歳とったな
「尿酸値と血糖値がさ……」
そんな会話で始まった。
母方の伯母の十三回忌。久しぶりに集まったいとこ同士である。
伯母の兄弟はもちろん僕達の親だからみんな随分歳をとったはずだが、見た目それほど変わらないというか、多少動きにぎこちなさを感じる程度だ。兄弟の一番下の叔母は余り変わらないように見える。
いとこ同士はみんなアラフィフになった。見た目がよく言えば貫禄が出てきた。率直なところはホントに歳をとったという感じ。
もちろん僕も見た目がかなり劣化している。
叔父叔母とぐっと近づいたというか、何となく同じような心境に入ったようである。
話し始めるとやっぱり変わらないなあと思う。こうやって集まれるのも伯母のはからいであろう。近況を伝えあって楽しく過ごした。
早くに母親を亡くした叔父叔母たちは、伯母を母親のように慕っていたし、伯母が祖父と同じ敷地で暮らしていたから、生前はお盆に叔母の家に一族で集まっていた。兄妹が多いこともあって、その下の子供達であるいとこ同士も数が多く、そのみんなが結婚して子供を連れてくるようになったらすごい人数になったものだった。
伯母が亡くなって、そういう場もなくなってしまったのだが、いとこ世代の一部が今日のような法事のときにわりときちんと集まっている。
僕はすっかり体が弱ってしまった母の代理で行くことになっているのだが、みんなと会えるのでわりと楽しみにしている。
「尿酸値と血糖値が良くなくて治療している」なんて話をしながら、酒はちゃんと飲んでいる。集まれば酒。これは変わらない。
昔のように遅くまで飲むというわけにはいかないが、この歳になったらそのほうが楽ということもある。
「みんなが健康で長生きできればいいな」
そう思いながら帰りの電車に乗った。