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【速報】Affirm 2025年度Q1決算 詳細分析レポート

日本時間2024年11月8日(金)朝、Affirmが2025年度のQ1決算を発表した。

<主要数値>
収益【評価:○(+0.34億ドル)】
実績:6.98億ドル コンセンサス予想:6.64億ドル 

EPS【評価:○(+0.03ドル)】
実績:-0.31ドル コンセンサス予想:-0.34ドル

決算発表直後、時間外取引で株価が乱高下し、最終的には-2%の下落

直近3カ月間で+93.5%急騰した影響もあってか、投資家の評価は厳しいが、コアビジネスは極めて順調に成長している。

詳しくは後述するが、衝撃なのは(米国カレンダーイヤー 以下CQ)2024CQ2,CQ3において、Affirmは他のすべてのBNPL事業者の収益を合算した額よりも多くの収益を1社で稼ぎ出しているという点だ。

投資家向けレターにおけるMax Levchin CEOの自信に満ち溢れた一行目が眩しい。

"Affirm galloped out of the gates in FQ1’25. We met or exceeded every metric provided in the August outlook:"
(Affirmは2025年第1四半期決算というゲートでロケットスタートを達成した。我々は今年8月に示したガイダンス指標の全てを達成、または上回った)

本当に「死角」はないのだろうか?Affirmの最新決算を掘り下げてみよう。


Agenda
1.止まらないGMVの躍進
2.収益急成長も心配される"スピード違反"
3.RLTC成長を手放しに喜べない取引コスト急増の暗雲
4.来期ガイダンスとAffirmの今後


1.止まらないGMVの躍進
GMV(取扱高)は前年比+35%の76億ドル。

前期に発表したガイダンス(71-74億ドル)を超える結果を残した。

直近2年間のQ1GMVは前期(Q4)とほぼ同等の数値となっていたが、今期は前期(72億ドル)を4億ドルも上回ることに成功した。

Affirmコアビジネスの生命線はGMVであるため、最も重要な数値が順調に成長している点はポジティブだ。

FY24CQ2には、米国のEコマースに占めるBNPL GMVのシェアが約7.4%に到達。AffirmがBNPL市場において占めるシェアは34%で、前年同期の32%から上昇した。

GMVの業種別成長率は前期と同様の傾向で、主要8カテゴリのうち7カテゴリで前年比プラス成長を達成。

"その他"以外で最高の成長率を記録したのは一般消費財で前年比+47%。全体構成率は36%となった。このカテゴリにはAmazonやWalmartなどが含まれる。

一般消費財カテゴリは全体構成率がトップながら、直近では毎期、前年比成長率もトップとなっている。

Affirmは上場当初こそ、スポーツ機器カテゴリのPelotonに取扱高が集中していたが、直近ではすっかり日用品の後払いに強い企業になった。

提携パートナーとの協業では、Affirmは今期、正式にApple Payへの統合を完了した。

競合のKlarnaもApple Payへ統合したことで、Affirmが「独占的」な成長を遂げることは叶わなかったが、それでもこのパートナーシップの持つ意味は大きい。

従来からタッグパートナーの関係にあるShopifyは、同社に提供する分割払いサービスShop Pay Installmentsの累計GMVが100億ドルを突破。今後もさらなる取扱高の向上に向け、引き続き協業を強化する見込みだ。

オンラインや実店舗、複数の拠点でAffirmの決済が導入されることで、ブランド認知力が高まり、包括的に決済の選択率が向上する効果が期待できるだろう。

今期の稼働顧客は前年比+21%の1,950万人。稼働顧客1人あたりの決済回数は5.1回で前年比+21%となった。稼働マーチャント数は前年比+25%の32.3万件。

これまで同様、一度Affirmを使った利用者をファンへ育成し、リピート利用を促す戦略が機能している。

今期の累計決済回数は前年比+45%の2,720万回。実に全体の94%がリピート顧客による決済だ。

Affirmは米国のクレジットカードに代わる革新的な後払いとして狼煙を挙げた企業(※)だが、ファンによるリピート決済が成長の源泉となっている状況を鑑みるに、自社顧客にその価値が正当に評価され、クレジットカードよりも経済的で便利に利用できる実感を提供できているのだろう。

※AffirmのFBML 1.3 「打倒クレカでAffirm誕生」をご参照

戦略商品Affirm Cardの稼働ユーザーは前年比+19%の140万人。カードGMVは前年比+171%の6.07億ドルとなった。

Affirm Cardは単体の収益と利益が双方ともに前年同期比に2倍以上に増加したという。

Affirmが本カードを投資家向けレターの表紙に抜擢していることからも、期待感がうかがえる。

ユーザー1人あたりの年間GMVは前年比+20%の約3,000ドルに増加。2024年度当初、店舗でのカード利用率は約25%であったが直近で急速に上昇し、今期には45%になった。

「実店舗の日常払い利用促進→オンラインでもAffirmの利用を活性化→ロイヤルティ向上」という方程式がガッチリはまっているといえるだろう。

 

             ※ ※ ※
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