新規事業推進に関するマインド・シフトのすすめ~案ずるより「試す」が易し~
新型コロナウイルス感染症終息への
淡い期待とともに2021年を迎えた矢先、
2度目の緊急事態宣言が発令されました。
依然として市場を取り巻く環境は厳しい状況にあり、
事業の見直しを検討されている企業様も多いのではないでしょうか?
※帝国データバンクが1月14日に発表した
『新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(12月)』
によると、業態転換行う予定(可能性)があると
回答した企業は20.3%。
今回は「事業の見直し」に関する最近の潮流について紹介します。
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従来、事業の見直しや新規事業の立ち上げは、
次のような流れで進められていました。
①綿密な計画作り
↓
②承認
↓
③立ち上げ準備
↓
④事業展開
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しかし、事業の見直し・新規事業の立ち上げ方法は、
昨今スタートアップ界隈を中心に変化しつつあります。
現在、主流となってきている考え方は、
綿密な計画作りに時間を費やすよりも、
仮説をもとにスピーディーにプロトタイプを世に出し、
テストを行うことを優先します。
テストによって得られたデータに基づき、
前進または見直しを判断することが重要なのです。
とはいえ、計画自体が不要になったわけではありません。
問題は計画作り自体ではなく、
最終的に事業が世の中で日の目を見るまで
実際の顧客と一切接点を持たないことにあります。
(まさに今回の新型コロナウイルス感染症による市場変化がそうですが)
昨今、競合や市場の変化は加速度的に進んでいます。
現在察知した変化をもとに新規事業を構想しても、
実際に世に出した頃には状況が変わっていたり、
競合に先を越されてしまうことは十二分にありえます。
また、前提とする仮説が本当に正しいのか?
これは顧客へ実際に訴求してみるまではわかりません。
では、これからはどのように
事業の見直し・新規事業の立ち上げに取り組めば良いのか?
進め方の一端を紹介します。
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①アイデア作成
まず最初のポイントは“1人で始めないこと”です。
集合知を活用し、
さまざまなアイデアを出すことからスタートします。
ビジネスのアイデアを創出するにあたって
「ビジネスモデル・キャンバス」というフレームワークが効果的です。
参考:一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会
『ビジネスモデル・キャンバスとは』
https://www.bmia.or.jp/report-column/2409/
「ビジネスモデル・キャンバス」は
9つのブロックでビジネスの構造を簡単に図式化しており、
難しい知識がなくとも、
誰でもビジネスモデルについて構想することが可能になります。
私自身もこれを活用し、
支援先企業の社員の方々と商材開発を行っていますが、
非常に実践的だと感じています。
適切なフレームワーク(考えるための枠組み)は、
良いアイデアを数多く出すための手助けとなりますので、
積極的に活用しましょう。
②プロトタイプ作成
作成したアイデアの中から、
最も実現可能性が高いアイデアを選び、
簡単な形(イメージ図や提案書だけでもOK)にし、
ぜひ顧客や顧客になりうる方々に提示してみてください。
顧客へインタビューを行うだけでも、
これまでとは全く違う気づきが得られます。
③テスト・学習
もし反応が良ければ次の試作品にまで進め、
不評であれば再度アイデア作成に戻ります。
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このように、早い段階から顧客との接点を持つことで、
従来の進め方では防ぎきれなかった
市場とのミスマッチ・損失発生リスクを低減させることが可能です。
事業の見直し・新規事業の立ち上げの参考になれば幸いです。