パンチカードシステムって知ってる?
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年4月23日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
「パンチカードシステムって知ってる?」
というものです。
まずは映画の話
たまに IT の昔話をしています。
2016 年に公開された「ドリーム」という映画をご存知でしょうか? 1961 年 NASA で友人宇宙船計画が始まっていました。
その頃のアメリカは人種差別的な政策が行われていた時代です。
そこで計算手として働いていた優秀な黒人女性を主人公とした話です。
ストーリーはぜひ映画を見ていただくとして、この映画に出てくるコンピューターに関する話をします。
NASA の計算手というのは何かというと、ロケットの打ち上げや地球を周回する宇宙船の軌道計算を行う人たちのことです。
これはとても複雑な物理学的な計算が必要で、今ならコンピューターを使うのが当たり前ですが、当時はまだ計算手と言われる主に女性のスタッフ多数の人力によって計算していたのですね。
そして、コンピューターが実用できるようになってきた時期でもあるわけです。
初期の汎用コンピュータ
この頃のコンピューターは今の我々がイメージするものとは少し違っていて、ディスプレイモニターがありません。
テレタイプというキーボードとプリンターがくっついたような制御卓でコンピューターを操作するのですが、それはコンピューターを動かすためのコマンドを打つためのもので、プログラムは別の方法で入力するようになっていました。
そこで出てきた方法がパンチカードシステムなのです。
カードの大きさは 8cm × 18cm くらいで、長い方向を横、短い方向を縦とします。
このカードには横方向に 80 桁の文字列を打つことができます。
縦方向は 12 個の穴あけ位置があり、そこに開ける穴の位置の組み合わせで 1 文字を表すようになっていました。
このカードにソースコードを打ち込んでいきます。
ソースコードの 1 行に 1 枚のカードを使うので、ソースコードの行数分のカードが必要になるわけです。
これを事務机ほどの大きさのカード穿孔機を使って作るのですが、その前にプログラムをコーディングシートという原稿用紙みたいなものに手書きするのです。
それをパンチャーさんに持って行ってカードに打ってもらって、カードデッキを受け取って、それをコンピューター室に持って行ってオペレーターにお願いしてコンパイル/実行してもらうのです。
オペレーターはカードデッキを読み取り機に置いて読み取り、命令をテレタイプの制御卓から打ってコンパイルして、コンパイル結果のリストをプリントして、誤りがなければプログラムを実行して、その結果もプリントしてやっと結果が返ってくるというわけです。
最初に紹介した映画にはそんなコンピューターが少しだけ出てきます。
古い時代の名残
プログラムを効率よく作っていくために、便利なサブルーチンのカードデッキを使い回すこともあり、これをライブラリというのです。
紙の束がライブラリです。
分かりやすいでしょう?
ライブラリという用語だけでなく、実は今のコンピューターでもこういう古いシステムの名残があります。
テレタイプの制御卓の流れを組むのがLinuxなどで使うあの黒いコマンドラインですし、 VGA と呼ばれる 640 × 480 ピクセルの横の画素数はカードの 80 桁を基準に作られたサイズのようです。
そして、コンピューターをとても単純化して表した、コンピューターに対して入力があって出力があるというイメージは当時も今も全く同じなのですね。
今はさすがにカードは使いませんが、この頃のモデルとあまり変わらない形で運用されているコンピューターがまだまだ活躍しています。
何だか大昔のお話のように感じるかもしれませんが、今でもお世話になってると思いますよ。
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おわりに
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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