【第37回】相対価格大幅値上がり 前年同月比7409円高
農水省が10月18日に公表した24年産米の相対取引価格・数量(9月の速報値)によると、全銘柄加重平均価格(玄米60 kg当たり、税込み)は2万2700円で、前年同月に比べ7409円高となった。農水省が相対取引価格を調査・公表するようになってから最高価格である。
農水省は、国会で野党からコメの需給が逼迫(ひっぱく)して価格が上昇していることを問われた際に「上がっているのはスポット価格、ごく一部の量で太宗を占める相対価格は上がっていない」と繰り返し答弁してきた。その太宗を占める相対取引価格が一気に7409円も値上がりしていることについてなんと答えるのだろう。
農水省が公表するデータには、その名称と受け取り側の理解とは違うものがままある。相対取引価格もその例で、受け取り側とすれば毎月の取引価格のことだろうと思うのが自然だが、実際はそうではなく契約した時点の価格である。このため23年産の相対価格が今年の8月まで値上がりしなかったのは当たり前のことである。ただし、年産が変わると途端に位どころが一変してしまう。それが今回の2万2700円という価格になって現れた。
茨城コシが最高価格に新潟コシより7000円高
相対取引価格の報告対象業者は、全農、道県経済連、県単一農協、道県出荷団体(年間の玄米仕入数量が5000t以上)、出荷業者(年間の直接販売数量が5000t以上)となっており、事実上全農系統の販売価格と言える。
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