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【第95回】いま夢中になれることをとことん突き詰める
コスパやタイパを考えたら本気では遊べない 「将来のため」より「いま楽しい」 好きなことを楽しみながら いつの間にか気がついたら料理人になっていた息子たち
暖冬の予報でしたが
やはりしっかり寒くなり
大慌てで冬支度していますが
限界集落のレストランは
さらに熱を帯びています。
お客さんが増え
知名度が上がるにつれ
いろいろなメディアから取材依頼も増えてきました。
どうして刃物を研ぐようになったのか。
どうして料理をするようになったのか。
どうしてレストランをするようになったのか。
いろいろ聞かれていますが
研ぎも料理も
ほとんど全てが遊びの延長で
ただ面白いから夢中でやってきたというだけなので
いまさら「どうして?」と
その理由を問われても
自分たちでもいまいちよくわからないのではないかと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1738649814-hxeMkZ6JX1bdORNYpafQCsD8.png?width=1200)
ただ「遊び」というものは
他の動物の成長過程を見ていても
子供の頃の学びの原点になっていることが多く
生き物にとっては
とても大切なものなのでしょう。
コスパ、タイパ
スマートフォンの発達もあってか
大人だけでなく
子供同士の会話のなかでも
よく耳にする言葉ですが
本気の遊びは採算度外視。
それが何か意味を持つとか
何かの役に立つということを意識しすぎると本気では遊ぶことは
難しいでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1738649940-MYE1hvxKtcBeial8LnqyCAgV.png?width=1200)
取材の後「どうやって教育されたのですか」と彼らだけでなく僕にも質問が来るのですが
僕もやはり
子育て自体を「遊び」として
夢中でやってきただけなので
コスパ、タイパは二の次三の次。
でも結局はその順番で考える方が
コスパもタイパも良かったように思います。
将来すばらしい料理人になるために
子供の頃から頑張って包丁を研いだというのではなく
刃物が好きで研ぐこと自体を遊びながら楽しんでいるうちに
どんどん夢中になり
包丁もものすごく切れるようになって
気がついたら料理人と呼ばれていたという流れの方が自然です。
つまり「将来のために」いま何かをするのではなく
「いま楽しい」
「いま夢中になれる」ことを
とことん突き詰めることが
結局は良い将来を形作っていくことを
彼らが証明してくれました。
![](https://assets.st-note.com/img/1738649994-LO3XaBlHGSQFqp4zg8iUJIxs.png)
この先時代が大きく変わっても
自分たちが受けた教育をもとに
新しい世の中に合わせた
自分たちなりの教育方法を見つけることを遊びとして
次の世代に繋いでいってくれたらと思います。
『農業経営者』2024年2月号
【著者】山本 晋也(やまもと しんや)
1968年、京都生まれ。美術大学を卒業して渡米後、京都で現代美術作家として活動しながらオーガニックレストランを経営。食材調達のため畑も始める。結婚して3人の子どもを授かったところ、農業生産法人みわ・ダッシュ村の清水三雄と出会い、福知山市の限界集落に移住。廃屋を修繕しながら家族で自給自足を目指す。現在、みわ・ダッシュ村副村長。