【刻】石狩川は大河。そのための鉄道の変遷。/時刻表は読み物だからな(76)
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2023年10月8日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
【刻】石狩川は大河。そのための鉄道の変遷。/時刻表は読み物だからな(76)
時刻表を読んでいくシリーズです。
チョコレートタウンへ行く鉄道
日曜日は時刻表を読んで話しています。
先週の691回目の配信で、チョコレート工場が楽しすぎてまた行きたいという話をしました。
ロイズカカオ&チョコレートタウンに行って、チョコレートの製造工程について知ったり、ワークショップで自分のチョコレートを作ったりするのがとても楽しかったという話です。
ロイズカカオアンドチョコレートタウンは車で行くのも良いけれど、札幌からJR学園都市線に乗り、ロイズタウンという駅まで行ってそこからシャトルバスに乗っていくのも悪くないのです。
ロイズタウン駅は畑の真ん中にあって、ロイズカカオ&チョコレートタウンまで何もありません。
そういう景色を味わうのも良いじゃないですか。
一度消えた後に復活してまた消えた線路
この駅のある学園都市線という路線名は実は愛称で、正式な路線名は札沼線と言います。
札幌の札に沼で札沼線。
結んでいる駅の名前を一文字ずつ取った鉄道によくある名付けですが、札幌の札はいいとして沼の方はどこのことなのでしょうか。
これは遥か北の留萌本線にある石狩沼田という駅を指しています。
地図を見ていただくとわかりますが、この区間は札幌近郊を除いて函館本線と並行していて、なんとなくこの路線は何のためにあるんだろうと思ってしまう感じがあります。
実際に1935年に全通した8年後には太平洋戦争の影響で不要不急とされて石狩当別から石狩沼田の区間がいったん廃止され、戦後1956年に全線が復活したものの、
1972年には新十津川・石狩沼田間がまたまた廃止され、
つい最近の2020年には北海道医療大学駅から新十津川駅までが廃止となり、現在の区間が残るだけになっています。
大河の両岸
やっぱりいらなかったのだろうとも思いますが、この路線が計画された理由は、並行する函館本線との間に石狩川があったからでした。
石狩川は信濃川・利根川に続く日本で第3位の長さを持つ河川です。
流域の石狩平野は関東平野に次ぐ日本第2位の広さを持ちます。
ということは結構川幅が広いということになりますよね。
だから石狩川の両岸を結ぶ橋をかけるのが大変でした。
今でも石狩川にかかる橋はそんなに多くはありませんし、結構大きい橋がかかっています。
そういうわけで、石狩川の右岸にある地域の交通機関として計画されたのですね。
終点の石狩沼田には炭鉱もあり、その石炭を運ぶことも考えられていました。
ただ、沼田の炭鉱は早々と閉山したし、留萌から積み出すか深川まで出て函館本線を使うというルートもあるわけで、そもそも鉄道としては計画したときほどは重要ではなかったのでしょうね。
僕が物心ついた頃には、新十津川から石狩沼田の間は既に廃止されていたので、時刻表を読み始めたときに滝川からさほど遠くない新十津川までのいかにも中途半端な長い盲腸線を不思議な思いで眺めていたものでした。
全線開通時の時刻表
僕が持っている復刻版の時刻表の中に1968年10月号があります。
辛うじて石狩沼田までの全線がつながっている頃のものなので、札沼線のページを開いてみました。
札幌から石狩沼田までの営業キロは113キロ。
通しで走る列車は上り・下りとも6本ずつ。
そのほかに浦臼・石狩月形・石狩当別から発着する列車が設定されています。
通しの列車は3時間ちょっとかけて走っています。
ローカル線としてはまずまずの本数と言えるでしょう。
通勤路線としての存続
特に札幌と石狩当別の間は一時間に一本くらいは走っていて、札幌近郊交通の片鱗が見える感じですね。
実際、札幌から北海道医療大学駅までの間はJR発足後に電化されていて、今は1日20本程度の列車が走っており、沿線に宅地開発が行われたこともあって通勤する人がかなりいる区間です。
ただし、現在の終点になっている北海道医療大学駅はその名前になっている北海道医療大学が北広島市のエスコンフィールドのエリアに移転することが正式に決まり、移転後にどうなるかについてはかなり悲観的な状況になっていて、札沼線はもう一段短くなるのではないかと想像しています。
まあ、すでに札沼線と言ってもピンとこない人も増えているくらいですから、
「昔はもっと先まで続いていたんだって」
「へー」
と語られる存在になるのでしょう。
学園都市線とロイズタウン
ロイズタウン駅はそんな路線にできた新駅で、JRや地元としてはなんとか周辺開発をしたいところかもしれません。
まあ、まだたくさんの人が足を運ぶには、チョコレートタウンの力不足は否めませんが。
そんなこともあって、僕はロイズカカオ&チョコレートタウンへはぜひJRを使って行ってほしいなと思っています。
駅前からチョコレートタウンまではゆっくり歩いて10分ほどですが、無料のシャトルバスも走っていますし、札幌に観光で来たという方も訪れやすいはずです。
広い石狩平野のど真ん中の景色はなかなかのもの。
ロイズのチョコレートと一緒に楽しんでくださいね。
あ、これ別に案件ではありませんよ(笑)
今回は、石狩川は大河。そのための鉄道の変遷。 という話をしました。
今日はここまで。
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おわりに
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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