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初開催の学園祭「三燕祭」。学生主体となってつくったからこそ地域の行事になってほしい
ものづくりのまち、新潟の三条には多くの工場が集まり、たくさんのつくり手たちが活躍しています。しかし、ここはものづくりだけのまちではありません。個性豊かな事業にチャレンジする若者や、 これからの地域を担うような活動も多く存在しています。
前回、自身のまっしろなキャンパスに自由に描くために、燕三条地域に根付く知識や技術、経験を戦略的に学ぶ三条市立大学の学生にお話を伺いました。今回、6月11日と12日に開催された同校初開催となる学園祭「三燕祭」。その運営を担う三燕祭実行委員会の上岡玲智委員長に意気込みをお聞きした。
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三燕祭についてこちら。
前回の記事はこちら。
学生主体の学園祭を目指して
学生の晴れ舞台といえば学園祭。
学園独自の雰囲気を演出するために、学生たちはアイデアを集め、かたちにする自己表現の場ともいえます。三条市立大学では自主性を育めるために、初開催となる学園祭であっても学生主体で進めてきたそう。
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実行委員会の募集を見かけたのが、2021年11月。当時、一期生の私たちにとって学園祭のイメージといえば高校時代で行った文化祭(の延長)。でも、他大学生と話をしてみて「(大学の)学園祭って準備からたのしいから」と聞いて。じゃあ、やってみようと思えたんです。
徒労で終えたと思えた時間にこそ、アイデアは隠れている
三条市立大学は2021年に開校されたばかりの新設校。上岡さん始め、ことしの二期生には先輩が居なく、実行委員会が結成しても経験や模範はありません。だから、学園祭を0から創るために長岡造形大学や新潟医療福祉大学に訪れたそう。
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他大学に訪れるまで、実行委員会のメンバー同士で企画会議を重ねてきましたが、こう言っていいものなのか……時間だけが無駄に過ぎていった感覚でした。意見は出ないし、開催時期が迫ってきて焦るし。
でも他大学に訪れて学園祭について調べていくと、「このアイデアがいいじゃん」と。自分たちでハードルを上げすぎていたというか、この大学ならではを追い求めてすぎたことに気づいたんです。
徒労で終わった会議の時間のなかにアイデアが残っていて、(こうしたプロセスを経て、自分たちのなかで)ようやく腑に落とせたんですよね。
三燕祭初日をみてみよう!
三燕祭の初日に訪れた編集部は、受付で手渡されるガイドブックと協賛ページの数々に驚いた。初めてのお祭りにたいして、燕三条地域に住むひとたちの期待が、この三燕祭に込められていることがわかったから。
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わたしたち、三燕祭実行委員会は一期生を含めるとことし33名のメンバー構成となって、委員長、副委員長、会計。あと渉外と資金調達、広報、イベント、会場と部門をわかれて活動してきました。
学園祭の軸が見えてからはあっというまでしたね。とくに、資金調達では学園祭の協賛をいただくために三条市内の企業をはじめ、経済団体や組合など100件以上にコンタクトを取って。みんな、初めてだったからこそ協力しあって、わたしも求められたら学園祭の企業説明に赴きました。
もともと応募のきっかけが、他学生がいう“準備もたのしいよ”のひとことでしたが、委員長として全体をみながら人手が足りないところは(年齢関係なく全員で)サポートするような。協力する大切さを肌で感じています。
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さいごに、学園祭の名称である「三燕祭」についても教えてくれた。
私たちが一期生のときに名称決めを行っていまして、三燕祭以外にも候補案がありました。例えば、アハメド・シャハリアル学長から頂いた「シャハリ祭」とか。
でも、今回開催した6月の新しい行事として地域に根付いてほしいと考え、全校生徒にも投票をとって決めたのが「三燕祭」。だから近隣に住む高校生や子どもたち、この大学に来たことがない人たちにも三燕祭の名前とともに雰囲気を覚えていってほしいなと思います。
編集記
あたらしいことを始める、0からつくる。
大人になってチャレンジする機会がそう巡ってこないなか、新設校の学園祭を立ち上げること。アイデアが煮詰まりすぎて、ときに立ち戻りたくなることだってあります。
しかし、自分たちらしいものをつくるために徒労で終えたと思えた道にこそヒントが隠されている。この苦労をも、たのしいと語る上岡さんに教えてもらったことが多い。
編集部:
SANJO PUBLISHING 制作部担当:水澤
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