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【第194回】道中いろいろ、研修旅行!ドイツ・オランダ 2023(1)

昨年の話になるが、ドイツとオランダに行ってきた。道中いろいろあったので書いていこう。

従業員2名も同行し、研修旅行がメインとなるので、観光は全く念頭にない。従業員はちょっと良いシートで、エコノミーより前方に10cmくらいスペースがあり、リクライニング角度も2倍だ。これで従業員からクレームはないだろう。十勝からの同行者も1名いる。彼とは10回近く海外に出かけているので気心が知れた関係だ。


羽田空港の乗り継ぎ問題

ニュージーランドとほぼ同じ人口の北海道には、20年前にKLM(オランダ)で千歳→ヨーロッパ・ルートがあった。その後は千歳→香港→ヨーロッパ・ルートを利用したが、やはりコロナで止まり、再開は夏以降だ。千歳発のフィンエアー(フィンランド)も夏に再開されるので運賃の競合を期待したい。そこで今回は千歳→羽田→香港→フランクフルトになった。

羽田空港の乗り継ぎには最低2時間は必要だ。一便遅延すると乗り継ぎができなくなる。今回は余裕をもって乗り継ぎに4時間持たせた。とっても問題あるよね。

関東の方たちが羽田の国際線を利用する場合は第3ターミナルに直接行けば問題ない。だが、地方から乗り継ぐと、最悪スーツケースを自分で運んで、第1ターミナルもしくは第2ターミナルから移動しなければならない。その際には循環バスか京急を利用する。まるでアフリカの途上国並みの施設だ。

あと新幹線などの鉄道の大動脈が羽田に直結していない。これは羽田だけではなく、全国の飛行場に言えることだ。ちなみに、親中とささやかれ、立派な知事がいた静岡空港の真下には新幹線が通っている。行政も国民も人の流れをスムーズ、かつ大量に移動させることに興味を持たないのは所詮、極東アジアの小作人根性のなせる業なのか。

数年前から出国手続きではスタンプを押さなくなったが、将来ビジュアル確認を容易にするために、私は違うブースに行って出国スタンプを押してもらい、機上の人となる。

羽田を離陸して5時間ほどで香港に着く。乗り継ぎに4時間あった。従業員2名には出発当日にシャワーを浴びてから来るように伝えていた。十勝の彼と私は香港のキャセー・ラウンジでシャワーを浴びた。

ふと8年前のことを思い出した。シャワールームのおねーたまが親切だったのでチップを渡そうとしたが、1ドル札の手持ちがなく、5ドル札を渡した。そりゃーもらった方は大喜びですよね。今回はしっかりと1ドル札を握りしめてシャワールームを使い、元カワイイおねーたまに1ドル札を渡したが、ちょっとケチったかな~。

乗り継ぎで、また飛行機に乗り込む場合はセキュリティのためパスポートを見せるのが普通だが、香港への降機時にはハイテク装置で一度顔認証をして、再び乗り込む時に、また顔認証をする。国内の自民党支持の共産党員さま、こうやって国民を監視できますよ。秋葉原の中国警察でも中国人を監視しているんですよね? 知らんけど。監視カメラは日本製を使ってくださいね。

現在地はクリミアの南200km

離陸後2時間で1回目の食事が出るが、事前に何とかバーガーを頼んでいた。深い意味はなく、ハンバーガーを食べたかったから、それだけだ。その後、歯磨きをして5時間くらいして目が覚めた。映画を見る気力はなかったので、ディスプレーで飛行ルートを確認できるフライト・トラックを見てみた。

「嘘だろ!」。フライト・トラックはマップ上に現在の飛行機の位置を示してくれる。な、なんとその場所は黒海の上空だった。わずかにトルコの陸地から離れていて黒海南部を飛行していた。キャセイなので南回りはわかっていたが、まさかのクリミアから南に200kmのところとは―。怖い、というよりもウクライナの兵士に申し訳ないと感じた。あなたたちは200km先で戦っているのに、私は寝そべっている……。世の中は普通に不公平ですね。

地上のPCやスマートフォンならフライトレーダー24というアプリで確認できるが、もちろんウクライナ上空には飛行機は全く存在していない。周辺国を迂回していて、ウクライナ南部のモルドバでもせいぜい2機くらいしかない。同じく親ロシアのアルメニア上空は、仲が悪い隣国アゼルバイジャンよりも明らかに飛んでいない。

モスクワから南に飛ぶ飛行機はウクライナ国境から東に500kmくらい避けて、水不足のカスピ海に向かって飛ぶ。不思議なのは、チベット上空は日本の3倍くらいの面積があるのに、そのエリアには1機もいないことだ。ウズベキスタンの西側1/3にも1機もない。ヨーロッパではフランス中部エリアにも1機もない。そう思いつつまた寝入ってしまった。

着陸90分前には2回目の食事、朝食が出る。これが楽しみだ。メニューはPorridge(ポーリッジ)、日本語ではおかゆだ。コメはこうでないと、という強いこだわりはないが、香港おかゆは最高だ。香り、コク、食感も良い。皆さんもキャセイに乗ってポーリッジを楽しんでください。

到着したフランクフルトでのドイツへの入国手続はスムーズだった、私の時は。運が悪く、金髪ブルーアイのイミグレは私の後ろにいた従業員に矢継ぎ早に質問してきたそうだ。従業員はフリーズ状態に陥ってしまった。彼がイミグレから出てくるのが遅かったので、数メートル戻ってイミグレに「彼は私の同行者でハノーバーに行きます」と伝え、無事入国。

次は税関だ。20年前に十勝の方2名がイミグレを通過して税関の前を通るときに、金髪ブルーアイのドイツの税関が「ちょっと待て」と彼らに向かって何か言った。ドイツ税関の「あんたたち、タバコ持っているだろ?」に、彼ら2人は正直に「はい」と答えた。「何カートン持っている?」と聞かれて、彼らはスーツケースを開け(させられて)○カートンあると伝えた。税関は○カートン以上は税金を払ってもらいますと告げ、彼らはすごすご税金を納めた。その様子を遠巻きに見ていた私はドイツ税関に「どうして彼らがタバコを持っていると分かったの?」と聞いてみた。税関は「簡単だよ、彼らはたばこの匂いがしたからね」と。タバコは吸っても良いけど、吐いてはいけないということか。

今回はたばこを吸う従業員一名に税関から離れて歩くように伝え、無事ドイツに入国できました。

飛行場の下の階に向かい、レンタカーオフィスに向かった。ヨーロッパでも安心のハーツレンタカーを使う予定だったが、8日間の料金が他社よりも500ユーロも高かった。そこで、アラモレンタカーにしたが問題があったのだ。ハーツレンタカーの場合、国際免許はハーツのウェブサイトで“ハーツ免許”を作ることができる。アラモにも似たようなものがあるが、北米のみ有効のようだ。珍道中のつづきは来月号へ。

『農業経営者』2024年7月号


【著者】宮井 能雅(みやい よしまさ)
西南農場㈲代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。

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