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ニーズと商材を繋ぐ超基本のトーク構成
私は今インターン生として、現在ベンチャー企業にて新たに作るコミュニティの導線としてのセミナーを設計しています。
ゴールはコミュニティに加入してもらう事なので、セミナーで肝になるのはコミュニティの価値をどう感じてもらうか、です。
今まではどういったセミナーが参加者にとって有意義かとか、どんな内容を参加者は聞きたいのかみたいな事をメインに内容を考えていたのですが、コミュニティの加入というある種営業に近い内容でもあるので、どのようにすれば参加者がスムーズに加入したいと思ってもらえるかを一番に考えようと思いました。
それが今日のインターンで大事になるな〜みたいなことを考えつつ、朝シャワーを浴びる間に昔よく勉強で見ていたYoutuberの動画を流していました。
適当に見てない動画を流していましたが、題材は「自信を上げるためにはどうすればいいか」みたいな内容でした。
さらっと聞き流す予定でしたが、ふと動画の構成ってどうやって決めているんだろうという事で分析してみようかなと考えました。
するとすごく緻密に次の動画を見たくなるように構成されていたので、それを抽象化すればセミナーの構成にも適応できるんじゃないかと考えています。
基本構成
1. What is it? (前提共有)
2. I was the same as you (共感)
3. How to get it (道筋提示)
4. Why you need it (意欲醸成)
5. What you should do now (アクションステップ)
6. Obstructions (障害となるもの)
→その障害を取り除く解決策として商品を勧める
なんか日本語で言うとダサくて冗長的になるので、英語にしてみました(笑)
基本的な流れの上に内容が載っているので違って見えますが、広告なんかも基本的にはこの流れに沿っているんじゃないかなと思います。
1. What is it? (前提共有)
まずは聞き手と認識を合わせるために、対象のものや事象の定義を伝えます。今回の動画であれば、「自信とは何か?」がこのパートのテーマになる事です。
例えば営業ツールを売りたいというケースを考えると、そもそも営業ツールとは何か?についてしっかりと言葉で定義し、相手にも「確かにそういうものだよね」と納得しつつ、認識を一致してもらう事がゴールになります。
ここの認識をそろえておかないと以下の内容の説得力が変わってくるので、非常に重要な部分です。
2. I was the same as you (共感)
このパートでは聞き手が最も最初に浮かぶ反論について述べます。
1つ目の「でも」とでもいうのでしょうか。相手にものを買って欲しい時やある特定の行動をとってもらいたい場合にはこの「でも」をいかに上手く切り返すかが重要になります。
自信についての動画の場合、先のパートで自信とは何かについて触れた上でここでは「自信の有無って生まれつきなんじゃないかって思いますよね?」というふうに切り出します。
ここでは相手の疑念や不安を先取りする事で、「私もあなたと同じイメージを持っていました、分かりますよ。でも違うんです。」と共感をしつつ、柔らかく反論していく事ができます。
ここでは自身の経験や”客観的根拠”を用いて、その認識が実は間違っているんだということを伝えます。
ここでは論文や研究結果など科学的な根拠を示すケースが多いように思います。
私が見た動画では「今の私は割と自信があるタイプですが、元々はあまり自信のないどちらかというと弱気な性格でした。〜なことをきっかけに変わって・・・」のような感じで自身の変化を話し、実際に自信が後天的に身につくものだという心理学的な調査も出ていますよ、と終えていました。
営業ツールの例でいくなら、「営業ツールって高いだけで効果がないって思いますよね。でもある調査では導入後3ヶ月以内に75%の企業で購入コストを上回る成果が出ているという結果もあるのです!」のような感じでしょうか?
「え、そうなの?」と、自分の認識は間違っているかもしれないと聞き手自身に思わせられるかどうかが重要になります。
3. How to get it (道筋提示)
ここまでで聞き手が思う最初のネガティヴ要素をかわし、それが事実ではないということを示しました。
このパートでは懸念点を回避して、結果を得るために必要なことについて説明します。
ここでの目的は聞き手が今後取るべきアクションを理解してもらうことです。
懸念点を避けて良い結果が得るにはこうする事が必要なんだと必要条件を理解してもらう事が重要です。
自信の例でいくと「重要なのは行動→成功体験→行動のサイクルが大事です。だから自信がないから行動できないのではなく、行動しないと自信はついていかないのです」と言った流れになります。
ここで再び聞き手は「でも...」と反論したくなるので、それに対応するのが次のパートです。
4. Why you need it (意欲醸成)
3で提示した道筋には心理的な障壁や変化が必要になるケースが多く、最も聞き手が関心を失いやすい部分でもあります。
この2つ目の”でも”を切り返すのは1つ目の”でも”をかわすより難しいのでこのパートが非常に重要です。
ここでは「ネックになる部分があっても乗り越える価値があるんだ」といういう風に、谷の先にある果実の甘さを伝えることで聞き手に乗り越えてもらおうというアプローチを取ります。
そのために商品を手にすること、今契約を交わすことの重要性や意義について伝えていきます。
有効なのはアクションを起こしたことで得られるメリットと起こさなかった時のデメリットを伝えることのようです。
よく広告であるのは、今買わないと20%オフの割引は受けられなくなります!とかこの価格で買えるのはこのリンクからだけで、このリンクは二度と表示されません!のようなもの。
メリットだけでなく、手にしないデメリットも伝えるのは、心理的に人間は得をすることより損失回避の方を重要だと捉えやすいので、こうしたやり方をとっています。
5. What you should do now (アクションステップ)
これは3の道筋提示にも似ていますが、こちらはより具体的で今すぐにやるべきアクションを示します。
3が目的地に辿り着くまでに必要な経路だとすると、ここでは「さあ、ベットから起きて、エンジンをかけて、走り出すべきです!」という最初の一歩を踏み出すために必要なことを説明します。
ここでは特別なことを言う必要はありません。
なぜならここでの目的は「その一歩が踏み出せないんだよ!」と聞き手に思ってもらうことだからです。
多くの場合至極当然で当たり前な「行動しなきゃ変わらない」ということになります。
ダイエットなら痩せるために食べる量を減らすとか運動する、合格したいなら勉強するということになりますし、行動なしで現状が変わることはありません。
自信の動画でいうなら「そのためにこんなことをやるのがいいです。でも最後に必要なのは実行すること。これをしないと成功体験が得られず、自信につながりません。」というような感じです。
聞き手からすると「でもそれができないんだよなぁ」と思うところです。
次のパートでここの部分をうまく利用します。
6. Obstructions (障害となるもの)
さて、いよいよ終盤。クロージングにかかります。
ここではやらないといけないけど、こんな問題が出てきますよね?という風に聞き手の「できない理由」を挙げます。
そしてそんな方のためにうちの商品があるんです!という流れに持ち込むのです。
いやー長かった!ここまでいくのにすごいステップを踏んだ気がしますね。
でもいくらいい商品だとしても、相手が必要性を感じないと手にしてもらえないので、この必要性を感じてもらうためのコミュニケーションは非常に大切。
行動を促してその障害・障壁を取り除く解決策として商品を売り込むのが広告の基本ですね。
痩せたいけど運動は嫌だし、食事制限もしたくない。だからこのサプリ!
清潔感があってモテるために脱毛したいけど、高いし痛い。だからうちの脱毛サロン!
商品を売ることではなく、動画を再生してもらう事がゴールになるYoutubeでも根本は一緒です。
自信の動画では、「そうはいってもいきなり行動しろというのは難しいですよね。集中力が続かなかったり、生産性が高まらなかったり。そんな方のために集中力や生産性を向上させる方法についての動画をあげているので見てみてください!」という風に締めるのです。
かなり自然な形で次の動画への導線が引けてませんか?これじっくり分析してみて結構感動しました。
まとめ
今回書いたことは革新的なことでも目新しいことでもなく、広告を作る方や営業をやられる方は常識として意識されていると思います。
でも普段広告などをみている側としては、ふわっと「うまい広告だなー」と思ってみていますが、その根幹にあるのは消費者の心理変化を先回りして購入しない理由を潰し、行動させる基本構成があるのがわかってすごく勉強になりました。
おそらくこの基本原理はひとつではなく、いくつかパターンがあると思うので今後も注目してみようと思います。
聞き手の心理変化をうまく理解しながら構成を考えることはセミナー作りでも大切だと思うので、活用していければなと思います!
今日はここまで。