【史】検定で俯瞰することを楽しむ/地図も読み物だから(29)
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2023年5月13日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
【史】検定で俯瞰することを楽しむ/地図も読み物だから(29)
です。
土曜日は地図を読む話をしています。
地図地理検定の過去問から
この間から地図地理検定の過去問をちらちら読んでみています。
地図地理検定には地図好きの僕から見てもなかなか難しい問題が出ています。
検定には基礎と専門の2つのカテゴリーがありますが基礎の方でも結構難しいです。
趣味の世界というよりは専門家の世界と言った方がいいかもしれません。
それだけに面白い問題が多くて楽しいのです。
2022年11月の第38回の基礎の方の問題を見ていて、この能力は大事だなあと思ったものがありました。
地図上で示されたポイントで見られる景色をいくつもの写真の中から選ぶものです。
地図と現実の景色を照らし合わせる能力
地図は地形を紙のような二次元のものに投影したものです。
投影された図形をそのまま楽しむことももちろんできるのですが、そもそもの用途は地図と現実に見える世界を照合して、目的の場所にたどり着くことだと思います。
ですから、大切なのは二次元に表されたものを頭の中で三次元的に再構成して現実の世界と照合できる能力です。
もっと簡単に言うと、真上から見た図面だけで真横から見た景色を想像することです。
あるいは、真横から見た景色と真上から見た図面の対応を取ることです。
地図を読むのが苦手という人は、多分こういう能力が決定的に弱いのではないでしょうか。
例えば道を歩いていて、目の前に見える建物の向こう側に何があるのか、きちんと把握できるでしょうか。
建物の向こう側なんて見えないと、諦めずに自分の位置を少し変えて見える景色を変えてみて、その特徴を記憶して地図と照らし合わせることができれば、地図を読むことはできるはずなのです。
そのためには、建物や地形の特徴を見つけることができる必要があります。
自然の地形で、例えば崖というのはイメージしやすいと思います。
地図には崖という表現があるので、それを照合することができると、自分の位置をある程度知ることができますよね。
街中でも似たようなことはできるものです。
建物のそばに赤い自動車が見えたら、そこは消防署かもしれませんよね?
単に赤といっても消防車の赤には特徴があるものです。
もちろんそれだけでは断定できませんが、もしも地図を見て目的の場所の近くに消防署があるとわかっていたら、その赤い自動車は消防車の可能性が高いと考えることができます。
これは大きな手がかりになるわけです。
それ以外にも特徴となるものはいろいろあります。
コンビニの店名が地図にあったら、その看板を景色の中から見つけるのは案外簡単なことがありますし、そういう目印をいくつか見つけることができれば、地図と照合して自分がいる位置をかなり正確に把握できるのです。
地図を見て、特徴的な建物や地形を見つけることができれば、実際に見える景色から自分の位置が分かるわけですね。
抽象化して類推する
実はここに抽象的な想像力が必要です。
崖というものがどういうものか、コンビニの看板がどういう色をしているか、道路が曲がっている時にどんなふうに見えるか、川にかかる橋はどんな種類があるのか、そういう抽象的なイメージの知識を使い、目に見える景色からそういう情報を読み取って地図と照らし合わせるのです。
地図地理検定の問題には、具体的な景色から抽象的な情報を取り出して地図と照合する能力を問う問題も出るということですね。
そのためには、地図に描かれる記号の意味を知っていなければなりませんし、等高線を見てどちらが高いかを判断できる知識も必要です。
ある意味総合的な地図読み能力を判定する問題ですね。
景色と地図を一緒に楽しむ
問題に出てくる場所は実際には見たことがない場所のことが多いでしょう。
でも地図と景色を見比べることができるのはかなり面白くて、合格対策として過去問を見るだけではもったいないなぁと思いました。
今はこれと似たことをGoogleMapsのストリートビューで楽しむことができますよね。
検定試験というと合格を目指す人以外は関係ない感じがしますが、知識を広げるきっかけとみると合格しなくても楽しめるものになります。
目の前の景色から俯瞰したイメージを想像したりすることは、ものの考え方にも共通する部分があると思います。
検定試験の楽しみ方も俯瞰する楽しみと言えるかもしれません。
今回は、地図地理検定の過去問から俯瞰する楽しみについてお話しました。
今日はここまで。
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千葉直樹でした。
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