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日替わり建築バーテンダーvol.54~弘前大学特任教授 北原啓司先生~

面白い人がたくさん住むまち、弘前。
弘前に暮らし、働いている地元の人たちを「バーテンダー」としてお呼びし、カウンターに座ってもらい、一緒に飲みながら交流する企画です。

北原啓司(きたはらけいじ)
  弘前大学特任教授
 1956年伊勢市生まれ、東北大学大学院工学研究科博士課程修了。東北大学建築学科助手を経て、1994年より弘前大学。2014年~2022年弘前大学大学院地域社会研究科研究科長。2022年名誉教授。博士(工学)、認定都市プランナー、一級建築士。専門は「まち育て」。
各自治体の都市計画や住宅政策、景観に関わる委員を務める傍ら、東日本大震災以来、国土交通省、大船渡市、宮古市、石巻市等の震災復興に関わる様々な委員を務める。またコミュニティFM「まち育てないと」DJを23年にわたり継続しており、2021年日本都市学会特別賞受賞。著書に「空間を場所に変えるまち育て」(萌文社)、「SDGsを足許から考えかたちにする」(弘前大学出版会)。

当日の様子

北原先生は、右の画像のように黒石市にある「こみせ通り」についてお話してくれました。

こみせというのは、パブリックに開かれた「公的空間」と自分の家という「私的空間」が融合している場所。公的空間と私的空間の「中間領域」となっている。

また、黒石には独特な「オオヤケ」という人たちがいるそうです。

黒石の中心市街地の土地所有者のこと。黒石のまちなかでは昔から、顔の見える範囲内で取引が行われていました。

昔のお金持ちは、他人の土地に対しても自分ごと。親戚や知人間でやりとりしながら、買い手のつかない土地は数件のオオヤケが一時的に共同体で所有し、黒石の外に財産(土地)がでないような仕組みを作っていた。

まさに、黒石には「エコロジカル・デモクラシー」が育ってきていた。

それらのおかげで、街を自分たちの「場所」にしたいと考える若者たちはNPOを設立し、建築学会シャレットワークショップの経験から、伝統的建造物群保存地区だった「空間」をなんとか「場所」にした。

自分も行ったことのある場所で、今までただの景色の一部でしかなかったものでも、このようなお話を聞いて視座が上がると、見える景色も変わり、今までの暮らしが、より楽しくなるなと思いました。

文/こにしれいな
4月から新卒で弘前オランドで働き始めた、元弘大生。



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