【第276回】今太閤 コンピューター付き人間ブルドーザー総理 人情家田中角栄の素顔
「角栄のお庭番」と呼ばれ、最後まで秘書を23年間務めた朝賀昭は私に言った。「お庭番の仕事は墓場まで持っていくと信じてきたが、今その禁を破る」。
新潟の実家から15分の距離に田中角栄記念館がある朝賀は、中央大学を出るとすぐ角栄の秘書となった。
国会議事堂近くの日比谷高校3年在籍時、自民党本部でアルバイトをしていた朝賀は、当時、政調会長だった角栄と会い、同郷出身と分かって
「朝賀、来年高校を卒業したら大学はどこを受けるんだい」。
「僕は大学には行かずに板前になろうかと思っています」。
角栄の顔色が変わってカミナリが落ちた。
ここから先は
1,526字
農業ビジネスを取り巻く挑戦と再生をテーマにした連載です。自己改革や逆境を乗り越えるための考え方や行動力を農業の現場に結びつけて紹介していま…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?