大外を見切れなかったシーンはどう考えても奪われ方が良くなかったので、彼だけの責任ではない。ただちゃんと後ろにもう一人入ってきていることを認識する必要はあった。その他のシーンでは守備面は無難だった。
問題となったのは攻撃面。Akeほどのボールプレイングを期待するのは流石に酷だが、とは言えもう少し効果的なパスを前線に供給してほしい。残念ながら無難に終始した。

Van Dijk Sent off 79’
退場となるまでのパフォーマンスはいつも通りだったが、審判への抗議でイエローを貰った直後のプレーで軽率なファール。わずか3分で2枚のイエローを貰い退場となった。
2枚とも正直妥当と言えるカードで、試合後のインタビューでも色々言っていたが完全に自業自得以外の何物でもない。今日の彼はキャプテン失格。

De Vrij Out 75’
前回のNations League2試合で2試合とも不安定なパフォーマンスを見せてしまったDe Ligtに代わり、EUROで安定したパフォーマンスを見せた彼がStartingに返り咲き。今日も変わらず安定したパフォーマンスを見せた。

Dumfries
キャプテンの退場で苦しくなったチームを救ったのは、キャプテンマークを引き継いだ彼だった。GakpoのFKから殊勲の同点弾を決め、この苦しい夜に少しだけ救われる結果を残してくれた。
ただ全体としては良かったとは言えず。同点弾に目が眩んでしまうが、そもそももっとできたはず。

MF
Q.Timber Out 75’
前回Nations Leagueで良いプレーを見せた彼がケガのSchoutenに代わりスタメンに。だが今日はハンガリーの厚い中央の守備の前に彼の良さは出ず。

Gravenberch
Timberと同じく、ハンガリーの厚い守備の前に良さは出ず。

Reijnders
今日も良いオフザボールから素晴らしい抜け出しをいくつか見せたが、以前も話したようにシュートの時の彼は本当に中盤にいる彼と同一人物なのか疑いたくなるほど精度が低く、数回あったチャンスを全てフイにした。むしろ今日に関してはシュートどころかエリア内のボールコントロールすら怪しいシーンが見られ、彼がゴールに近づいても期待感を持てなかった。Zirkzeeとのコンビネーションは本当に良いが、抜け出したのが逆ならと思わずにいられなかった。

FW
Gakpo Out 89’
左サイドの彼にボールが入った瞬間、一人が縦を切り一人が中を切るを徹底され多くの場面で封殺された。それでも時にチャンスを作り出してはいたが、残念ながらゴールに繋がったのはFKのみだった。

Zirkzee Out 75’
小さなスペースで味方と連携し崩そうと言う狙いは見て取れたが、最後までは至れず。残念ながら雑なパスから失点の一つの要因になってしまった。
プレイを見ていても思うが、CFよりも0.5か1列下がった方が活きると思う。

Simons Out 81’
圧縮されたスペースの中で何かを示すことはできず。右にこだわらずある程度自由に動き回っていたが、効果的でもなく。彼をここで使い続けることに納得できるだけのものは何も見せられなかった。

Sub
Til In 75’
投入後すぐにVan Dijkが退場となったこともあり、前線からのチェイシングに追われる時間が多かった。試合展開的に評価できるようなものはなかった。

Malen In 75’
投入直後に素晴らしい抜け出しからチャンスになるかと思われたがファールで止められ、これに抗議をしたVan Dijkが1枚目のイエローを貰い、3分後の退場のきっかけに。彼は何も悪くないが。

Brobbey In 75’
Van Dijk退場後、しっかり背負い、押し込まれた味方に時間を作ってはいたが、引き分け狙いとなったチームではフォローも期待できず。チームのプラン変更により、評価できるほどのものはなし。

De Ligt In 81’
Van Dijkの退場により緊急出場。同点ゴール後押し込まれる展開をしっかり跳ね返した。

Hato In 89’
守備固めに出場。評価できるほどの時間はなかった。

ボールを持たされ、自分たちのミスから失点し、完全にハンガリーのプラン通りに事を進められながらもなんとか同点に持ち込んだことはポジティブですが、逆に言えばそれだけ。現状、Gakpo以外にドリブルでの打開力が本当になくて、そこを防がれると今日のようにボールを持たされるだけのOranjeがいつも出てきます。
ZirkzeeとReijndersのスモールスペースでのコンビネーションには本当に良いものを感じますが、この二人だけではだめで、本当ならここにSimonsが絡まないといけないのにどこにもいない。かと思えば時には近すぎて互いの使いたいところを食い合う。今のこの形を徹底していくことが本当に正解なのでしょうか?
次戦はVan Dijkは出られず、ZirkzeeではなくBrobbeyのStartingが明言されています。大きく変えてくるとは思いませんが、改めてのドイツ戦でどこまでやれるのか、見てみたいと思います。

次戦は日本時間10/15(月)3:45~です。

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