できるだけ長時間考え続ける方法
さて今日は、長時間(朝から夕方まで)考え続けなければならない状況でいかに、脳を生産的に働かせ続けるかについて最近実践したことをまとめたいと思います。
きっかけ
就職活動をしているとチームに分かれて2~3日くらい、時には5日くらいで新規事業やその他タフな問題を考えなければいけない時がやってきます。
やっぱりそれだけ長い時間、しかもチームで考え続けるのは簡単な事ではありません。
意見が二転三転しながら少しずつ前に進んでいき、それでも最終日のプレゼンに向けてできるだけ脳を働かせて頑張りますが、どうしても行き詰ったりスピードが落ちてしまうことがありました。
私がよくやっていたのは睡眠時間を削ること。
シンプルに頭の使い方が効率的ではないと思ったので、その差分を時間を投下することで埋めようというアプローチです。
私は短期間であれば、15分程度の睡眠で回復してまた頭をリセットすることが出来るので、正直3日くらいのインターンでは何とかなってしまう事もありました。
しかし、自分以外のメンバーはそんな働き方基本的には向いていないし、本来やるべきではありません。
他のメンバーが寝ている時間に思考が進んでもそれは独りよがりであり、理想的な進め方とは言えないでしょう。
自分にとってもこの方法が好ましくない事は分かっていました。
社会人になって様々なタスクが降ってくる中で、睡眠時間を削ると言いうのは付け焼刃的ソリューションで、サステナブルではないからです。
そこで問題はいかに勤務時間い集中を落とさずに考え続けるかという事でした。
集中を高めた状態で仕事をし続けるにはその人の思考におけるスタミナである思考体力を高めることはもちろん重要です。
しかし、それを伸ばすにも限界はあります。
やはり人が永遠に走り続けられないように、思考を続ける限界は人それぞれあって、脳は確実に疲弊していくからです。
ゴールまで走り続けるためには、ゴールまでの道のりを短くするか、うまく体力を温存するほかありません。
思考においても同じで、考えるべきことを少なくするか、脳を適度に休めながら考えることが重要です。
この二つがこの間、インターンに参加して一緒のチームのメンターから学んだことでした。
集中にも波がある。うまく脳を使い分けよ。
長期インターンでもそうなのですが、最近悩みだったのは朝はすごく頭がさえていて生産的に作業を進めることが出来るのに、昼過ぎくらいから分かりやすく生産性が落ち始める事です。
この問題を乗り越えるために最初にしたことは、朝のうちにやるべきことを決めてしまう事。
そうすれば、昼後に少しくらい脳の機能が鈍っても、やるべきことは決まっているので淡々とこなせるのではないかと思いました。
しかし、実際には午前中やった作業の結果によって午後やるべきことを変えないといけない事もあり、あまり意味がありませんでした。
そんな中臨んだ2日間のインターンで、メンターの男性社員は我々と同じ時間新規事業を考えていたにもかかわらず、常に一定のアウトプットを出し続けてきたのです。
しかもしっかり我々学生の議論のプロセスをメモに残し、どういう変遷で今の議論に繋がっているのかを整理し、その流れで今やるべきことは何なのかを的確に指示してくれました。
私は不思議に思いました。なぜこの人はこんなに思考を続け、さらにプロセスまで記録する余裕があるのか。
答えは余裕があったから記録をしていたのではなく、記録という行為で脳を休めつつ、整理することで考えるべき範囲を最小にしていた事でした。
インターンの中で一生懸命考えていると、視野が狭くなり、実際には意味のない事や何を考えているのかよくわかっていないけど検索しているみたいな時間が生まれます。
これは課題解決にクリティカルではない、思考力の浪費です。
それを避けるために、破棄されたアイデアや議論もしっかりと記録し、矢印でつなぎながら今までの軌跡をしっかりと記録します。
記録する際はそこまで頭を使う必要がないので、そこで集中力を下げても大丈夫です。
それを全員共に有することで、今までの流れを共通認識化することもできます。
さらに議論を可視化することで、どういう変遷で今に至っているのか、それを踏まえて今から何を考えようとしているのかを明確にすることが出来ます。
この何を考えているか分からなくなる病は一人で考えていても起こります。
結果として何を今自分は考えているんだっけとか何でこれを考えようと思ったんだっけという疑問が生まれ、生産性が著しく低下します。
それを避けるべく、うまく記録や整理業務を行いながら考えるべき範囲を常に小さくし、脳を休めフィニッシュまで脳を働かせるのは非常に重要なスキルであると感じました。
実際、長期インターンで一日中セミナーの設計をしていましたが、今日はいつも以上に思考のパフォーマンスを落とさず作業を続けることが出来ました。
スラッグで常に何を考え、どういう結論に至り、それで次に何を考えるべきなのかを打ち込んでは自分のトークルームに投げていました。
報告の際にもこれが役立ちます。
思考や議論をしていて、最初からイケてるアイデアが出てくることはほとんどありません。
議論の中でアイデアや意見が破棄されていくのは最も自然なことですが、それを浪費した時間だと無意識に考えてしまっていることに問題があります。
だから進捗を聞かれても、まだ何も決まっていません。。。という風になってせっかくのFBのチャンスを失ってしまうことが多々ありました。
さらに完璧主義だった私は報告の形にもこだわり、パワポをちゃんと作ったりしたので報告すると一から考え直さなければならないのにわざわざ時間をかけてスライドを作るみたいな無駄なことをしていました。
しかし、思考のプロセスを書くことでどういった流れでそのことを考えるのに至ったのか、その流れに漏れはないかを一気に共有することが出来ます。
もちろん視覚化できればより分かりやすくなりますが、文字であっても十分わかりやすく報告することはできると最近気づきました。
できるだけ言葉を少なくし、矢印を駆使する。
そうすることで簡単に論理構造を明確にしながら思考のプロセスを共有することが出来ます。
そうすれば、どこの繋がりに違和感があるのか、漏れがないか、聞き手も瞬時に流れを理解しFBをすることが出来ます。
スピード感というのが最近自分の中で課題であったので、この方法は自分の思考時間も伸ばせ、上司やメンターと認識を合わせる上でも使えるものだったので、今後も続けていこうと思います。
非常に基礎的なことですが、考えることに終われていたり、求められる成果物のレベルが高い時には、より考えることに時間を割こうとしてしまいます。
しかし大抵の場合、その人が本当に効率的に頭を働かせ続けられる時間は決まっています。
つまり良い解を出すためには、うまく集中力をコントロールして考える範囲を狭めながら、ここぞという時に集中して答えを出すことが有効だと思います。
長時間集中力を維持し続けることは科学的にも困難です。
一つの事柄ならまだしも、新規事業などでは競合分析や事業モデル、収益性の検討など考えることは多岐に渡るので必ず途中で、スイッチング・ペナルティと呼ばれる思考対象の変化に伴う集中力の低下が起きます。
簡単に言うと、集中力に波が生まれるのです。
それを理解したうえで、うまく付き合う方法を見つけなければいけません。
今回の学びはそれについて一つの方法を示すものだと思いました。
今日はここまで。