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大樹深根の経営を

新型コロナウイルス感染症の第3波到来について連日報道されています。

去る11月17日、私が暮らす札幌市では、
北海道警戒ステージが4相当に引き上げられました。

商工会議所などの経済団体を中心に、
道内さまざまな場所で講演をさせていただいていますが
「このような時期だからこそ……。」と
学びに来られる経営者の方々と話し、
私自身も大きな学びと勇気をいただく日々を過ごしています。

今、あらためて感じることは
「平時の体質が有事の業績をつくる」ということです。

大きな樹でも、
根が浅ければ予期せぬ強風にいとも簡単に倒れてしまいます。

しかし、大樹深根という言葉がある通り、
深くまで根を張った「バランス」の取れた樹は、
厳しい環境でもしっかりと枝葉が茂る良樹となります。

私の支援先でも、新型コロナウイルス感染症の影響が
まったくなかったという企業はありません。

ある支援先(道内に20店舗ほど飲食店を展開)では、
コロナ第1波の大きな打撃を受け、
3月の来客数が大きく減少しました。

しかし、4月以降10月まで毎月、
前期比で増益をはたしました。

もちろん、テイクアウトやデリバリーなどの手も打ちましたが、
それだけで改善できたわけではありません。

振り返ってみると、
これまで深く根を張り巡らせるために力を注いできたことが、
このタイミングで活かされたのだと感じています。

この企業では、コロナ禍以前からの1年間で、
幹部陣が見事な成長を遂げていました。

コロナ禍の有事にあたっては、その幹部陣がまさに「幹」となり、
200名からなる社員・パートの皆さんに、
経営陣の考えやこの逆風にどういった姿勢で臨むのか?など、
最も不安に感じている点に対する応えをスピーディーに示し続けました。

その結果が、
この半年の前期比増益という「繁茂」につながりました。

有事に上手く対応することももちろん大切ですが、
それ以上に平時から企業の体質を強化しておくことが
いかに重要か教えられました。

よく「コロナはチャンス」という言葉を耳にしますが、
それは詭弁でも精神論でもなく、
純然たる事実だと私は考えています。

なぜなら、深く根を張ることの大切さを考える
強いきっかけになるからです。

ここでいう「根」とは「理念」であったり、
「顧客」「人材」「技術」であったりと、
さまざまな見方ができるでしょう。

コロナが収まりさえすれば経営の危機は訪れないか?というと、
そのようなことはあり得ません。

だからこそ、今一度自社の「根」は
どこまで深く張られているだろうか?ということを振り返る
とても大事なチャンスをいただいたのだと
捉えなければならないと感じます。

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