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【第233回】統計部水稲作況調査の根幹「坪刈り」の重大欠陥

取材も戦闘と同じ。砲撃したら、目標に正しく着弾したかどうか。その確認作業が必要だ。取材の場合なら、指摘した問題点に相手がどう反応したか。その確認作業になる。


マニュアルとサインで着弾確認

前回の記事で水稲作況調査の問題で指摘したのは、次の2点。

【調査マニュアルの欠陥】
これは見事に着弾した。調査に従事する専門調査員向けに配布するのは、統計部作成の「水稲作況調査の実測編」(通称・調査マニュアル)。水稲作況調査は、主食用米に限っているのに、その旨の記述が調査マニュアルにないことを指摘した。生産流通消費統計課は、そのことを素直に認め、「指摘された事実、その通りでした。近く実測編の見直し作業に着手します」という回答が戻ってきた。

【作業確認のサインを耕作者からもらっていないこと】
着弾確認に難渋したが、最後は認めてきた。

そのサインは、作況調査の基本である坪刈りの実施に際して、耕作者の同意を得た証拠になるもので、専門調査員が、統計部の指示した作況標本筆で調査を実施したかを示す証拠にもなる。それと同時に、これは外部雇用した非常勤の専門調査員への報酬支払いの根拠にもなるのだ。これに対する生産流通消費統計課の橋本陽子課長の回答は次の通り。

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