【第333回】ブルー・オーシャン
ビジネス書の流行り言葉を使えば、日本農業はまさに「ブルー・オーシャン」の波に乗れる位置にある。
ウィキペディアによれば「ブルー・オーシャン戦略」は、INSEAD(欧州経営大学院)教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュが語る経営戦略論で「血で血を洗うような競争の激しい既存市場をレッド・オーシャン(赤い海)」とし、その激戦区でビジネスをすることは不毛であると前提づけ」、そこから可能な限り脱却して、策源地となりうる競争のない理想的な未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海)」を切り開くべきだと説いている。
例えば、農業界でコメの世界とは典型的なレッド・オーシャンというべきだろう。それも、もとより市場の存在など気にも留めず、経済行為としてではなく、正月に松飾りや節句ごとに飾り付けをするのと同じ年中行事としてコメ作りを続ける人でも同じ品質のものを作れる結果として過剰が生じ、市況が低迷する。
しかも、マーケットのシグナルではなく、交付金という政府の餌付けで飼料米、麦、大豆への誘導が行われるようになっている。こうして守られればこそ人々は安心してコメ作りを続け、安楽死を迎える。
でも、ポテトチップ、ポテトサラダ、コロッケ等の原料となる加工用馬鈴薯は主産地北海道でも減産傾向にあり、需要業者はその調達に苦慮している。
ここから先は
1,122字
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?