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【第190回】第二次大戦で海軍パイロットだった教官から学んだこと

ラジャー!

管制官とパイロットとのやり取りは必ず管制官が言ったことを復唱して、最後に自機の機体番号を伝える。先輩たちの話を聞くと昭和40年頃は管制官から指示されたら、なんでも「ラジャー」を連発したそうだ。私が「どうしてラジャーしか言わなかったのですか?」と聞いてみた。「だって管制官が言っている英語わからんもん」と返ってきた。えーーである。

現在というか、平成に入って管制官からの呼び出しに「ラジャー」だけ言ったら、復唱するまで何度もコールを受けるだろう。ラジャーは受信したことの了解、ウイルコは指示されたことに対する了解の意味がある。だが、私の500時間、37年の飛行時間で、以上の単語を聞いたのは数回である。まず、ラジャーって言ったら、管制官からなんて返事が返ってくるのか、恐ろしくて使えない。管制から「他機が通り過ぎているので大丈夫ですよ」あたりで使えるだろうか。つまり、重要度が下がった場合には使えるが、実際には自機の機番を言うのが普通だ。ラジャーばかリ使うパイロットはラジャー・パイロットと呼ばれ、イングリッシュができないバカだとさげすまれるのがオチだ。

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