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【速報】Affirm 2024年度Q4決算  詳細分析レポート

日本時間2024年8月29日(木)朝、Affirmが2024年度のQ4決算を発表した。

<主要数値>
収益【評価:○(+0.54億ドル)】
実績:6.59億ドル コンセンサス予想:6.05億ドル 

EPS【評価:○(+0.33ドル)】
実績:-0.14ドル コンセンサス予想:-0.47ドル

決算発表直後の株価は時間外取引で15%の上昇

今期は遂に、トップラインの急成長に+αして、ボトムラインの急速な改善も実現した。

劇的な復活を遂げたAffirmの最新決算を掘り下げてみよう。



※当記事は弊社のFinTechニュースサイト「NCB Library」からの抜粋です。
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※【開催決定!!】






1.  "93%"をリピート顧客に支えられGMVが躍進


GMV(取扱高)は前年比+31%の72億ドル。

FY2024では、Black Fridayを含むホリデーシーズンの期間にあたるQ2で75億ドルを記録していたが、今期はその実績に迫る数値を叩き出した。

GMVの業種別成長率は前期と同様の傾向で、主要8カテゴリのうち7カテゴリで前年比プラス成長を達成。

"その他"以外で最高の成長率を記録したのは一般消費財で前年比+45%。全体構成率は34%となった。このカテゴリにはAmazonやWalmartなどが含まれる。

Amazonは7月中旬に開催したプライムデーの売上が過去最大の140億ドル規模となり、この成長もAffirmの取扱高増加に寄与したと考えられる。

急成長を遂げたAffirmだが、北米リテールEコマース全体に占めるシェアはまだわずか2%程度だ。つまり、今後も膨大な成長ポテンシャルがある。

Affirmは今年度内に、Apple Pay、Google Payへの統合も控えている。

Amazon, Shopify, Walmartの「北米Eコマース3強」に加え、デジタルウォレット2強への導入が完了すれば、GMVの成長曲線が急激な右肩上がりを描く可能性が高い。

今期の稼働顧客は前年比+14%の1,870万人。稼働顧客1人あたりの決済回数は4.9回で前年比+26%となった。稼働マーチャント数は前年比+19%の30.3万件。

Affirmによると、直近でAffirmを利用した顧客の約60%が1年以内にリピートしており、2回目の利用に至る期間は着実に短縮されている傾向にあるという。

新規顧客の獲得ペース向上もさることながら、一度使った利用者をファンに育成し、リピート利用を促すことによって決済金額を伸ばせている点が大きい。

今期の決済回数は前年比+42%の2,470万回。実に全体の93%がリピート顧客による決済となっている。

AffirmはiOSアプリ(4.9/5.0)、Androidアプリ(4.8/5.0)ともに極めて消費者評価が高く、顧客満足度が高い点が強みだ。計画的な後払いを優れたUI/UXで利用できるメリットが評価されているといえるだろう。

生活必需品カテゴリでの消費が増え、Affirm Cardの利用を促進したことで顧客の平均決済単価は低下(前年同期317ドル→今期293ドル)したが、稼働顧客と決済回数の成長が牽引する形で、GMVの安定的な成長を実現した。

戦略商品Affirm Cardの稼働ユーザーは120万人を突破。カードGMVは前年比+293%の5.07億ドルとなった。


AffirmのGMV全体に占める比率は7%とまだ少ないが、脅威的な成長を遂げていることは間違いない。

今後も、Affirm Cardによる日常消費の活性化が、オンライン決済におけるAffirmの利用促進につながるという構図は強化されていくだろう。

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