答えではなく、考え方まで提供したい。

現在零細企業経営者を対象としたコミュニティを企画している。
コミュニティにどんな価値が求められるか、そのためにどのような活動内容にするかのヒントを得るべく、ヒアリングを行った。

初期仮説として零細企業の経営者はテクノロジーや経営に関する情報収集をおこなっているものの活用するのに苦労しているのではないかと考えた。
ビジネスに関する情報の多くが大企業や優秀な組織を前提としている気がして、そういった情報は直接的に転用できないし、テクノロジーなどの場合はシンプルにリテラシーや使いこなす部分で苦労があるのではないかと。

しかし、この予想は大きく外れていたようだった。ヒアリングした零細企業経営者の多くが、目先の営業活動などのため以外に情報収集を特に行っていないという回答だった。

しかもそういった情報収集は商談に近いものも多く、新たな知見を集めて活用しようというものではなかった。

一学生がサービスを作って一生懸命やっている方にこのような発言をするのは恐れ多いが、ターゲティングや競争優位の考え方について考える余地がまだまだあるようにヒアリングを通じて感じた。

基本的なビジネスの考え方である、セグメントやポジショニング、差別化のポイントなど営業を始める前にある程度考慮すべき項目が緩いケースが多かった。
現在普及しているサービスからの乗り換えをどう起こすのか、そこには自社のサービスを選んでもらう理由がいるはず。しかし、そこには「他社との違いは何か?」という問いの前に答えを明確にできない方もいらっしゃった。

私はもっと事業の戦略性やマーケティングに関する情報をコミュニティの核に添えられないかと考え始めた。

営業については代行を行なっているので、ブラッシュアップしていけるかもしれない。しかし、お客様である経営者の方自身が戦略やマーケティングのPDCAをご自身で回していけるようなサポートが本来必要なのではないか。

学んで活用できない知識ではなく、しっかりと事業を進める上で役に立つ、指針となる知識を提供できる場としてコミュニティを作る。それを目標にしようと思った。

「言うは易し行うは難し」

まさにそれだ。彼らは営業に行ったり、人脈を作ることを目的としたいわゆる目の前のことに精一杯で、必要性はあるのだろうがそういった即効性があるかはわからない考え方の習得には前向きでないような感じがする。

と言うことは需要をこちらから喚起しなければならず、難易度は高い。しかし、事業や製品についてマーケットをふまえた考え方を学ぶことはきっと役に立つと思う。

重要なのは本や動画で得られる知識を知る、理解すると言うことではなく、実際に使えるようになること。

実際に様々な課題を持つ経営者が集まるコミュニティだからこそ、温度感の近い事例をもとに知識等を入れて、それを実際に使いながら議論する場が実現できるのではないか。

直接的な答えではないが、問題の特定や事実の整理を行う上でフレームワークや理論はものすごく役に立つと思う。万能ではないからこそ、ポンと答えがでてくるわけではない。しかしながら、考えるべき事象がクリアになることで確実に前進できると思う。

全ての人が経営理論やマーケティングを学んでいるわけではないし、学んだとしてもできるようになるには大きな断絶があるのを自分自身でも痛感している。
しかしそれでも学ぶ意義があると思う。闇雲にただいろいろと頑張っている状況からしっかりと目的をもって、うまく行っても行かなくても行う価値があったといえる行動を積み重ねてもらいたい。

零細企業の経営者の多く、いや零細企業でなくても経営者は孤独なのだと思う。だからこそ、自身のアクションに自信が持てるようなサポートをコミュニティを通じてやりたいと思う。

まだ具体的なプランや魅力的なコンセプトを仕上げられたわけではないが、ヒアリングで得たホットな感覚をそのままに価値あるコミュニティになるよう、設計を続けていきたい。

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